日本共産党水戸市議団の田中まさきです。
通告に従い一般質問を行います。
はじめに新型コロナウイルス対策について伺います。
感染力の強いデルタ株は、これまでのレベルを超えた猛威となって、第5波の感染をひろげています。
茨城県にも初めて国の緊急事態宣言が発令され、9月26日まで延長となり、水戸市でも連日10人から20人程度の新たな感染者が確認されています。
そのうえ、WHO・世界保健機関は、8月30日づけで、新型の変異ウイルスとして新たに「ミュー株」を「注目すべき変異株」に位置づけました。
南米コロンビア保健当局は、今年4月から6月の1日あたり約700人の死者のうち、3分の2近くが「ミュー株」陽性で、「国内感染の主流になっている」と報告しました。
日本国内でも感染者が確認され、東京大学などの研究チームが「従来株よりワクチン効果が7分の1に低下する」と発表するなど、今後も変異ウイルスの感染拡大で、感染力や重症度があがる恐れがあります。
国立感染症研究所は、デルタ株のまん延に伴い10代以下の感染者数が激増し、小学校では、教職員を発端とした規模の大きなクラスターが発生しており、小中学生の感染経路は、自宅に次いで学校が多いとしています。
学習塾や保育園、学童保育でのクラスターも増えています。
「今のところ小康状態だ」と油断する向きもありますが、これから低温・空気の乾燥期である冬にむかって、いつ感染爆発が起こるか、見通しがたっているわけではありません。

そこで、水戸市の子どもや学校教育の対応について伺います。
本市では、夏休み明けの分散登校の後、自宅でのオンライン授業となり、これが9月26日まで延長されました。
今後の学校再開にむけて、健康チェックの徹底や常時換気、子ども用不織布マスクの配布などの感染防止対策が必要と考えます。
また、できる限り、教職員や開放学級支援員のワクチン接種を進めるべきと考えますが、現在の接種状況と今後の計画を伺います。
親から子へ、子から親へと、家庭内感染も増えています。特に、小学1年生から5年生はワクチン接種対象ではありません。
今後の感染リスクを考えると、定期的な抗原定量検査や、対象を広げたPCR検査も必要と考えますが、いかがでしょうか。
現在行われているオンライン授業では、自宅でタブレットを開いたものの、「操作がうまくできずに親がつきっきり」だとか、「画面に集中できず、すぐ飽きてしまう」などの声も寄せられています。
また、新型コロナと教育格差について調べた参議院調査会によると、「所得の高い世帯は学校外の勉強時間を増やせる一方、困窮世帯ではそれができず、コロナ禍が教育格差を拡大している」と報告しています。
そのうえで「現在のオンライン教育だけでは学習の遅れを取り戻すには不十分で、補習や個別指導の実施、困窮家庭の子ども達に対する学習支援が必要である」と指摘しています。
緊急事態宣言が延長され、オンライン授業が長引くことになった本市でも、個別の状況におうじた支援や配慮が、一層必要になると考えますが、いかがでしょうか。

