<font color=”#FF0000″><strong>12月10日の12月定例水戸市議会の代表質問で、中庭次男議員は国保税値上げの撤回をもとめました。以下は質問と答弁です。
〔中庭議員の質問〕</strong></font>
国保税値上げ計画の撤回をもとめてお伺いいたします。
高橋市長は本議会に国保税を値上げする条例を提出しております。来年度から国保税を9.2%値上げし、総額6億550万円の値上げ、一世帯平均1万4,000円を超す負担増を市民にもたらします。
今回の値上げは過去の値上げと比べて、市民生活への影響は一層深刻であります。大震災の被害から市民は生活再建にむけて懸命な努力を行っています。
質問の第1は今回の値上げは復興、復旧に水をさすものではありませんか。
ある商店会の会長は「震災の影響でお客が大きくへり、やっと商売を続けている商店も多い。国保税の値上げがおこなわれたら、どうやって支払うのか」と訴えおりました。またある年金生活者は「年金だけでは生活できないので仕事を探している。今後年金が下がる上に、国保税の値上げでは、生活をしていけない」との悲鳴を聞きました。この声を市長はどのように受け止めているのかお伺いします。
質問の第2は今回の値上げは国保税と下水道料金を合わせると総額は11億円にのぼり、過去最大の値上げとなります。国保税は当初の計画より、若干の修正がありましたが、大幅値上げには何ら変わりありません。
現在でも高すぎる国保税を払いたくても払えない世帯が4割近くとなり、値上げしたらますます払えない世帯を増やすことになると考えますが、如何ですか。
第3に国保税の値上げは過酷な税の取り立てや差押えを一層ひどくするものであります。水戸市は昨年度、国保税滞納世帯に対し差押えを351件行いました。前年度の約2倍です。今回の値上げでさらに差押えの増大など過酷な取り立てが行われ、市民生活を脅かす悪循環になると考えませんか。
第4に水戸市は5期以上滞納した世帯に短期保険証を交付し、窓口に留め置いています。全日本民医連が昨年1年間に行った全国調査では短期保険証や資格証明書の発行された人などが、病院にかかるのがおくれ、病状が悪化して67名が死亡したと発表しています。
水戸市でも短期保険証が6,000件発行されており、短期保険証の交付や窓口留め置きをやめる考えはないのかお伺いいたします。
第5に高橋市長は今議会の所信表明で市民の課税所得額が減少しているから国保税を値上げしなければならないと表明しています。市民の所得や収入が大きく減少していることを認めながら値上げを強行することは、市民生活に深刻な打撃と考えないのか。
第6に水戸市社会保障推進協議会が12月3日までに2,144名の値上げ反対の署名を高橋市長に提出しました。値上げを知った多くの市民は値上げに強い反対の意見を表明しています。今回の値上げは市民の反対の声を無視したものと考えないのか。
第7に市民生活に重大な影響を与える今回の値上げにあたって、なぜ市民に広く知らせ、意見公募(バブリックコメント)を実施しなかったのか。市民不在の市政ではないか。
第8に24億円の赤字だから値上げといっていますが、水戸市の一般会計からの繰り入れは、全県平均の3分の1程度であり、一般会計からの繰り入れの少なさが赤字の原因となっています。2006年度(平成18年度)から2010年度(平成22年度)に県平均なみの繰り入れを行った場合黒字になったと考えられますが、その試算を答えていただきたいのであります。
第9に、市長は市民生活を守る立場にから、値上げ計画を撤回する意志はないのかお伺いいたします。

<font color=”#FF0000″><strong>〔高橋市長の答弁〕</strong></font>
国保行政についてのご質問にお答えいたします。
私は、今市議会定例会に、国民健康保険税の税率改定案を提案させていただきましたが、本市の国保会計は、医療費の給付が年々増加する一方、景気悪化の影響により課税所得額が減少し続けるなど、その状況は厳しさを増しており、今後3年間の収支見通しにおいても、多額の不足額が見込まれたところであります。
このような国保会計の厳しい現状とともに、消費税の増税や他の公共料金等の改定状況等を十分に認識した上で、市民の皆様にご負担をお願いしなければならないということは、苦渋の決断でありましたが、未来の水戸市を担っていく次の世代に大きな負担を残さないためにも、国保税率の改正は先送りすることができない問題であり、市政を預かる者の責任として、提案をさせていただいたものであります。
したがいまして、税率改正に伴う国保税の収納率への影響や、市民の支払いへの不安な要素等につきましては、今後の事務を進める上で、十分な説明責任と、きめ細かな納付相談等により、その解消に努めてまいりたいと考えております。
また、国保会計への一般会計からの法定外繰入につきましては、制度本来の趣旨からは、望ましいものではありませんが、現在の国保制度が脆弱な財政基盤という構造的な問題を有していること、大きな改正率による市民生活への影響等を勘案し、新たな繰入基準により被保険者の税負担の軽減を図ることとしたものであります。
なお、県平均並みの繰入による国保会計への影響額につきましては、平成18年度から22年度までの総額で、一般会計繰入金が約15億8千万円の増額となり、平成23年度末の累積赤字額は8億1千3百万円と試算され、依然として国保会計は赤字の状態となっております。いずれにしても、この度の収支改善の考え方としては、今年度末までの累積赤字分については、税率改正とは切り離し、今後、一般会計からの繰入により一定期間のうちに解消できるようにしてまいります。
また、税率改正に対する反対署名及び市民への意見公募についてでありますが、この度の改定案は、市民の代表者によって構成されており、運営に関する重要事項を審議することを目的に設置しております国民健康保険運営協議会の諮問・答申を経たものであり、また、今後におきましても、制度の内容を含め、「広報みと」への記事掲載等により情報を提供し、市民への周知に努めてまいりたいと考えております。
短期保険証及び資格証明書につきましては、前回の市議会でもご答弁を申し上げているとおり、これらは、国保税の滞納者のために設けられた制度であり、特に短期保険証については、滞納者との接触の機会を設け、その際に納付の相談等を行うことを目的に、交付しているところでございます。
今後とも、短期保険証、資格証明書の活用を図りながら、収納率の向上、国保会計の健全化に努めてまいりたいと考えております。以上