環境行政について

①プラスチックごみの分別について

最後に、プラスチックごみの分別について、質問します。

水戸市が、2020年度から、プラスチック容器包装の分別回収を開始して2年半がたちました。

分別の大変さはありますが、徐々に定着して、燃えるゴミの減少を実感している市民も多いと思います。

最近は「プラごみの収集日を、もっと増やしてほしい」とか、「燃えるごみより多い。なぜ、第5週は回収しないのか」という声も聞くほどです。

そこで、プラスチック容器包装の分別で、ごみ量はどのように変化しているのか、課題は何か、見解を伺います。

さて、日本の使い捨てプラスチックの廃棄量は、年間471万トン、世界第4位の多さですが、近年、プラスチックごみによる地球環境や、生物の汚染が世界的な大問題となっています。

プラスチックは、元の自然界の形に戻るには数百年かかるため、細かく砕けたマイクロプラスチックが、様々な生物の成長や生殖にも、環境ホルモンとなり影響を与えると言われています。

そうしたなか、「プラスチックの害から環境・生物をまもれ」という世論が高まり、日本でも昨年6月、「プラスチック資源循環促進法」が成立しました。

この法律は、今年4月に施行されましたが、自治体に容器包装以外の「プラスチック製品」、例えばバケツとかオモチャなどの固いプラスチック製品です。

これらも分別して、資源化することを求めています。

全国では、すでに分別を開始した自治体も出てきていますが、水戸市はどのように対応する方針なのか、答弁をお願いします。

②市庁舎など公共施設におけるごみ分別について

市民に分別を求める以上、市役所庁舎をはじめとする公共施設が、その模範となるべきなのは言うまでもありません。

しかし、水戸市役所はどうでしょうか。この議会フロアの7階にも、「燃えるゴミ」と「ペットボトル」、「あきビン」と「あきかん」のごみ箱が、廊下に設置されています。

しかし、「プラスチック容器包装」のごみ箱はありません。

例えば、ペットボトルのふたやフィルムをはがしても、「燃えるごみ」のごみ箱に入れるしかありません。

1階から6階のフロアの、給湯室も同じです。

現状は弁当容器など、かなりの量のプラスチック容器が、燃えるゴミとして捨てられています。

自宅ならプラスチック容器は分けるのに、市役所では燃えるごみ。これでいいのでしょうか。

少なくとも、本庁舎をはじめとする公共施設では、市民と同じ分別を実施すべきと考えますがいかがか、お答え願います。

ちなみに「プラスチックごみゼロ宣言」をしている鎌倉市では、6年前からプラスチック製品を分別しているほか、「マイボトル、マイバッグ、マイはし」推進運動や、市役所の自販機でのペットボトルの販売さえやめるなど、だいぶ先を行っています。

水戸市も「さきがけ」を標榜するのなら、茨城を代表する県都らしく、資源循環型社会の模範となることが必要ではないでしょうか。

以上で、第1回の質問をおわります。

答弁によっては、再質問させていただきます。

答弁:生活環境部長

田中議員の一般質問のうち,プラスチックに係るご質問についてお答えいたします。

プラスチックは,軽量で丈夫なその有用性から,様々な製品や容器包装など,私達の日常生活の中で幅広く利用されておりますが,優れた耐久性・安定性のため,自然界で分解されにくい特徴があり,マイクロプラスチックによる海洋汚染や焼却処理による地球温暖化など,世界規模での問題が深刻化しております。

本市におけるプラスチック収集の取組につきましては,令和2年4月からの清掃工場「えこみっと」の供用開始にあわせて,菓子類の袋や弁当容器など,プラマークが付いたプラスチック製容器包装の分別収集を開始したところでございます。当初は月2回の分別収集を行っておりましたが,更なる資源化の定着,促進を図るため,収集回数を月4回に増やし,市民の皆様がより分別収集に取組みやすい環境づくりに努めているところであります。令和3年度のプラスチック製容器包装の収集実績につきましては,

約1,600トンで,分別収集実施前の令和元年度と比較いたしますと,これまで燃えるごみとして出していたプラスチック製容器包装や白色トレイなどを資源物として収集することにより,燃えるごみの量が約10パーセント減となっております。

今後も引き続き,ごみの分別について,その詳細を分かりやすくまとめたパンフレット「資源物とごみの分け方・出し方」や「ごみ収集カレンダー」を配布するとともに,広報みと,市ホームページ,市公式LINEでごみに関する情報を発信するなど,市民の方々へのより一層,丁寧な啓発に努めてまいります。

次に,プラスチック製品の分別収集についてでございますが,国においては,「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が本年4月に施行され,市町村の責務として,プラスチック製容器包装に加え,バケツやおもちゃ,文房具などのプラスチック製品についても分別収集を行うとともに,分別収集物の再商品化に必要な措置を講じることが努力義務として規定されました。

本市が,プラスチック製品の分別収集を実施するに当たりましては,収集運搬に要する費用が新たに生じることに加え,「えこみっと」での選別・圧縮梱包に伴う設備の改修や,その保管場所の確保が必要となります。また,制度の過渡期にあってプラスチック製品廃棄物のリサイクル業者に関する情報が不足していることも課題として挙げられます。全国的にも,現在3パーセント程度の自治体の実施にとどまっており,本県では事例がない状況でございます。

こうした中,本年4月から茨城県が主体となって始まった当該制度に関する勉強会に本市も参加し,プラスチック製品の分別収集に対して市町村が抱える課題の抽出や対応策などの意見交換を行っているところでございます。その中で,各自治体とも収集運搬や,既存施設の改修に多大な費用を要することなどを課題としており,県から国に対して財政面の支援などの要望を行う予定でございます。

議員ご提案のプラスチック製品そのものの分別収集につきましては,廃棄物の減量はもとより,限りある資源の節約,加えて地球温暖化防止にも貢献する有効な取組であると考えておりますが,実施に向けては様々な課題があることから,引き続き,国の動向を注視するとともに,費用対効果や他市事例等を総合的に勘案し,慎重に検討してまいります。

答弁:財務部長

市庁舎から発生するごみについては,その大部分は各執務室より排出されるものであり,燃えるごみ,燃えないごみのほか,資源物として紙類,びん,かん,ペットボトルの区別により,分別回収を業務委託にて行っております。排出されるごみの構成を見ますと,一般家庭と異なり,紙類などの資源物が大きな割合を占め,プラスチック容器包装のごみは,弁当,カップ麺の容器やレジ袋など少量であり,また,弁当等の容器は,食品による汚れが付着し,そのままでは再資源化の障害となるため,容器の洗浄やその際に発生する生ごみの処理が必要であることから,現在は燃えるごみとして処理しております。プラスチック容器包装のごみを新たに分別回収の品目とすることにつきましては,廃棄物の減量化や資源の再利用のためには有効であることから,費用対効果について十分に検証しながら,より効率的・効果的なごみ分別につきまして,検討を進めてまいります。