2020年9月 水戸市議会 田中まさき議員の一般質問

日本共産党水戸市議団の田中まさきです。通告にしたがい一般質問いたします。

・東海第二原発の危険性と廃炉について

汚染水について
はじめに、東海第二原発の危険性と廃炉について、質問します。
現在、原発問題で最も関心が高いのは、福島原発の汚染水の排出問題です。
今年2月、大井川知事は、県漁業協同組合の役員とともに、即座に反対の立場を表明し、「汚染水の海洋放出は絶対反対」の、シュプレッヒコールを上げました。
さらに、国の担当者に対し、「地元漁業者は、原発事故後に風評被害に苦しんできた。全く容認できない。」と求めたのです。福島原発事故後、甚大な被害を被ってきた県の知事として、当然の態度です。
福島第一原発の汚染水は、福島県沖から流れる親潮とともに南下するため、茨城の海に重大な影響を与えることは避けられません。水戸市は、汚染水の海洋放出を黙認するのか、知事と同様に反対するのか、態度がせまられています。どう対処するのか、お答えください。
ちなみに、大井川知事は「原発敷地から直接海に流すのではなく、無人島から放出する方法は検討されたのか」とも発言していますが、この時点で大井川知事は、勘違いをしていたのかもしれません。
東海第二原発を再稼働させれば、膨大な量の汚染水を排出することには、思いが至らなかったようです。
実は日本原電は、汚染水の排水だけに限っても、過去何度も、放射能漏れ事故を起こしています。
福井県の敦賀原発で、放射性廃液がタンクからあふれ、排水口の土砂からコバルト60が平常時の10倍も検出された事故や、東海第二原発でも、廃棄物処理棟で、大量の放射性廃液が漏れ、立ち入り制限基準値を40倍も上回る放射能が検出されるなど、枚挙にいとまがありません。

②情報公開について
それだけに、どんな汚染水を、どこから、どれくらい放出するのか。これは県民の最大の関心事です。
ところが原電は、東海第二原発の排水口などの資料を白抜きにして、情報を隠しています。
これがその資料です。
上が東海第二原発の資料ですが、ことごとく白紙、何も記載されていません。
一方で、下の資料は、東京電力の柏崎刈羽原発の説明書です。
こちらは、放水設備の構造、放水ピットの詳細、排水路の配置図など、すべての図面が明らかにされています。
原電は「商業上の秘密、防護上の観点から公開できない」というのですが、そんな理由は全く成り立たないのです。
それとも別の理由があるのか、水戸市は原電に尋ねたのでしょうか。
市長は、一昨日の土田議員の代表質問に「安全性など様々な情報を市民と共有する」と答弁しました。
それならば、ただちに公開を求めるべきですがいかがか、お答えください。

③避難計画について
福井県が先月に実施した、全国初の新型コロナを想定した原発事故避難訓練では、通常は155人収容できる避難所が、30人しか受け入れられず、濃厚接触者などを分離するため、バスが4倍に増えました。
先日、九州地方を襲った台風10号でも、コロナ対策のため避難所の収容人数がしぼられました。その結果、殺到した住民が入りきれず、何か所も移動した方が続出しました。
原発事故が無くても、感染症下の避難の大変さが被災地から伝わってきます。
まして本市は、県内外40の自治体に分散避難する計画ですから、あらゆる点で実効性のない広域避難計画にならざるをえず、これまでの計画づくりが無効となる事態です。
大井川知事は6月県議会で、「原発事故時の防護措置と感染症対策の両立は困難」と答えましたが、市長も同じ考えでしょうか。
内閣府は今年6月、感染症拡大下で原発事故が起きた場合、被ばくを避けるために換気せず、避難者を密閉するよう求める、ありえない指示を出しました。
窓を開ければ被ばくのリスク、閉めれば感染リスク、市は、そんな計画を市民に提示するつもりでしょうか。
度重なる自然災害と異常気象、そして感染症の猛威です。
このうえ、さらに原子力災害まで被ることになれば、市民生活も経済も産業も崩壊するどころか、94万人の避難民の命を危険にさらすことになります。
ただちに再稼働に反対し、廃炉を求める考えはないか、お答えください。

