水道事業について

(1)1県1水道について

次に、水道行政について、水道広域化、1県1水道について、質問します。

私は6月議会で、市の水道事業は十分な独自水源をもっており、県営水道の傘下に入るべきではないこと。

そして、県が今年度からはじめる、1県1水道ありきの研究会には参加しないよう求めたところです。

しかし、市は「検討は有効だ」として、6月と8月の研究会に参加したとのことです。

そこで、県がどんな説明をしたのか。

資料をとりよせてみたところ、案の定、研究会とは名ばかり、今年度中に「広域化推進プラン」を策定するとしています。

しかし、県はこのプランをもとに、来年度に準備会を結成、再来年度は法定協議会に移行し、4年後の令和7年度には統合するというスケジュールです。

昨日、上下水道管理者は「まだ意思表示は求められていない」と答えましたが、意思表示もないままどんなプランがつくられるのでしょうか。

それとも市は、県のレールに乗って、1県1水道に参入するつもりなのでしょうか、お答えください。

私が驚いたのは、県が研究会に示した、広域化プラン作成のための基礎調査です。

これによると、40年後には、水戸市の累積欠損は377億円までふくれあがり、資金は950億円ものマイナスとなる。

県中央圏域では914億円の累積欠損、資金は2080億円ものマイナスとなるというのです。ところが、その根拠が不明で、市の財政計画とも大きく乖離しています。

こんなズサンな推計で「参入しなければ、大赤字になる」と、市町村を脅すようなやり方を許すわけにはいきません。

水戸市も「いまだ意思表示が求められていない」などと言っている場合ではなく、きちんと抗議すべきではないでしょうか。

水戸市の水道料金は、県中央広域圏内の11自治体のうち、下から2番目、県全体でも下から4番目です。

1県1水道に参入すれば、水道料金の大幅値上げは避けられず、市民にはデメリットしかありません。

例えるなら、比較的優良な中小企業が、放漫経営でサービスも悪い大企業に、吸収合併されるようなものです。

(2)県中央水道について

その県中央広域水道は、いまも全国一高い料金のままですが、県は、今年度中に料金改定を検討、つまり来年度からの値上げを検討する、としています。

これについて、高橋市長は8月30日、知事と県企業局長に要望書を提出していますが、その内容と結果について、伺います。

今回の要望書には「県中央水道の水源である霞ケ浦導水が、事業費増加や完成時期が延長」されており、「霞ケ浦導水事業の建設に係る負担の在り方について検討されますよう特段のご配慮をお願いいたします」とあります。

知事や企業局相手の要望書で、市長が霞ケ浦導水に言及したのは初めてのことです。

これは、市が「霞ケ浦導水事業の建設費が、水道料金に跳ね返り、経営の重大な足かせとなる」。その危険性を認識したものと受け止めますが、それでよろしいか、お答えください。

霞ケ浦導水事業について国は、5回目の工期延長を行い、現時点の総事業費は2395億円。県負担は1038億円です。

そのうち、一体いくらが市の負担に跳ね返るのか、特段の配慮をしてくれるのか、県の回答を具体的にお答えください。

もうひとつ、そもそも県は、1県1水道のために、県内127の市町村浄水場のうち6割にあたる78カ所も減らす方針です。

県中央広域圏の給水人口も、今後5万5千人減るとしており、(これがそのグラフです。①)

にもかかわらず、県の計画より24万人分も多い水をつくる霞ケ浦導水事業を、なぜ続けるのか、この点、県はなんと説明したか、お聞かせください。

霞ケ浦導水事業と県中央広域水道、どちらもムダ。

ずるずると関係を続け、不要な支出を重ねることは、市民への背信行為であり、地方自治法・地方財政法違反です。

この際、1県1水道からも撤退、県中央広域水道からも離脱。

きれいさっぱり、縁を切る決断を求めるものです。

お答えください。

答弁:水道部長

田中議員の一般質問のうち,水道行政についてお答えいたします。

初めに,茨城県が段階的に目指すこととした広域連携「1県1水道」についてでございますが,今年度は,広域連携等に係る研究会が設置され,現在のところ6月と8月に,研究会における地域部会が開催されたところでございます。

この中で,県は,広域連携に係る国の交付金を活用した早期の事業着手が有利との考えから,令和7年度の統合を目標としたスケジュール(案)を示したところでございます。

本市としましては,この研究会への参加を通じ,他市町村等との連携を図りながら,課題の把握や共有に努めるとともに,市民負担の増大につながらないことを第一とし,かつ,水道事業の安定した供給と経営を最優先に,引き続き慎重に検討を進めてまいります。

次に,茨城県中央広域水道用水供給事業への要望についてでございますが,現在の料金の算定は,令和2年度から令和4年度となっており,今年度が料金算定期間の最終年度となります。

このため,水戸市長を会長とし,ひたちなか市,笠間市など11市町村で構成する茨城県中央広域水道建設促進協議会において,本年8月に茨城県知事並びに企業局長に対し,料金見直しの際は,茨城県が経営する3つの水道用水供給事業の中でも高い,当協議会の料金の格差緩和の実現について,要望を行ったところでございます。

また,現在,霞ヶ浦導水事業については,国において,令和12年度の完成を目標として事業を進めており,将来,構成市町村の負担がさらに増加することも懸念されることから,完成前の早い段階から検討してまいりたいという主旨で,今回,料金格差の緩和に併せて,負担の在り方についても,要望したところでございます。

これらについて,現在のところ,茨城県からの回答はございませんが,今後も引き続き,県の動向を注視しながら,当協議会の構成市町村のみならず,茨城県も含めて,慎重に協議してまいります。