気候変動対策について

次に、気候変動対策について伺います。

水戸市でも台風19号をはじめ、猛暑や集中豪雨など、気候危機ともいえる被害がもたらされています。

原因は、CO2など温室効果ガスの排出増加による地球温暖化です。IPCC・国連気候変動に関する政府間パネルは「このままでは今世紀末には後戻りできない破局になりかねない」と警告し、「2050年、CO2排出実質ゼロに向けて、2030年までにしっかり削減にとりくめば、被害を抑えられる」と指摘しています。

日本政府も2050年までのカーボンニュートラルを宣言しましたが、2030年までの削減目標が低く、石炭火力や原発頼みを続ける姿勢に対し、環境NGOから化石賞を贈られるなど、さらなる目標引き上げが求められています。

そうした中、茨城県は、全国7番目にCO2排出が多い県であり、県都である水戸市の姿勢が問われています。

本市の「地球温暖化対策・第2次実行計画」の策定は、来年度に先送りされましたが、2030年まであと8年しかありません。

積極的な目標を掲げて直ちに実行に移るべきです。

そこでまず、公共施設、公共事業、自治体業務でどれだけCO2を削減する考えか伺います。

市独自に、断熱・省エネルギー住宅へのリフォーム助成の創設や、地元企業に省エネ投資への支援を行うことも必要と考えます。

また、住宅への太陽光発電パネル設置の補助金は、2015年に上限6万円から3万円に引き下げられ、補助総額も当時の3000万円から約600万円に減っています。

ゼロカーボンシティというなら、補助金は増額すべきではないでしょうか。

さらに、専門的な支援窓口を、市に設置することを提案します。

再生可能エネルギー電力の利用の促進のために、市民や地元企業に、税金の優遇や補助金の申請を支援し、脱炭素に有効な製品を進めるアドバイスなどを行うことで、市民と一体にCO2削減を進めるものです。

以上、市長の明快な答弁を求めて、第1回の質問を終わります。
答弁によりましては再質問いたします。

答弁:市長

次に,気候変動対策についてお答えいたします。

近年,世界的に気温が上昇するなど,地球温暖化の影響と考えられる気候変動が見られ,地球の自然環境への深刻な影響が懸念されております。

平均気温については,この100年間で世界の平均気温が0.74度,日本の平均気温が1.24度上昇しており,本市の平均気温についても1.9度上昇しております。このような地球温暖化の進行により,猛暑日の増加,集中豪雨の頻発,大型台風の増加,農作物の品質の低下,動植物の分布域の変化,熱中症リスクの増加など,様々な影響が全国各地で顕在化しており,本市においても,令和元年に発生した台風第19号では,想像をはるかに超えた自然災害が生じるなど,気候変動による影響は顕著となっております。このような状況は,今後さらに長期にわたって拡大する恐れがあることから,気候変動対策は喫緊の課題であると考えております。

国においては,2018(平成30)年の気候変動適応法の施行,2021(令和3)年の首相による温室効果ガス46パーセント削減の宣言及び改正地球温暖化対策推進法の施行がなされ,さらに,今年度中の地方公共団体実行計画策定・実施マニュアルの改訂が予定されております。

現在,本市においては,水戸市地球温暖化対策実行計画(第2次)の策定に向け,準備を進めているところであり,その策定にあたりましては,「緩和策」と「適応策」の両輪とするとともに,新たな地方公共団体実行計画策定・実施マニュアルに位置付けられる基本的な考え方等を把握したうえで,令和4年度の策定を目指してまいります。

なお,温室効果ガスの削減目標の設定にあたっては,首相の宣言や,国の新しい地球温暖化対策計画に明記された「2050(令和32)年カーボンニュートラル」など,国の動きを考慮したうえで設定してまいります。

次に,市の独自策についてでございますが,本市の令和2年度末の自動車保有台数は,1世帯あたり1.53台となっており,全国平均である1.04台を上回っていることから,本市は,運輸部門からの温室効果ガスの排出が多くなっております。このほかにも,どのような部門から温室効果ガスが排出されているのか,さらなる分析を進めたうえで,議員御提案の施策も含め,効率的に温室効果ガスを削減できる施策を調査・研究してまいりたいと考えております。