 答弁:市民協働部長

田中議員の一般質問のうち,東海第二発電所に係る御質問についてお答えいたします。

2011年3月に発生した東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の事故により,増え続けている処理水の処分方法につきましては,国により設置された小委員会において,本年2月に報告書が取りまとめられたところでございます。その中では,「風評被害など,社会的な影響はあるものの,技術的には,実績のある水蒸気放出及び海洋放出が現実的な選択肢であること」,また「両者を比較すれば,海洋放出が確実に実施できる方法である」との見解が示されたところでございます。

この報告書の公表を受け,県内の自治体においては,「住民に対する健康への影響はもとより,漁業,観光業をはじめ,茨城県全体の経済に対する風評被害が再び発生する懸念がある」との共通した認識のもと,6月19日に県内の首長と国との意見交換会が開催されました。また,今月8日には,県市長会と県町村会の連名により,国に対し,「処理水の処分方法の決定に当たっては,地域住民や漁業関係者等に丁寧な説明と意見聴取を行うこと」,「処理水の処分に当たっては,健康への懸念を払しょくするように努めるとともに,新たな風評被害を発生させない方法をとること」について,要望したところでございます。

本市におきましては,引き続き,県内自治体と緊密に連携を図りながら,この問題に取り組むとともに,東京電力に対しても,新たな手法も含め,最善の方法を絶えず追求するよう求めてまいります。

次に,日本原電が情報公開している資料に係る御質問にお答えいたします。

日本原電においては,工事計画認可申請書をはじめ,新規制基準への適合性や運転期間延長に係る審査資料など,国へ提出した文書をホームページ等で逐次公開をしており,議員ご指摘のとおり,これらの資料つきましては,一部が非公開となっております。

その理由につきましては,所在地域首長懇談会をはじめとする協議の場において,日本原電から説明を受けているところであり,発電所や重要なシステムへの不法な侵入を招く恐れのある情報やテロ行為が可能となる恐れのある情報,とりわけ発電所の図面等については,防犯対策に万全を期すため非公開としているとのことでございます。

これらの非公開とされる情報につきましては,私ども自治体に対する協議資料には記載されておりますが,市民の皆様には非公開となりますので,市民目線に立ち,特に厳しく精査してまいります。あわせて,安全対策等の情報は原則公開とすること,また,止むを得ず非公開とする情報についても,図面を簡略化するなど,工夫をしながら丁寧に地域住民へ説明を行うよう,引き続き要請してまいります。

次に,広域避難計画に係る御質問にお答えいたします。

本市におきましては,コロナ禍において,万が一,原子力災害が発生した場合に備え,原子力災害の防護措置と感染防止対策を,可能な限り両立させていく必要があると認識しております。

そのため,現在,国や県と連携を図りながら,感染症対策の検討を進めているところであり,7月28日には,内閣府や原子力規制庁等の国の関係部署と茨城県,UPZ内の14市町村の担当課において,合同の会議を開催し,避難計画に盛り込むべき感染症対策の内容や課題の洗い出しを行ったところでございます。避難車両の確保や避難所での3密を防ぐ対策など,多くの課題がありますが,今後とも協議を重ね,市民の皆様の生命と財産を守ることを最優先に避難計画の策定に取り組んでまいります。

東海第二発電所の再稼働につきましては,全ての市民の安全な避難に向けた実効性のある広域避難計画の策定はもちろんのこと,市民理解が得られない限りは,認められないと考えております。本市といたしましては,引き続き,議会の御意見を踏まえるとともに,水戸市原子力防災対策会議における技術的,専門的な御意見や多くの市民の声を十分考慮しながら,判断をしてまいります。

