日本共産党水戸市議団の田中まさきです。

改選後初の議会にあたり、市民の付託に応えて、掲げた公約の実現に全力をつくす決意をもうしあげたいと思います。

市民の皆さん暮らしは、実質賃金の13か月連続マイナス、電気代や食品の値上げなどで大変になっており、コロナ感染も徐々に増えているとのことです。

そこで水戸市が、今定例会に提案された緊急対策にとどまらず、追加の支援金や税の減免、コロナ感染予防や後遺症患者さんへの支援など、対策をしっかり行うことを求めるものです。

それでは、通告に従い代表質問を行います。

1.第7次総合計画の策定について

はじめに10年間の基本構想、5年間の基本計画を定める第7次総合計画の策定についてです。

市が昨年実施した「市民1万人アンケート」では「水戸市の目指すべき姿」の1位が「医療が充実し健康に暮らせるまち」、2位が「高齢福祉や障害福祉が充実しているまち」、3位が「安心して子どもを産み育てることができるまち」でした。

また「重要と思う施策」の1位が「災害に強いまちづくり」、2位が「総合医療対策」、3位が「防犯の充実」、4位が「飲み水の安定供給」、5位が「下水道などの整備」でした。

私は、こうした声にそった総合計画にすべきと考えますが、先月発表された「基本構想」の「都市空間整備構想」では「都市核・拠点への都市機能の集積」や「大規模コンベンション誘致」などが重点に位置付けられており、市民の望みと乖離があるのではないでしょうか。

いま水戸市は、水戸駅北口再開発や泉町の民間マンション開発に、約46億円もの補助を進め、企業誘致で1社2億5000万円の補助や固定資産税免除など、大企業に至れり尽くせりです。

私は、資金力のある大企業に多額の税金を投入している場合ではなく、市がやるべきことは他に山ほどあると考えています。

例えば、5割の小学校、7割の中学校が建築後40年を超えてボロボロです。狭あい道路は申請から完成まで12年かかっており未完成路線が86本、延長は26㎞もあります。

また、高齢者のダントツの要望が「自家用車を使わずに通院・買い物をするための支援」です。

小学生の給食費無料化や保育料免除、老朽化した市民センターや市営住宅の改修など、他市と比べても遅れている事業や、市民の切実な願いに速やかに応える総合計画とすべきです。

市債残高は今年度末で約2460億円、5年後には4大プロジェクトの借金返済が本格化し、年110億円を超える返済がみこまれるなか、大型開発や大企業支援を続ければ、他の予算を圧迫することは明らかです。そこで今後の計画づくりでは開発優先をあらため、医療や福祉・教育、くらしに身近な事業を優先した計画とすべきと考えますがいかがか、見解を伺います。

答弁:市長

日本共産党水戸市議団を代表されましての,田中議員の御質問にお答えいたします。

はじめに,水戸市第7次総合計画の策定についての御質問でありますが,私は,本市の将来ビジョンにふさわしいものとして,水戸ならではの個性や魅力をしっかりと打ち出し,多くの人に共感いただけるよう,議会の御意見等をいただき,市民の皆様の声を反映させながらまとめ上げてまいりたいと考えております。

現在,社会環境の変化は著しく,人口減少社会の到来,DX,

GXの進展,さらには,人々の価値観の複雑化・多様化も進んでおります。

私は,そういった新たな時代に対応していくことのできるまちをつくっていく上で,その原動力となるのは「人」であり,まさに,水戸の未来をリードしていくこどもたちをまち全体で育んでいくことが最も重要であると考えております。あわせて,豊かな暮らしを実現する経済を発展させること,誰もが生き生きと安心して暮らせる環境づくりを推進していくこと,これら三つの取組の好循環を生み出していくことが大切であると考えております。

この考え方に立ち,第7次総合計画における都市づくりの基本理念として,「水戸の未来をリードするこどもたちを育むまちをつくる」,「市民の豊かな暮らしを実現できる経済発展するまちをつくる」,「誰もが生き生きと暮らせる安心できるまちをつくる」の三つを掲げ,目指すべき将来都市像を

「こども育む くらし楽しむ みらいに躍動する 魁のまち・水戸」とすることとしたところであります。

まさに,三つの理念に基づき,あらゆる分野において魁の精神で挑戦し,先進的な発展をリードするまちを目指すものであります。

計画策定に当たりましては,私は,市民との協働によるまちづくりに向け,様々な市民参画の手法を取り入れながら計画づくりを進めているところであります。市民1万人アンケートをはじめ,茨城大学,常磐大学の学生との行政懇談会や,高校生,大学生からのまちづくり提案,水戸青年会議所との共催による市民討議会を開催するなど,多くの御意見をいただいたところであります。

これらの結果から,年代による価値観の相違をはじめ,働く場の確保など,まちづくりへの意見や期待することが明らかになったところであり,しっかりとそれらを分析し,反映しながら,現在,具体的施策を位置付けた計画骨子素案を取りまとめております。

主要な施策でありますが,「水戸の未来をリードするこどもたちを育むまちづくり」といたしましては,子育て世帯の経済的負担の軽減や相談・支援の充実をはじめ,全国に魁ける安心してこどもを生み育てやすい環境づくりとともに,教育環境の整備充実や様々な体験学習の実施など,水戸ならではの魅力ある教育を推進してまいります。

「市民の豊かな暮らしを実現できる経済発展するまちづくり」といたしましては,若い世代を水戸に呼び込み,水戸で暮らしていただくためにも,多様な働く場を創出することが重要であり,創業・スタートアップ支援をはじめ,企業誘致や地元企業の成長支援に取り組んでまいります。持続的な経済の活性化の視点からは,水戸ならではの歴史,そして,MitoriO周辺地区の芸術・文化を生かした,中心市街地の活性化や観光振興など,新たな交流・にぎわいづくりにも取り組んでまいります。また,地場農産物のブランド化など,持続可能な農業の育成のほか,陸・海・空のネットワークを生かした産業振興を図ってまいります。

さらに,若い世代はもちろんのこと,全ての市民「誰もが生き生きと暮らせる安心できるまちづくり」といたしましては,市民の生命と財産,そして,健康な暮らしを守っていくため,健康づくり,地域医療,福祉などの充実を図るとともに,浸水被害対策や災害に強い地域環境の整備を進めてまいります。さらには,DXやGXなど,時代の課題にも積極的に対応してまいります。

これらの取組を進めていく上では,財務体質の強化は欠かせないものであります。新たな財源の確保として,ふるさと納税の増額を目指すほか,財政調整基金の適正な残高の確保,市債発行額の抑制など,「みと未来財政プラン」を新たに策定し,財政規律を堅持しながら,着実な行財政改革によって安定的な行政経営を推進してまいります。

引き続き,市民の皆様と私が直接対話させていただく場として「魁のまちづくり市民懇談会」をこの夏6回にわたり開催するなど,幅広く意見を聞きながら,市民参画による計画づくりを進めてまいります。そして,水戸に暮らす全ての人が安心して暮らし,幸せを感じられるまち,将来にわたって持続的に発展するまちの実現に向けて,全力を尽くしてまいります。