<strong><font color=”#FF0000″>【中庭次男、質問】</font></strong>

市立図書館の民間委託について質問いたします。
水戸市は今年8月6日に、水戸市立図書館の指定管理制度導入をすすめることについて水戸市図書館協議会に諮問をしました。
私は指定管理制度導入による民間委託については9月定例市議会と図書館協議会でもその中止をもとめてきました。
そこで5点にわたり質問いたします。

第1は図書館を民間委託について文部科学大臣も、総務大臣も「公立図書館に民間委託導入はなじまない」と答弁し、日本図書館協会も問題点が多く、好ましくないとして表明していますが、水戸市の見解をお伺いたします。

第2に民間委託による経費削減で、長期雇用が保障されず、短期間に図書館職員が入れ代わり、職員が安定しない弊害が生じていると、日本図書館協議会は指摘しております。職員のリファレンス、すなわち図書の専門的な案内が不十分になり市民サービスが低下し、図書館が安易な貸本屋になってします。

第3に経費削減で、郷土資料収集がおろそかになるのではないか。

第4に拙速に民間委託を導入するのではなく、図書館協議会や市議会で慎重審議をおこなうことをもとめます。

第5に指定管理制度導入による民間委託計画は市民に詳細を公表し、市民の声を聞く場をもうけること考えはないのか。
<strong><font color=”#3300FF”>【中里教育次長、答弁】</font></strong>

中庭議員の一般質問の内、図書館行政についてお答えいたします。
政府の答弁や日本図書館協会の声明に対する本市の見解でございますが、図書館への指定管理者制度の全国の導入状況は、日本図書館協会の今年8月の調査報告によれば、平成24年度末までに、全国で1,300市区町村のうち156市区町村において、3,154館の図書館のうち333の図書館が指定管理者制度を導入しており、昨年度の調査と比較しますと12市区町村、図書館数で37館増え、年々増加しております。また、導入した図書館の評価を見てみると、「職員体制が充実した」「各種事業の実施が増えた」「職員の対応が良い」など、おおむね良好な評価を得ております。このことから、本市の特色ある図書館の役割に留意しながら、市民サービスの維持向上、指定管理者制度活用の有効性等の視点に立ち、検討を進めてまいります。

次に、民間委託による経費削減で、市民サービスが低下するのではないかとのご質問ですが、図書館法第3条には、図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるよう規定されておりますので、法令を遵守してまいります。

次に、民間委託により郷土資料の収集がおろそかになるのではないかとのご質問ですが、図書館法第3条には、図書館の役割として、郷土資料、行政資料や図書、記録などの図書館資料を収集し,一般公衆の利用に供することと規定されており,民間委託の導入にかかわらず、図書館が行わなければならない業務であり、資料収集方針に基づき対応してまいります。

次に、図書館への指定管理者制度導入にかかる図書館協議会での審議についてですが、当初3回の開催予定でありましたが、これを5回に増やし御審議をいただき、さらにメリット、デメリットも含めて検討をするため、先進地視察を行なったところでございます。
さらに今後、制度導入による課題等も含め図書館協議会において十分に議論をし、御意見を頂戴したいと考えております。

次に、指定管理者制度導入による民間委託計画を市民に公表し、市民の声を聞く場をもうけることについては、図書館の行うサービスについて、館長に対し住民の具体的な要望や意見を述べる機関として、図書館法第14条において公立図書館に図書館協議会を設置することと規定されております。
現在この制度導入について、学校図書館部会の代表者、読書会やPTAの代表者、大学教授、社会教育委員など、市民各層から選出された図書館に深い関心と理解を持つ方々によって構成される図書館協議会に諮問をして御審議をいただいているところであり、答申を踏まえ検討してまいりますので御理解願います。