5. 介護保険料・後期高齢者医療保険料の値上げ中止について

市民生活も物価高で大変な状況に変わりはありません。そこで、介護保険料や後期高齢者医療保険料の値上げの中止を求めて質問します。

本定例会に、介護保険料を改定する条例が出されています。

その内容は、基準額は据え置き、所得の低い1段階から3段階の人は引き下げるといいますが、ごくわずかです。月90円、年1080円だけの引き下げです。

一方で、10段階から13段階の人は大幅な値上げとなります。

最高は月4270円、年5万1240円の値上げとなり、総額で約9600万円もの負担増と見込まれます。

しかし、水戸市の介護給付費準備基金は12億円もあります。

この一部、1億円を活用しただけで、値上げはしなくてもすむわけですから、値上げは中止すべきではないでしょうか。

また、後期高齢者医療保険料も平均11%値上げとなります。今年度と比べ来年度は、約3億2900万円もの値上げ予算となっていますが、水戸市の高齢者の場合、1人当たりどれくらい負担が増えるのか伺います。

問題は、茨城県後期高齢者広域連合には基金が35億円、そのほか県の財政安定化基金に過去最高の約50億円も積みあがっていることです。

しかし、県の基金が取り崩されたのは過去一度だけで、保険料抑制に活用せず、大幅な値上げをすることは認められません。

年金生活者のくらしは限界です。合計85億円もある県の基金の活用で、値上げを撤回するよう求めるべきと考えますがいかがか、お答えください。

 

答弁:高橋市長

次に,介護保険料についてお答えいたします。

生産年齢人口が減少していく中で,高齢者人口は団塊ジュニア世代が65歳となる2040年に向けて急激に増加することが見込まれております。

介護保険制度の持続可能性を確保する観点から,国においては,第1号被保険者間での所得再分配機能の強化を図るため,標準段階を増やし,高所得者の標準乗率の引き上げを行い,低所得者については,公費による負担軽減を継続するとともに,標準乗率を引き下げる方針が示されたところであります。

これを踏まえて,本市においても,令和6年度から令和8年度を計画期間とする水戸市第9期高齢者福祉計画・介護保険事業計画の策定にあわせて介護保険料を改定したところであります。

具体的には,保険料の判定に用いる所得段階を12段階から13段階に増やし,負担バランスの最適化を図るとともに,低所得者の保険料については,最大で5%の引き下げを実施したところであります。

第9期計画期間中は,要介護等認定者の増加や介護報酬の改定率が,全体でプラス1.59%と上昇したことなどにより,介護給付費の大幅な増加が見込まれます。このため,本来であれば保険料の上昇は避けられないものであります。

しかしながら,市民の経済的負担を最大限軽減できるよう配慮することとし,介護給付費準備基金を活用することなどにより,現行の基準額である月額6,100円の据え置きを実現したところであります。

私は,高齢者が住み慣れた地域で,いきいきと安心して,自分らしく暮らす社会を実現するためには,医療や介護予防,生活支援等が連携した地域包括ケアシステムの構築と,介護保険事業の安定した運営が重要であると考えており,介護保険料はそのための貴重な財源であると認識しております。

今後とも,社会全体で介護を支えるという理念のもと,介護保険事業の適正な運営に努めてまいります。

次に,後期高齢者医療保険料についてお答えいたします。

後期高齢者医療制度は,都道府県ごとに全市町村が加入する広域連合によって運営されており,保険料率につきましては,法律に基づき2年ごとに見直すこととされております。

後期高齢者医療につきましては,団塊の世代の加入により医療費が増加する傾向にあり,この医療費の支えとなる現役世代による支援金も1人当たりの負担が増える傾向が続いております。昨年公布されました「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」においては,この現役世代の負担の緩和を図るとともに,後期高齢者医療制度からも子育て施策へ拠出するなど,すべての世代で,負担能力に応じて公平に支え合う仕組みを強化する制度への見直しが図られたところであります。

御質問の令和6年度,7年度の保険料率につきましては,制度改正内容を踏まえ,本年2月19日の茨城県後期高齢者医療広域連合議会定例会において議決を経て改定されたところであり,この改定に伴う本市における被保険者1人当たりの平均保険料額は,令和4年度,5年度における7万9,465円から8万7,437円となり,約8千円の増額となっております。

また,県の財政安定化基金につきましては,医療給付費の急激な増加等に対応するために設置されたものでありますが,このたびの改定におきましては,広域連合の剰余金が活用され,保険料率の上昇抑制措置がとられたところであります。

令和6年度,7年度の保険料率につきましては,広域連合において,今後の被保険者数の推移や医療費の動向等を十分に見極めながら,被保険者の負担にも配慮され,決定されたものと考えております。本市におきましては,被保険者が安心して医療を受けることができるよう,引き続き,後期高齢者医療の状況につきまして丁寧な説明と周知に努めてまいります。