3.高齢者などのゴミ収集支援について

次に、高齢者などへのごみ出し支援についてです。

先日、市内の高齢者から「自宅から遠い集積所まで、ごみを運ぶのが難しくなった」という相談がよせられました。

一人暮らしのリウマチ患者の方も「重い物を持てないため、親族にごみ出しをお願いしている」と話していましたが、同じ悩みを持つ方は増えているのではないでしょうか。

この問題は、全国共通であり、環境省の調査でも昨年1月時点で35%、全国で417の自治体が、65歳以上の高齢者や一人暮らしの方、障害者などのごみ出し支援を実施しています。

環境省の「支援制度導入の手引き」には、高齢者などの世帯から、個別にごみを回収して、清掃センターに運ぶ方法や、支援を行う団体に対する補助金の支給、福祉的な対応などが示されています。

また、ごみ出しの時の声かけで、高齢者の異変に気付いた例なども紹介されています。

首都圏の県庁所在地をみますと、宇都宮市、前橋市、さいたま市、千葉市、横浜市、新宿区のすべてで、ごみ出し支援制度を実施しています。

つまり、1都6県の県庁所在地で、実施していないのは、水戸市だけです。いますぐ実施する考えはないか、お答えください。

答弁:生活環境部長

田中議員の一般質問のうち,高齢者などへのごみ出し支援についてお答えいたします。

少子高齢化や核家族化の進展,地域のつながりの希薄化に伴い,家族や近隣住民の手助けが得られない高齢世帯が増えております。

このため,本市におきましては,高齢者支援センターを中心として地域包括ケアシステムの構築を進めており,地域の課題やニーズの把握に努める中で,高齢者の見守り活動を含む高齢者福祉の観点から,高齢者へのごみ出し支援についても課題となっております。

このような課題への対応といたしましては,要支援認定等を受けた高齢者を対象とした家庭内での掃除やごみ出しなどの生活支援サービスを行うNPOやボランティア団体に対し,補助金交付制度による支援を実施しております。

また,高齢を理由として自宅近くに集積所の設置を希望する場合,水戸市ごみ集積所設置要項に定める設置基準の柔軟な運用を図り,実情にあわせたご相談にも応じております。また,申込制による粗大ごみの戸別収集を市全域で実施しているところであり,ごみ出し支援の一助になっているものと考えております。

これらの取組に加え,地域住民同士の助け合いや多様な主体による活動の創出に向けて,令和2年12月に,地域住民やボランティア団体等の参画のもと「高齢者等へのごみ出し支援について考える会議」を開催し,その中でいただいた御意見を踏まえ,引き続き,取組案や課題の整理を進めてまいります。

また,令和3年3月に環境省が策定した他自治体の取組事例を参考としながら,調査研究を進めておりますが,導入に当たっては,財政負担の増加や人員確保などの問題があり,更に課題整理を進めていくことが必要となっております。

高齢者へのごみ収集支援策の充実に向けては,今後とも,庁内関係部課が緊密な連携を図りながら,調査研究を行ってまいりたいと考えております。