<田中議員>
日本共産党水戸市議団の田中まさきです。
1.新型コロナウイルス感染症対策について 
(1)PCR検査の拡充及び医療機関への支援について
はじめに、新型コロナウイルス感染症対策について質問します。
いまだ全国では、新たな感染者が確認されており、第二波、第三波に備え、PCR検査や抗原検査の拡充が急がれています。
医療関係者・無症状者も含めた、積極的な検査に加え、感染患者受け入れ病院と、それ以外の病院の役割分担、県が9カ所の設置をめざす、PCR検査センターの当番医確保も新たな課題と考えます。
そこで、中核市として、保健所や医療機関の検査をどう拡充し、PCR検査センターを具体化するのか、軽症者の療養施設の確保についてもお答えください。
茨城保険医協会のアンケートによると、県内554の医療機関のうち、9割で外来患者や収入が減っており、職員給与やボーナス、業者への支払いもままならず、雇用維持さえ厳しい状況です。
市の健診も、通常6月開始が9月に延期されました。公的病院以外の医療機関でも、受診控えや健診延期など減収が長引いています。
感染症と最前線でたたかう医療機関の減収補てんについて、国の支援とともに、市独自の対策が必要ではないか、伺います。

<答弁 保健医療部長> PCR検査の拡充及び医療機関への支援について 
田中議員の一般質問のうち, 新型コロナウイルス感染症対策におけるPCR検査の拡充及び医療機関への支援についてお答えいたします。
本市におきましては,緊急対策の第1弾において,地域医療の中核を担う公的病院等に対し,PCR検査機器の導入や防護服,マスクの配布等の支援策を講じたほか,この度の第2弾においては,病室の陰圧装置の購入支援を行ってまいります。これらにより,感染の有無が不明な救急患者の受け入れや,手術の患者,医療従事者へ検査を行うことができ,迅速な判定と院内感染の防止への効果が図られ,通常の医療提供体制の確保にもつながるものと考えております。
次に,「地域外来・検査センター」につきましては,地域の医療機関の医師の判断に基づく依頼を受けて,PCR等の検査に係る検体採取,診療等を行い,民間検査機関に判定を依頼するものです。これは,必要なPCR等検査が迅速に実施できるよう,併せて,帰国者・接触者外来を設置する各医療機関の負担軽減など,検査体制の強化等を目的として設置するものであります。この度,水戸市医師会等から今後の感染拡大やインフルエンザの流行を見据え,設置に向けた協力の申し出をいただいたところであり,本市といたしましても,現在,県中央保健所と連携し,水戸保健医療圏における広域的な「地域外来・検査センター」の設置に向けて協議を進めているところでございます。
また,軽症者が療養する宿泊施設につきましては,茨城県が確保することとなっておりますが,重症者のための病床を確保するために重要であることから,本市といたしましては,その確保や運営のため,茨城県に協力してまいりたいと考えております。
公的病院等におきましては,PCR検査機器等を整備するとともに,「地域外来・検査センター」から民間検査機関に判定をお願いする検査ルートを活用するなど,保健所を通さない検査体制の充実強化に努めてまいります。地域医療は,公的病院等や中小病院,診療所の連携,役割分担で営まれており,本市におきましては,このような検査体制強化の取組を通じて,しっかりと地域の各医療機関を支えてまいります。
次に,地域の医療機関においては,感染を恐れた患者の受診控えや入院,不急の手術等の延期などにより収入が減少する一方,マスクや防護具などの感染症対策に係る経費が増大している状況にあると伺っております。本市といたしましては,医療機関への支援として,国県のほか,市の備蓄品からマスク等の医療資器材を医療機関に配布しております。また,事業継続緊急支援金として,国の持続化給付金の対象外で,1か月の売り上げが前年同月比で30%以上減少した医療法人等に対し20万円を支給し,事業継続を支援しております。さらに,新たな取組として,今月1日には,「みんなのエール!医療従事者応援寄附金」事業を立ち上げ,感謝・応援の気持ちを医療従事者の皆様に届ける取組を行ってまいります。
今後とも,新型コロナウイルス感染症に対する医療機関への支援につきましては,感染症の状況に応じ,医療機関のニーズを捉え,第2波,第3波に備え,市民が安心して医療機関を受診できる体制整備に努めてまいります。