2.河川行政について
(1)異常気象と石川川・藤井川の水害対策について
 次に、台風・豪雨災害から市民をどう守るのか、質問します。いまの異常気象のもと、降水量の最も多い県がどこなのか調べてみました。
 私は九州・四国などが多いと思っていましたが、実はそうではありませんでした。気象庁の調べでは、10分間の降水量で第一位は埼玉県、1時間あたりは千葉県、1日あたりの第一位は神奈川県です。
すべて観測史上1位は関東、しかも茨城の近県。もはや想定外とか、経験したことがない大雨などとは通用しない事態です。本市でも更に大きな災害を覚悟しなければなりません。

 ①石川川について
本市の東部を流れる石川川は大雨のたびにあふれ、毎年のように住民の要望が繰り返されています。
水戸市は、けやき台団地の北側に、被害軽減を目的とする調整池を約5億6500万円もかけて建設しました。ところが、完成直後の昨年の台風の際、下流の大場地区では広範囲の溢水で水田に土砂やゴミが大量にながれこみ、一部家屋の床上浸水もおきました。
最大の原因は、県管理の下流域の堤防建設の遅れですが、市が建設した調整池の容量や活用に、課題はないのでしょうか。住民からは「何のための工事だったのか」と厳しい声も出されています。容量を増やす検討や、調整池内の雑草の伐採も必要と考えます。
石川川は第四中学校付近から川幅が狭く、曲がりくねっており、上流部の整備も必要ではないか、見解を伺います。

②藤井川について
次に、藤井川とダムの管理に関する、市と県の対応を伺います。
これまでの治水対策は、ダム優先を基本にしてきました。しかし昨年、飯富地区では、上流に藤井川ダムがあるにも関わらず、堤防が決壊しました。
治水と利水を兼ねるはずの藤井川ダムが十分機能しない恐れがあるため、市は、洪水防止を目的に、ダムの水を事前に放流する協定を、国県を含む18団体で結びました。
協定では、基準降雨量200ミリを超える予測があれば、事前放流することになっていますが、昨年の台風19号では、埼玉で635ミリ、神奈川で922ミリと、想定をはるかに超える豪雨があったことはご承知のとおりです。
今回の協定で増やせる放流は、これまでの1割増しだけですから、大量の雨が降れば貯めきれません。
事実、「この取り組みによって、水害の発生を完全に防ぐものではない」と協定にも明記されているほどです。
加えて藤井川ダムには、重大な指摘がされていることをご存知でしょうか。それは2011年の東日本大震災で、ダムに亀裂が入り、最大時には1日当たり、ドラム缶で670本分もの水が漏水していたというのです。
これは、茨城県の要請で調査した「国土交通省・国土技術政策総合研究所」の報告書に、ハッキリ書かれている事実です。
漏水箇所はダムの基底部、ダムの一番底からの漏水です。また、満水になると横継ぎ目からの漏水も目視できるとあります。
報告書は「ダムの安全性を確認するため、漏水量の監視を強化する」としています。
目詰まりやセメントの充填で、一時的に漏水が減っても、亀裂が解消するわけではありません。
いずれ重大な事故や決壊につながる恐れもあり、警戒が必要です。これらの問題についても、即座に県にただし、対処することを求めるものです。

