公園行政…千波湖周辺整備と景観について

次に、千波湖周辺整備と景観について、質問します。

千波湖周辺は市民の憩いの場であり、私も過去に、園路やトイレの整備、街灯の更新など求めて質問してきました。

現在、千波湖周辺で、様々な事業が行われていますが、十分な市民合意が得られているのかといえば、疑問を持たざるを得ません。

県が旧6号国道の西側で進めている、高級レストランや迎賓館の建設では、「G7会合誘致の目玉」とした知事の目論見はあえなく失敗。

月池の貴重な水辺空間に、多くの樹木を伐採して、佐賀県の業者が、3階建ての豪華施設をつくることへの批判もあります。

また、結婚式場やレストランはすでに供給過剰であり、貴賓室や迎賓機能などの高級志向では、市民が気軽に立ち寄れないのではないでしょうか。

また、市が進める「黄門像広場周辺地区」も、民間が建物をつくるパークPFI制度を活用するとしており、ここに何をつくるか、市は民間に提案を求めています。

しかし、本来なら、多くの市民の憩いの場、水戸市のシンボル空間ですから、施設をつくるならどんなものがよいか、市民が幅広く意見を出し合って決めていく、そういうプロセスこそ、市民参加の行政ではないでしょうか。

この事業は、コロナ禍で着手が延期され、民間業者への事実上の補助となる市の負担も、当初の上限5000万円が1億円に引き上げられました。

施設の許可期間は、20年ですが、事業者の撤退リスクなど、疑問はつきません。

それは、これらの施設が、景観に及ぼす影響も同じです。

この地区では、レイクサイドボウル跡地に、市が駐車場整備を進めています。

地盤工事が終了し、これから舗装工事に入ろうとしています。

この駐車場について、「偕楽園から駐車場が丸見えで、景観を阻害することになる。借景が維持されるよう、植栽などの配慮が必要ではないか」との声が寄せられました。

私も、実際に偕楽園に行き、好文亭にもあがって千波湖方面を見てきましたが、百聞は一見にしかず。

まったく同じことを感じました。

なにしろ、好文亭から一番めだつのがレイクサイドボウル跡地の駐車場で、遮るものがないために、車が並べばさらに目立つと思われます。(これがその写真です。②)

そして、少し右に目を移すと、県の迎賓館の建設現場がよく見えました。こちらも月池が手前にあるため、好文亭から丸見えとなります。(これがその写真です。③)

本当に、これでいいのでしょうか。

私は、景観についてどうあるべきか考えるために、水戸市が3年前、2019年4月1日に発表した「第2期・歴史的風致・維持向上計画」をみてみました。

するとこの計画には、まず、「千波湖は偕楽園の借景としての役割」が重要である、と書いてあります。

そして「公園の各種整備を通して、偕楽園本園の借景としての千波湖や、その周辺の景観形成の向上を行う」としています。

今の千波湖周辺の整備事業は、この「風致維持向上計画」に反しているのではないでしょうか。

駐車場も、施設も、偕楽園や千波湖との調和はもちろん、桜川緑地や斜面樹林地とも調和した景観が重要であって、なんらかの対応策が必要と考えますが見解はいかがか、答弁を求めます。

答弁:都市計画部長

田中議員の千波湖周辺整備と景観についての御質問にお答えいたします。千波湖や周辺の豊かな緑地は,偕楽園の借景として一心同体のように,一体で価値を有し先人から引き継いできた極めて重要な財産であると認識しております。

茨城県が進めている偕楽園月池地区のパークPFI事業においては,この景観を阻害することがないよう細心の注意を払い,熟慮した計画に基づき工事が進められているもので,偕楽園から遠方に見える緑地のスカイラインを侵さないよう建物の高さを抑え,色調にも十分に配慮した計画であると伺っております。本市が進めております黄門像広場周辺地区のパークPFI事業においては,本市の風致保全方針を踏まえ,偕楽園をはじめとした歴史的資源と調和した景観や,千波湖を中心とした眺望景観に配慮するような計画を提案者に求めているところであり,しっかりと良好な景観の維持に努めてまいりたいと考えております。

また,レイクサイドボウル跡地の駐車場整備につきましては,周辺道路等から見て地形が低く,偕楽園からの眺望も手前の樹木により遮られることとあわせ,駐車場内の車からの歩行者の視認性や歩行者の歩行環境をできるだけ確保するため,高木等の植栽は計画しておりません。しかし法面などには張芝を行い,できる限り緑化を図り保水性を高めるなど環境にやさしい計画としており,機能面と景観面を両立した施設整備を進めてまいります。