<田中議員>
(2)介護・福祉施設等への支援について
介護福祉施設において、感染が疑われる利用者を訪問する際は、保健所が相談に応じ、マスクや消毒液などの供給とともに、労働者や利用者を積極的に検査し、安心して介護できるようすることです。
また、デイサービスや訪問介護の中止で、経営悪化や離職が起きないよう、減収補てんや感染症対策費の支援が必要と考えますが、見解を伺います。

<答弁者 福祉部長> 介護・福祉施設等への支援について
田中議員の一般質問のうち,介護・福祉施設等への支援についての御質問にお答えいたします。
介護サービス事業所における新型コロナウイルス感染防止に対する本市の取り組みといたしましては,国からの感染症対策に関する技術的な助言に係る通知について,速やかに市内の各事業所に周知するとともに,事業所からの感染の疑いがある場合の相談については,保健所との連携を図り,保健師からの適切な指導が受けられるよう努めているところであります。
また,現在までに,本市の介護サービス事業所において,クラスターの発生を抑えることができていることは,事業所職員の現場での感染防止に対する御尽力によるものであると考えております。
事業所に対する衛生用品等の供給支援については,これまで市として,マスクの無償配布や希望事業所への有償頒布(はんぷ)のほか,国からの提供を受けて,消毒用アルコールの配布を実施してまいりました。
議員御質問の事業所への減収補償につきましては,国から報酬算定の特例が示されたところであり,通所系サービス事業所の場合においては,実際の報酬に対し,割りまし算定の取扱いなどが可能となったことから,その活用により収入の補てんが図られるものと考えております。
今後とも,関係機関との連携を図りながら感染防止に努めるとともに,利用者にとって安定したサービスが提供されるよう事業所を支援してまいります。

<田中議員>
2.新型コロナ感染症と避難所運営指針について
新型コロナウイルスが蔓延する中、自然災害が起こった時の避難所運営について質問します。
感染を防ぐには、密閉、密集、密接の3密を避けることが重要です。
混乱の中、住民の体調を確認して誘導すること、一人ひとりに食事を提供し、消毒やふき取り、ひんぱんな換気、健康相談や保健所への連絡、体調不良者には防護服を着た対応が必要です。
これは計画だけつくっても、かなり困難な課題です。
1か所3名から5名という職員配置の基準ですが、これで本当に職務がまっとうできるのでしょうか。
新たにホテルや高校を避難所に活用するというものの、指定避難所が満杯の時の臨時的な位置づけです。
ある高齢者は「遠く離れた市民センターより、目の前の学校に避難したい」と話していました。
当初から正規の避難所として周知すべきではないでしょうか。

<答弁者 市民協働部長> 感染症と避難所運営指針について
田中議員の一般質問のうち,防災行政に係る御質問についてお答えいたします。
はじめに,感染防止のための避難所運営指針に係る御質問についてでございますが,本市におきましては,国内で感染者が確認された段階から検討を始め,指針を策定したところでございます。
基本方針といたしましては,感染が拡大した状況において,地震や洪水などの災害が発生した場合に備え,市民の生命を守るとともに,避難所における感染リスクの低減を図るため,可能な限り多くの避難所を開設すること,避難者の体調等に応じて避難する施設を振り分け,
一般の方は小学校に,体調が悪い方は中学校に,避難行動要支援者の方は市民センターに避難していただくことなどを,指針に位置付けたところでございます。
また,受入施設を増やすため,県立高校を活用するとともに,ホテルや旅館等の活用も検討しており,協定締結に向け,準備を進めているところでございます。
避難所の運営につきましては,受付において,避難者の体温を測定することや基礎疾患の有無を確認することを新たにマニュアル化し,適切な誘導に努めることといたしました。
また,避難所内におきましては,避難者間の距離を確保するため,間仕切りを活用することとしており,これまでの備蓄に加え,本定例会において間仕切りを800個購入するための予算を提案しているところであります。そのほか,十分な換気を実施すること,避難者の健康状態を定期的に確認すること,さらには,発熱,咳等の症状が出た方のための専用のスペースを確保することなど,避難者の安全はもちろん,安心して避難していただける環境を整えてまいります。
市民の皆様には,新たな指針に基づき,体調等に応じて避難所を選定していただくとともに,避難所における密集を避けるため,日ごろから親戚の家など,避難所以外の避難先を検討することにもご協力いただきたいと考えております。
このような新たな避難方法について,市民の皆様が災害時に混乱することがないよう事前周知を図るため,6月15日号の広報みとに特集を組みお知らせするほか,市ホームページ,SNS,さらにはテレビ・ラジオをはじめとする報道機関への情報提供など,あらゆる機会を通じて,啓発しているところでございます。
本市といたしましては,今後とも,市民の皆様に分かりやすい情報提供に努め,市民協働により共に備え,共に助け合える環境をより一層構築するとともに,地震や洪水,感染症など,様々な要因が複合的に重なる事態にも対処できるよう,万全の対策を講じてまいりたいと考えております。

