質問:田中まさき議員

日本共産党水戸市議団の田中まさきです。

はじめに、元日の能登半島地震で被災され、亡くなられた方にお悔やみを申し上げますとともに、今も厳しい避難生活を送られている方々に、心よりお見舞いを申し上げます。それでは会派を代表して、高橋市長に質問を行います。

1.防災行政について

(1)地震災害対策の総点検について

今回の能登半島地震の甚大な被害をみますと、私達が、いつまた大きな地震に襲われるかわからず、万全の対策や備えが大事であると痛感いたします。

昨日は3月11日でしたが、水戸市も東日本大震災で大きな被害を受けました。午後2時46分、私は、市議会常任委員会の休憩中に議員控室で被災し、同僚議員や職員の皆さんと、急いで市役所駐車場に避難しました。

その後、繰り返す余震や液状化、ブロック塀の倒壊、停電で信号もつかず、大渋滞が発生、水やガソリンの不足と情報の遮断など、嵐のような日々を、今も鮮明に思い出すことができます。

国によれば、今後30年以内に、水戸市で震度6弱以上の地震がおきる確率は8割を超えており、地震災害対策の不断の見直しが求められます。

特に避難所については3・11以降、プライバシー確保のテントなど、様々な物資がそろえられてきましたが、さらなる備蓄品の充実や、女性や高齢者、災害弱者の視点での改善が必要と考えます。避難所となる体育館にエアコンが整備されることは前進ですが、完了は5年後とのことで、速やかな整備が必要です。

2019年10月の台風19号による水害をうけた水戸市・飯富地区の避難所を視察した日本共産党市議団

いま、能登地方では、水道の長期断水が大きな問題となっております。

水戸市の水道管の耐震化の現状をみますと、口径30センチ以上の基幹管路の44%、約6キロが耐震化されておらず、敷設後40年を超えた老朽管は314キロに及び、年々増加しています。また、病院や避難所、防災拠点の配水管の耐震化もこれからであり、スピードアップが求められます。

こうしたインフラの早期耐震化や避難対策、住宅再建支援の拡充など、地震災害対策を総点検し、防災計画を改定する必要があると考えます。

答弁者  高橋市長

(1)地震対策の総点検について

日本共産党水戸市議団を代表されましての田中議員の御質問にお答えいたします。

はじめに,防災行政についてですが,令和6年能登半島地震においては,石川県を中心に甚大な被害が発生しており,本市においては,国,県と連携し,被災地へ速やかに応援職員を派遣したほか,現地の自治体と調整し,ブルーシート,携帯トイレなどの救援輸送を実施したところであります。引き続き,被災地からの要望に応じた支援を継続してまいります。

市民の皆様の生命と財産を守ることが私の使命であり,被災地への支援を通じて,改めて,あらゆる状況に備えた防災・減災対策の重要性を感じたところであります。

これまで本市では,避難所等の防災機能強化として,耐震化や停電対策,初動段階で必要となる資機材や通信機器等の整備に取り組んだほか,地域の防災活動拠点である全市民センターにおいて  Wi-Fi環境の整備やトイレの洋式化を図ってまいりました。

また,避難所運営に当たりましては,アレルギーや内臓疾患のある方でも食べられるアルファ化米や,乳児用液体ミルク及び哺乳瓶,プライバシーの確保や感染症対策にも有効な間仕切り,足腰が不自由な方に有効な段ボールベッド,スマートフォンなどの充電に利用いただける可搬型発電機など,備蓄品目の拡充にも取り組んでまいりました。さらに,紙おむつや生理用品などの衛生資器材については,流通備蓄として活用するため,市内にある各小売業者と災害協定を締結しております。

今後の更なる避難環境の向上に向けましては,食品アレルギーへの対応を強化するなど,市民ニーズに応じた備蓄物資の充実を図るとともに,避難所の冷暖房対策として,指定避難所である市立学校の屋内運動場に,空調設備及び非常用電源の設置を年次的に進めるなど,機能向上に取り組んでまいります。

また,能登半島地震においては,災害時要配慮者への対応や女性の視点を生かした避難所運営について課題が挙げられております。

本市におきましては,高齢者や障害者などの避難に配慮が必要な方への対策として,避難行動要支援者の登録制度を創設し,対象となる方に名簿登録をしていただくとともに,名簿登録者全員に個別の避難計画を作成しております。あわせて,登録者には防災ラジオを無償貸与し,市民の皆様がとるべき行動,避難所の開設情報などを確実にお伝えするとともに,災害発生が予想される際には,安否確認や避難所までの移動支援に努めているところであります。

女性の視点を生かした対策につきましては,女性防火クラブや地区女性会などと連携して訓練等を実施してきており,この中でいただいた御意見を参考にしながら,避難所運営において女性専用のトイレや更衣室,授乳室の設置に取り組んでまいりました。また,災害対策本部を設置した際には,複数の女性職員を構成員とし,女性の視点からの意見を取り入れているところであります。

引き続き,災害時において,災害時要配慮者や女性の方々が,安全かつ安心して避難できるよう,避難環境の一層の向上を図ってまいります。

また,令和6年能登半島地震を踏まえ,今後,国が行う各種検証によって得られる知見・教訓をはじめ,国・県等による法令改正や計画・方針の改定なども踏まえながら,本市の防災対策をより強固なものとしてまいります。

質問:田中まさき議員

(2)住宅耐震化への支援について

また、能登地震での被害拡大の要因の一つが、住宅耐震化の遅れといわれています。水戸市で耐震化されていない住宅は約1万1000戸と推計されています。

これに対し、市が実施している耐震診断は一定の利用があるものの、その後、実際に補助を利用して、耐震化の工事まで進んだのは、わずか11件でした。制度開始から13年間たちますがこれだけです。多額の改修費用にみあう補助を拡充するなど、さらなる耐震化の促進が求められますがいかがか、答弁ねがいます。

答弁者  高橋市長

(2)住宅耐震化への支援について

住宅耐震化への支援についてお答えいたします。

本年1月1日に発生した能登半島地震では,建築年代の古い木造住宅に大きな被害がみられており,木造住宅の耐震化の重要性を改めて認識したことから,担当には,市内の住宅の耐震化をさらに進めるよう,私から既に指示をさせていただいたところでございます。

本市では,平成20年3月に耐震改修促進計画を策定し,木造住宅の耐震化を図るための取組を進めております。

主な取組といたしましては,昭和56年5月以前に建築された旧耐震基準の木造住宅を対象として,耐震診断士の派遣や耐震改修工事費用の補助を行っており,当該制度を活用して,これまでに306件の耐震診断と14件の耐震改修工事がなされております。

また,令和3年度からは,水戸市住宅耐震化緊急促進アクションプログラムを定め,耐震改修工事に対する補助額の上限を50万円から100万円に増額して制度を拡充するとともに,補助制度の案内をポスティングするほか,住宅耐震化についての説明会を開催するなど,住宅の所有者への働きかけにも力を入れているところであります。

これらの取組により,問い合わせや相談が増えており,一定の成果が得られていることから,引き続き,耐震化の必要性について積極的に周知し,その啓発に努めることで,さらに木造住宅の耐震化を促進してまいります。