答弁;教育部長

田中議員の一般質問のうち,新型コロナウイルス対策についてお答えいたします。
コロナ禍において,安心して学校生活を送るためには,児童生徒や教職員の感染リスクを可能な限り低減できるよう対策を講じることが重要であると認識しております。
はじめに,学校における感染症対策についてですが,国の「新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」や県のガイドラインに基づき,毎朝の検温をはじめ,マスクの着用,手洗い,換気の徹底など,基本的な感染症対策に努めております。
変異株が拡大する中,学校内での感染を防ぐためには,現在行っている感染症対策の徹底に加え,外からウイルスを持ち込まない対策が重要であり,これまで以上に各家庭の御協力が必要となります。
そのため,毎日の健康観察やこまめな換気など各家庭にお願いしたい感染症対策について,保護者へ周知徹底を図るなど,家庭と連携した取組を強化してまいります。
次に,教職員の新型コロナウイルスワクチンの接種状況についてお答えいたします。
教職員のワクチン接種は,児童生徒の感染リスクを低減させ,児童生徒が安心して登校し,授業を受けられるようにするために,大変重要であると認識しております。
本市におきましては,接種を希望する教職員を事前に登録し,キャンセル枠による接種を促進してまいりました。
本年9月1日現在の接種状況の調査では,ワクチンを2回接種済が71%,1回のみ接種済が11%となっております。また,接種を予約済が10%おりますので,92%の教職員が接種する見込みとなっております。
さらに,国の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」に,教職員へのワクチン接種促進が示されたことから,本市では,教職員に対し,接種を働きかけるとともに,未接種の教職員が少しでも早く接種できるよう,保健所の協力を得て,優先枠を創設したところでございます。
今後におきましても,基礎疾患をもつことなどにより,接種できない場合もございますことから,これらの個人の状況にも十分配慮しながら,引き続き,児童生徒に常時接する教職員がワクチンを接種する有効性等について周知してまいります。
次に,臨時休業期間中に実施しているオンライン学習についての現状と課題についてお答えいたします。
今年8月に発令された県の非常事態宣言及び国の緊急事態宣言への対応として始まったオンライン学習については,多くの市町村がそうであったように,本市にとりましても,過去に例のない初めての取組であったことから,8月27日から31日までの臨時休業期間と,それに続く9月1日から3日までの分散登校期間を,準備期間と位置づけ,各学校において,オンライン学習に関する実践的な取組を行いました。
オンライン学習を実施するための十分な知識や経験がなく,不安を抱えた教員もおりましたが,準備期間において,ICT支援員による個別的なサポートのもと,危機感を持って取り組み,一定のICT活用能力を身につけることができたものと考えております。
このような準備期間を経て,9月6日からは,指導計画に基づき,全学年の児童生徒が,午前中は,3時間程度のオンライン授業に臨み,午後は,学習動画やデジタルドリル等を活用した学習に取り組みました。
本市においては,夏休みにも多くの児童生徒の新型コロナウイルスへの感染が確認されていたことから,9月13日からも,オンライン授業を継続するものとし,小学6年生以上の児童生徒につきましては,オンライン授業の時間を午前・午後合わせて6時間に拡大いたしました。
オンライン学習の効果としましては,同時双方向型によるオンライン授業は,教員と児童生徒がお互いの顔を見ながら実施するため,通常の対面による授業に近い学習効果が期待できます。
児童生徒にとっては,画面越しに教員の顔が見えることで,安心感が生まれます。不登校だった児童生徒がオンライン授業には参加した例もあり,通常の対面による授業にはないオンライン授業ならではの効果も認められております。
また,デジタルドリルにつきましては,教員が,随時,各児童生徒の進捗状況を管理するものとしており,学習動画につきましても,視聴させる動画を教員が指定し,視聴後には,その動画に関連する課題に取り組ませるものとしておりますので,自主学習では得られない学習効果が期待できるものと考えております。
一方,オンライン授業における課題につきましては,低学年において端末を十分に操作ができないことが考えられるため,オンライン授業とともにプリント学習を併用するなど,学習内容を工夫して実施しております。

また,端末の画面を長時間見ることによる健康面への影響が懸念されることから,学習内容に配慮するとともに,深夜の時間帯には端末を使用できないように制御しております。その他,オンライン学習では家庭の通信環境が必要であり,希望する家庭にモバイルルータを貸し出すことや,整備が間に合わない家庭については,学校を開放し,校内のネットワークを利用して学習を行えるようにするなどの対応をしております。

オンライン授業につきましては,児童生徒が学校に通学し,教員から直接指導を受け,友人達と友情を培い,集団生活の中で学び,人間として成長するという本来の目的を達するには不十分なものではありますが,緊急的な対応として,やむを得ない次善の策であります。今後も,全ての教員がオンライン授業により,児童生徒に適正な学習環境を提供できるよう,ICT活用能力のさらなる向上のため,研修体制と支援体制の充実を図ってまいります。