<田中議員>
3.原発事故時の広域避難計画、東海第2原発の廃炉について
次に、原発事故発生時の避難計画について質問します。
9年前、福島第一原発が事故を起こし、その後全国の原発がすべて停止しました。しかし、国民の電力需給にはなんの支障もありませんでした。
原発なしで生活できることを私達は現実に体験し、実証したわけです。
東海第二原発は、動かす理由も必要もないことを知りながら、なぜ水戸市は多大な予算と労力、長期の時間をかけて避難計画をつくらなければならないのか。
なぜ27万水戸市民が、重大事故に逃げまどう姿をシュミレーションしなければならないのか。
水戸市が「もう原発はうごかさなくてもよい」「節電と再生エネルギーで立派にやって見せる」と決断することこそ、市民の税金をこれ以上むだに使うこともなく、職員に無理難題を押し付けることもなく、なによりも市民の安全と財産を守る保障となるのではないでしょうか。
県民投票の実施を求める声が、かつてなく高まっている今こそ、県都の誇りをかけて、意思を示すべきです。
そうした折も折、コロナ感染症の猛威が、全世界をおおいつくしています。
有史以来、感染症とのたたかいを通じて、根絶が難しい以上、原発をとめる以外に複合災害を避けることはできません。
これを許せば、これまで考えられてきた原発事故の予測をこえて、さらに悲惨な事態を招くことになるでしょう。
なぜなら、原発事故の避難所は、被ばくをさけるために密閉性が求められ、逆に感染症の避難所は、風通しよく開放することが必要不可欠だからです。
この相反する避難計画で、無理な折衷案をつくればどうなるか。
市民に対して「放射能で死ぬか」「感染症で死ぬか」どちらかを選べ、という計画になることを覚悟すべきです。
市民の命と健康を守るための行政が、そのような計画を立て、市民に提示するなど、とうてい許されるものではありません。
ましてや、避難先の40の自治体に、「放射能の汚染検査はやるが、感染症についての検査は時間がかかるのでそちらでやってほしい」とか、「これまでは避難所1人当たり2平米、畳1畳分でよかったが、これからは2倍、3倍の面積にしてほしい」などという避難計画が、受け入れられるのでしょうか。
そうした困難な問題が熱意だけで打開できるのか。
かなりの難問が突き付けられていますが、市の認識はどうか。計画の進捗状況と共にお答えください。
パンデミックと原発事故、最悪の不安をとりのぞくために、一刻も早く再稼働に反対を表明していただきたい。
明快な答弁を求めます。

<答弁者 市民協働部長> 原子力事故時の広域避難計画について
次に,原子力事故時の広域避難計画につきましては,全市民27万人の避難先を確保して以降,県内,県外の広域避難先との連携・協力体制の構築に重点的に取り組んでいるところであり,本年1月からは,本市の広域避難先であります40の自治体と,避難実施要領の策定に向けた協議を開始いたしました。
具体的には,平成30年12月に締結を完了いたしました「水戸市民の広域避難に関する協定」に位置付けた内容を,より現実的で実効性のあるものとするため,受け入れ要請や避難所開設のタイミング,物資の搬送方法など,きめ細かな事項の手順等について,互いの地域の実情等を踏まえながら,協議を重ねているところでございます。
現在は,新型コロナウイルスの影響により,広域避難先との会議を延期しておりますが,感染状況等を見極めながら,協議を再開し,新たに感染症対策についても検討をしてまいります。
本市においては,使用済み核燃料が現存するなど東海第二発電所に災害リスクがある以上,再稼働する,しないに関わらず,市民27万人の生命と財産を守ることを最優先に考えて,広域避難計画の策定に取り組む必要があると認識をしており,引き続き,国や県と連携しながら,一つ一つ丁寧に対応策を積み上げ,計画の実効性を高めてまいります。
東海第二発電所の再稼働につきましては,全ての市民の安全な避難に向けた実効性のある広域避難計画の策定はもちろんのこと,市民理解が得られない限りは,認められないと考えております。
本市といたしましては,引き続き,議会の御意見を踏まえるとともに,水戸市原子力防災対策会議における技術的,専門的な御意見や多くの市民の声を十分考慮しながら,判断をしてまいります。

