5.    水道行政について 

(1)  1県1水道に関する県の推進プランについて

最後に、水道行政について、水道広域化、1県1水道について、質問します。

私はこれまで、水戸市には十分な独自水源があり、県営水道の傘下に入るべきではなく、1県1水道ありきの県の研究会には参加しないよう求めてきました。

ところが、市は研究会に参加し、県は年度内に「広域化推進プラン」を策定する方針です。

そこで、県が一体どんなプランをつくっているのか、答弁ねがいます。

県が、研究会に示した基礎調査では、水戸市の累積欠損が40年後に377億円、資金は950億円ものマイナスになるとしましたが、市の財政計画とも大きく乖離しています。

このズサンな推計はどうなったのか。

根拠不明な数字を並べたて、参入しなければ大赤字と、市町村を脅すようなやり方は認められません。

水戸市の水道料金は、県中央広域圏内の11自治体のうち、下から2番目、県全体でも下から4番目です。

1県1水道に参入すれば、水道料金の大幅値上げは避けられません。

県は、プランをもとに次の段階に進み、来年度は検討調整会議に移行し、再来年度は基本協定の締結と法定協議会の設置、令和7年度には統合する、というスケジュールです。

市はこのままレールに乗って参入するつもりなのか。

デメリットしかない1県1水道に参加すべきではありません。拒否すべきと考えますが、お答えください。

(2)霞ケ浦導水事業の県中央広域水道への影響について

私はこれまで、何度も県中央広域水道の水源に位置付けられている、霞ケ浦導水事業の建設費が、水道料金に跳ね返ると警告してきました。

このことについて、市は、昨年6月の私に対する答弁で、「霞ケ浦導水事業が令和12年度完成を目標に事業を進めており、将来,構成市町村の負担がさらに増加することも懸念される」ため、県知事と企業局長あてに「負担の在り方について要望した」と答弁しました。

事態は、水戸市が懸念した通りに推移しています。

県は来年度、霞ケ浦導水のうち、茨城町と水戸市の立て坑をむすぶ、地下トンネルの工事に着手し、59億円も予算化しています。工事をやればやるほど、将来の負担は増大の一途をたどります。

この点で、市長や管理者は、今年2月28日に発表された「令和4年度・茨城県包括外部監査報告書」をご覧になったでしょうか。

ここには、県中央広域水道について「霞ケ浦導水事業が完成する予定である、令和12年以降には、同事業に係る減価償却費や、水源管理負担金が発生することにより、さらに厳しい経営状況となることが見込まれる」ため、「料金改定を含めた、抜本的な経営改善が必要である」と記されています。

つまり、霞ケ浦導水事業が経営の重大な足かせとなり、料金値上げは避けられない、というのです。

その危険性を、市も県も認識しているのに、事業をやめない。

これは市民に対する重大な背信行為と言わねばなりません。

全国一高い料金がさらに値上げになるのを、ただ見守っているつもりでしょうか。

水戸市にとって、最良の決断は、霞ケ浦導水事業を推進するのではなく、県中央広域水道からの受水をやめることだと考えますがいかがか、お答えください。

以上で第一回の質問を終わります。

答弁によりましては、再質問させていただきます。

答弁:上下水道事業管理者

田中議員の代表質問のうち,水道行政についてお答えをいたします。

初めに,1県1水道に関する県の推進プランについてでございますが,水道事業を取り巻く経営環境は,人口減少や施設・管路の老朽化等に伴い,厳しさを増しており,住民生活に必要不可欠なライフラインとして,水道事業の持続的な経営を確保していくためには,中長期の経営見通しに基づく経営基盤の強化を進める必要があります。

このため,国においては,水道法で,都道府県の責務として,水道事業者等の広域的な連携の推進に努めることを明記するとともに,市町村等の実施する水道事業について,市町村の区域を超えた広域化を推進するための「水道広域化推進プラン」を策定するよう,各都道府県に対し,要請をしているところでございます。

これを受けて,茨城県では,広域連携等を含めた具体的な方策について検討を行うため,県及び市町村等で構成する「広域連携等に係る研究会」を定期的に開催するほか,令和4年度末の公表を目標に「茨城県水道広域化推進プラン」の策定を進めているところでございます。

本市といたしましては,研究会に参加する他市町村等と情報共有などの連携を図るとともに,今後示される「茨城県水道広域化推進プラン」の内容を十分精査しながら,市民負担の増大につながらないことを第一とし,また,本市水道の安定供給と健全経営を最優先に,来年度以降の会議への参加も含めて,引き続き広域連携について慎重に検討を進めてまいります。

次に,霞ヶ浦導水事業についてでございますが,国において,令和12年度の完成を目標として事業を進めており,将来,茨城県中央広域水道用水供給事業に係る負担の増加につながることも懸念しているところでございます。

このことから,水戸市長を会長とし,11市町村で構成する茨城県中央広域水道建設促進協議会において,昨年8月に茨城県に対し,霞ヶ浦導水事業の建設に係る負担の在り方について検討していただけるよう,要望を行ったところであり,今後も引き続き,県の動向を注視しながら,当協議会の構成市町村とも連携をして,県と慎重に協議を進めてまいります。

また,県からの受水につきましては,災害に強い強靭な水道を確立し,市民の安全・安心を担保する給水確保の観点からも,必要となる複数水源の一つとして捉えており,今後も有効に活用してまいりたいと考えております。