答弁;建設部長

田中議員の一般質問のうち,異常気象と石川川・藤井川の水害対策についてお答えいたします。
令和元年の台風19号をはじめ,過去に大規模な水害に何度も見舞われた本市に おいて,市民の皆様が安全・安心に暮らせる災害に強いまちづくりの実現には,河川の整備は必要不可欠であり,これまでにも,機会があるごとに市長が先頭にたって,  河川管理者である県に出向き,早期の河川整備を要望してまいりました。
石川川につきましては,水戸市立第四中学校南部を起点とし,涸沼川に合流する 延長7.18キロメートルの河川であり,元石川町地内石川橋から上流1.78キロメートルを準用河川として水戸市が,下流側約5.4キロメートルを一級河川として茨城県が管理しております。
議員御質問の下流域の県管理区間の整備状況につきましては,森戸橋から涸沼川 合流部までの延長2.4キロメートルの区間のうち,合流部付近において,取水堰の改築が進められており,併せて流下能力を阻害する土砂の浚渫等の適切な維持管理を行うことで,流下能力の確保に努めているところです。
しかしながら,まだ多くの未整備区間が残っていることから,平成30年に上流側の市管理区間において石川川調節池を完成させ,県管理区間である下流側への負荷の軽減を図ってきたところです。
議員御指摘の大場地区における冠水解消については,抜本的な対策である河川改修が最も有効な手段であることから,今後も引き続き,早期の整備を働きかけ,上流側における更なる流出抑制策については,状況等の把握や有効性の検証に努めてまいります。
次に藤井川の水害対策につきましては,令和元年の台風19号による被災箇所に ついては,以前よりも強い構造の堤防として本年7月末までに本復旧が完了しております。
また,藤井川ダムの事前放流につきましては,洪水対策として,台風接近など大雨が降る前までに,可能な限り貯水量を減らし,ダムへの流入量の増加に備えることを目的としており,昨年の台風19号の際にも,地元協議会や本市との協議などを  踏まえ,事前放流を行い,緊急放流に至ることなく,適切に洪水調節を図ったとの  報告を受けております。
本年4月には,国土交通省において事前放流ガイドラインが定められ,全国のダムにおいて洪水調節機能の強化に向け,各種対策が進められております。藤井川ダムについても,茨城県で実施要領を策定し,基準降雨量や目標水位等を設け,防災機能の向上を図っているところであります。
運用に当たりましては,本市へ事前情報が通知されるとともに,緊急時には,県  水戸土木事務所長から市長へ直接,詳細な情報が伝達されるなど,ダムホットライン伝達体制の再構築とともに,定期的な訓練の実施により,実効性を高めているところであります。
本市といたしましては,水戸土木事務所や藤井川ダム管理事務所との緊密な情報 交換に努めることはもとより,ダム放流の際には,防災行政無線などにより,地域の皆様に的確に情報をお伝えするとともに,パトロールを強化するなど,ダム下流に お住まいの皆様の安全確保に努めてまいります。

(2)水戸市の水利権について(藤井川ダムと県受水)
藤井川ダムは、昭和52年に完成した、43年たつ老朽ダムです。
本市は、このダムを水道水源としても位置づけ、水利権を確保しています。
これは、日量2万9000トン分の水を那珂川から汲める権利のことですが、毎年の負担金の支払いがあり、昨年は約1300万円を県に払いました。
しかし、水道使用量は年々減っています。
本市の楮川ダムと、開江浄水場をあわせた水道施設の能力は、一年で一番水が使われる日と比べて、3万3000トンもの余裕があります。
つまり、藤井川ダムの水利権がなくても、十分余裕があるのです。
このままでは、必要ない水に負担金を払い続けるだけでなく、老朽ダムはいずれ取り壊さなければならず、将来負担が増えるばかりです。
河川法では、今年が本市の水利権を更新する節目の10年目です。使用していない水を、使用しているかのように報告するのは、市民に対しても、県に対しても、虚偽行為として河川法で禁じられています。
来年度以降の水利権を、このまま継続するのか、減らすのか、見直しの判断が迫られています。
市民には水道料金を値上げしながら、ムダな出費を続けるなど許されません。
必要のない県受水は、即座にやめるのはもちろんのこと、出費のかさむ藤井川ダムの水利権も、返上することが最善と考えますがどうか、答弁を求めます。