<田中議員>

4.4月からの家庭ごみ回収の遅れについて

最後に家庭ごみの収集について質問します。
今年4月より燃えるごみの収集のうち旧水戸地区の一部が、市直営から民間に変わりましたが、収集時間が大幅に遅れる事態となりました。
朝8時前に出したゴミが夕方5時6時になっても収集されず、カラスに荒らされる集積所が続出し、ゴールデンウイークには夜9時まで収集する地区もあるほどでした。
遅い時間の収集は下校児童や高齢者、帰宅ラッシュなど事故のリスクだけでなく、ウイルス感染リスクも心配です。
実情を調べると、民間収集は直営にくらべ1台当たりの集積か所が1.7倍、ゴミの量は1.5倍にもなり、午後4時15分までに終了する契約が守れない状態です。
しかし市との契約は8年間固定で、長時間労働でも委託料は変わりません。民間作業員は、まともな昼食休憩もとれず疲労困ぱいですが、事務所は狭いプレハブで、市清掃事務所のような休憩室やシャワーもありません。
そこで、ごみ量や区域を変更し収集の遅れを解消すること、感染防止・労働安全衛生法など順守できる契約に改善すること、民間委託は今後拡大せず直営継続を求めます。
また、新たにはじまったプラスチックごみの収集は月2回だけですが、どの家庭でもかさ張るゴミの置場に困っており、週1回の回収にすべきです。
以上、明快な答弁を求め、第1回の質問を終わります。

<答弁者 生活環境部長> 4月からのごみ収集について
田中議員の一般質問のうち,4月からのごみ収集についてお答えいたします。
本市においては,ごみの減量と資源の有効活用を図るため,本年4月から,新清掃工場「えこみっと」の供用開始にあわせて,新たなごみの分別収集を始めるとともに,民間活力の活用を推進しているところであります。
そうした中,燃えるごみ・燃えないごみの4月からの一部民間委託に伴い,収集時間に遅れが生じていることにつきまして,市民の皆様にご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。収集時間の遅れの原因につきましては,実際に収集を開始したところ,収集量が想定以上に多く,収集車両の台数が不足していたことが判明いたしました。
市直営と民間委託の集積所数及び収集量につきましては,令和2年4月の収集車両1台1日当たりの実績で,直営分が104か所から約4.1トン,委託分が169か所から約6.2トンを収集しており,集積所数及び収集量のいずれも委。託分が直営分の約1.5倍になっております。このことにつきましては,委託エリアを決めるに当たり,集積所間の距離が近く,効率的な収集が可能である点から,受託者との事前打ち合わせにより決定したものでありますが,委託エリアには,マンションが多く立地しており,想定以上のごみが搬出されたことによるものでありました。
このようなことから,(仕様書において,)委託業務の実施時間は,原則午後4時15分までとなっておりますが,午後6時を過ぎるなど,実態と乖離した状態となっており,このような状況を改善するため,早急な対策として6月から収集車両を2台増車し,収集時間の短縮に努めております。来年度以降の収集につきましては,収集車両台数の増をはじめ,収集区域の区割りや収集ルートを再検証し,市民生活に混乱が生じないよう,適切な対応を図ってまいります。
労働環境と安全上の問題についてでございますが,労働時間,労働環境及び福利厚生に関しましては,受託者が使用者責任として,労災保険などの各種保険への加入が義務付けられており,現に加入していることを確認しております。また,長時間労働や夜間に及ぶ作業の影響により,交通事故等を起こさないよう,委託業者と連携しながら,作業の効率化に努めてまいります。
民間委託の拡大につきましては,直営で行っている燃えるごみ,燃えないごみの収集運搬の一部を,民間活力の活用を図ることについて,水戸市職員組合と協議し,合意を得ていることから(H31.3.26確認書),今後も引き続き協議を行い,水戸市行財政改革プラン
2016後期実施計画に基づき,ごみ収集業務について,計画的に委託を推進してまいります。
プラスチック製容器包装の収集回数につきましては,来年度の収集について,車両の増車による収集の増に向けて,検討を始めているところであり,市民の皆様が分別収集に協力しやすい環境づくりに努めてまいります。
今後とも,循環型社会の構築に向け,水戸市ごみ処理基本計画(第3次)に位置付けた各種施策について,市民のご理解とご協力をいただきながら,推進してまいります。