2023年9月議会 田中まさき議員の一般質問

(3)安心住宅リフォーム事業の拡充について

次に、住宅リフォームへの補助制度の拡充についてです。快適な住宅に住み続けてもらうために、リフォーム補助は重要な政策です。

しかし現在の制度は、1件10万円が上限で、年間予算が2000万円、約200人分限定です。

その結果、先着順だった一昨年度は7月に、昨年度は5月に申し込み枠がいっぱいになり、それ以降に「補助を受けたい」と思っても、そもそも申請ができない状態でした。

市はそれを受けて、今年度は抽選制にしたとのことですが、公平性の観点から言えば、希望者全員が補助を受けられるべきです。

ご承知のとおり、水戸市は、水戸駅北口や泉町、さらに南町などで、大型マンション建設に、あわせて45億円を超える巨額の補助を行う方針ですが、これで潤うのは一部のマンション業者やゼネコンであって、一般市民には恩恵がありません。

一方、住宅リフォーム補助は、現に市内に住んでいる市民への直接支援です。痛んだ住宅の修繕や省エネ目的の断熱などがすすみ、長く住み続けることができれば、空き家の増加抑制や、地元業者の仕事増やしにもつながります。これこそ市がもっと力を入れるべき住宅政策です。

現在は1住宅につき1回しか申請できないため、例えば内装リフォームで1回補助をうけた方は、壁の塗装では補助を受けられません。

いずれも100万円以上かかることが多く、それぞれ補助を受けられるようにするとともに、上限額10万円の引き上げなど、制度拡充を求めますがどうか、お答えください。

3.水戸市安心住宅リフォーム事業の拡充について  答弁者 都市計画部長

次に,住宅政策についてお答えいたします。水戸市安心住宅リフォーム支援補助金につきましては,将来にわたり安心して住み続けることができる住まいづくりのため,既存住宅ストックの活用による住環境の向上と地域経済の振興を図ることを目的として,平成29年度に開始した制度でございます。本制度につきましては,新耐震基準である昭和56年6月1日以降に建築確認を受けた住宅又は同日前に建設された住宅のうち耐震性が確保されている住宅を対象に,市内に本店を置く建設業者等に50万円以上のリフォーム工事を依頼した場合の工事費用の一部や,茨城県及び茨城県建築士事務所協会が推進するリフォームアドバイザーの派遣に係る費用の一部を,最大で10万円補助するものでございます。

制度開始から令和4年度までの6年間で1,079件,約1億300万円を支出しており,多くの市民の皆様に利用いただいております。

令和4年度までは先着順で申込みの受付を行っておりましたが,制度が認知されるに従って,予算額に達する時期が年々早くなり,夏以降に着工する方が交付を受けられない状況が生じたため,本年度から前期と後期に分けて受付を行っております。本年度の前期の実績といたしましては,140件の募集に対し,126件,約1,200万円の申請があったところであり,対象となったリフォーム工事費用が約1億7,600万円に上ることから,既存住宅の長寿命化とともに,地域経済の振興に寄与しているものと考えております。

なお,本年度の後期分につきましては,9月15日を期限として受付を行っております。

議員御提案の補助制度を複数回利用可能とすることにつきましては,当該補助制度を多くの市民の皆様に広く利用していただくため,1住宅につき1回としているところでございますが,制度開始から7年が経過することから,前回の利用から相応の期間が経過した場合の取扱いについて,調査研究を進めてまいりたいと考えております。また,年間予算額の拡充及び上限額の引き上げにつきましては,現行制度による取組の効果を検証するとともに,今後の申請の状況や他市町村の動向を注視しながら,検討を進めてまいります。