  答弁;水道部長

田中議員の一般質問のうち水戸市の水利権についてお答えいたします。
本市の水道につきましては,給水人口の減少傾向や節水機器の普及などにより,水需要の増加を見込むことは難しい状況となっております。
議員御質問の水利権につきましては,河川法に基づき,10年ごとに更新することとされており,本市では,今年度更新時期を迎えているところでございます。
このような状況の中で,施設能力につきましては,公益社団法人日本水道協会の水道施設設計指針では,原水の汚染や施設の事故に加え,改良・更新などでも対応を可能とする予備力として,計画浄水量の25パーセント程度を確保することが示されております。本市におきましては,開江浄水場・楮川浄水場を併せた施設能力,日量13万750立方メートルに対し,令和元年度決算における一日最大給水量は,9万7,616立方メートルでございます。差し引きでは,
約3万3千立方メートルの余裕がございますが,これは施設能力の概ね25パーセントに相当し,現状において適正な状況となっております。
また,茨城県中央広域水道用水供給事業からの受水につきましては,市民の安心・安全の観点から,必要となる複数水源の一つと捉えており,今後も有効に活用してまいりたいと考えております。

  • 農業振興について

(1)農業後継者への支援について

次に、農業振興策について、質問します。
本市の農家戸数は、10年前の4800戸から、今年は2000戸まで減少し、農業従事者の半数が70歳以上です。
このままでは水戸の農業が発展どころか、持続できなくなるのでは、と懸念される状況です。
特に、小規模な自給農家、兼業農家が8割をしめており、大規模な担い手と共に、小規模農家への支援が必要と考えますが、市の認識と対策を伺います。
青年後継者の支援策である、県のニューファーマー育成研修事業は、農業後継者に1年間、1か月10万円を助成するものですが、全県で700万円の予算しかなく、たった6人で予算超過です。
内原地区で、20町歩の水田を耕作し、年1500俵ものコメを生産している農家の方が、農学部出身の20代男性へ、事業を継承しようと頑張っています。ところが、ニューファーマー育成研修事業は、農家の子弟で予算枠が埋まり、新規参入希望者は、申請しても助成されないというのです。農業県と言いながら、あまりに貧弱な予算です。
県に拡充を求めるとともに、市独自で、同様の支援策をつくるべきと考えますがいかがでしょうか。

(2)新型コロナ禍での米農家への支援について

新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店の営業自粛や各種イベント中止など、販路に困る生産者も増えています。
外食産業の低迷もあり、コメの需要が減り、価格下落が懸念されています。
1俵60キロ当たりの米買い取り価格(JA水戸の概算金)は、昨年の1万4000円から今年は1万2000円へ、大幅に下落しているとお聞きしました。大手農家ほど打撃は大きく、150万円以上減収見込みの農家もあります。
コメは水戸市の農業算出額の1位です。主食用米が下落し、飼料用米への転用をして助成金をもらっても割にあわず、このままでは米農家の大きな打撃となってしまいます。
収入半減という持続化給付金の条件に達せず、給付を受けられない農家が多いのが実情です。この苦境でも農作業をとめず、私達の食卓を守っている生産者を全力で支援する姿勢が市に求められるのではないでしょうか。

市独自の支援具体化を求め、一回目の質問を終わります。

 答弁によりましては再質問いたします。

 答弁;産業経済部長

田中議員の一般質問のうち,農業振興についての御質問にお答えいたします。
はじめに,農業後継者への支援についてでございますが,本市における農業就業人口は,2015年までの10年間で約40パーセント減少しており,高齢化も進行している状況にあります。
このような中,本市におきましては,「水戸市農業基本計画(第4次)」に,年間10名の新規就農者の確保を目標に掲げ,国の農業次世代人材投資資金による支援のほか,研修費用や資材購入費等の一部を助成する市独自の「就農スタートアップ支援事業」等により,その確保・育成に努めておりますが,平成27年度から令和元年度までの5年間の実績は延べ28名に留まっております。
このため,本年度は定年帰農者など中高齢者の確保も目指し,就農スタートアップ支援事業の対象年齢を20歳延長し,65歳未満まで拡大することとしたところであります。さらに,新たな取組として,3大都市圏等からの移住就農を条件とした,地域おこし協力隊の任用にも取組んでおり,これにより新規就農希望者2名を確保できる見込みであります。
県のニューファーマー育成研修助成事業につきましては,国の研修支援制度を補う有効な支援策であり,本市でも,事業継承を予定している認定農業者等の支援策として期待しており,予算や採択要件面で,県の支援拡充を望んでいるところであります。
本市の持続可能な農業の実現に向けましては,新規就農者等,多様な担い手の確保・育成は,重要かつ喫緊の課題であると認識しており,これまでの施策に加え,市独自の新たな支援策等も検討しながら,引き続き積極的に取り組んでまいります。
次に,新型コロナ禍での米農家への支援についてでございますが,水田農業の経営安定は,稲作が主体である本市農業にとって,大変重要であると認識しております。
現在,一人暮らしの大学生等に水戸産米などの農産物をお届けし,農産振興に繋げる取組を進めているところでございます。
人口減少と高齢化等により,米の需要が年々減少する中,特に本年度は新型コロナウイルス感染症の影響により,外食産業を中心に需要が大きく減少し,過剰在庫により,米価は下落傾向にあります。
このような状況から,国は,供給過剰を避けるため,7月末であった転作の補助金に係る申請期限を9月中旬まで延長したところであり,市では,速やかにこの周知を図り,主食用米から飼料用米への転換を促しているところであります。
新型コロナウイルス感染症対策としての米農家への支援につきましては,国の持続化給付金や市の事業継続緊急支援金は,農業者も対象としておりますので,今後の米価の動向を見極めながら,この周知に努めてまいります。
また,米価の下落に備えた「ナラシ対策」や「収入保険」制度への加入を促進するとともに,これらの制度を踏まえた上で,国の動向等にも留意しながら,支援のあり方を慎重に検討し,コロナ禍における水田農業の経営安定を図ってまいります。

<田中まさき議員の再質問>

それぞれ答弁いただきましたが、2点、再質問します。

①原発の汚染水と原電の資料公開について
1点目は、原発の汚染水と原電の資料公開についてです。
重大事故を起こした福島第一原発の汚染水と、東海第二から排出される汚染水は、違うと思われるかもしれません。
しかし、いくら浄化しても除去できない放射性物質「トリチウム」を含むという点で、実はまったく同じです。
このことは、県の原子力安全対策課もはっきり認めています。
では、東海第二原発が再稼働した場合、いったい、どれくらいの汚染水が海に排水されるのか。
環境省によれば、出力100万キロワット原発の排水は、毎秒70トン。
なんと、那珂川の平均流量に匹敵する水量です。
さきほど部長は、「市に提出されている資料には原電が非公開にしている部分も記載されている」との答弁をされました。
それならば、市民の最も関心のある汚染水の排水の量や質、どこに流しているのか、それを様々なメディアをつかって公開する考えはないでしょうか。
秘密主義の原電言いなりではなく、知っているもの、市が持っている資料はすべて公開するよう求めますがいかがか、答弁願います。

②藤井川ダムの安全性について
2点目に藤井川の水害防止についてです。
市は、藤井川ダムの事前放流の協定を結びましたが、藤井川ダム本体の安全性についても大きな課題があるのではないでしょうか。
先ほど震災後の亀裂による漏水について、つくば市にある国土技術政策総合研究所(通称・国総研と呼ぶそうですが)の報告書を紹介しました。
こうした点についても、県と十分協議すべきと考えますが、再度ご答弁をお願いします。

明快な答弁を求め、以上で私の質問を終わります。

答弁;水道部長
田中議員の再度のご質問にお答えいたします。
水利権につきましては,今年度更新時期を迎えており,河川管理者である国土交通省と協議を重ねているところでございます。
協議の中で,水利権水量の変更については,水需要に応じた水量を確保することはもとより,水道水の安定供給を図るうえで,渇水や災害時に対して市民の安全・安心のための水量を取得してまいりたいと考えております。