日本共産党の中庭次男です。通告に従い順次一般質問を行います。
国保行政について質問いたします(中庭議員)
安倍内閣は昨年4月から国保の都道府県化を実施しました。その目的は市町村の国保税率を都道府県が決めた「標準保険税率」に従わせようとするものです。
「標準保険税率」に水戸市の国保税率をあわせると夫婦と子供2人の4人家族で年所得266万円の世帯では、国保税が44万8,600円、これまでと比べ72,300円の値上げになり、ますます払えない国保税になります。
政府は今後、毎年、「標準保険税率」そのものを引き上げ、市町村に国保税の連続値上げを押しつけようとています。
「標準保険税率」は法令上、参考値にすぎず、従う義務はありません。
市町村が行なう国保税値下げのための一般会計からの繰り入れも厚生労働省は「禁止するものではない」と繰り返し国会で答弁しています。
水戸市は市民の暮らしを守る立場から、「標準保険税率」に従うことなく、国保税を値上げすべきでありません。見解を求めます。
水戸市の国保会計は一昨年度は7億8,000万円の黒字、昨年度も2億7,000万円の黒字を見込んでおります。この黒字を活用し、一般会計からの繰り入れを増やし一世帯一万円の値下げを求めます。
また「協会けんぽ」なみに値下げするため、全国知事会は1兆円の公費投入を国に求めております。これが実施されると、水戸市の国保税は、4人家族の標準世帯で15万円の大幅値下げとなります。水戸市は国に公費投入を要望する考えはないのかお伺いいたします。
保健福祉部長答弁
中庭議員の一般質問のうち,国保行政についての御質問にお答えいたします。
国民健康保険は,国の制度改正に伴い,平成30年度から都道府県が財政運営の責任主体となりました。これにより,県は,毎年度,市町村が納付する国保事業費納付金や,保険料負担を平準化した場合の市町村ごとの標準保険料率を算定すると規定されています。
市町村は,県から示された国保事業費納付金や標準保険料率を参考としながら,それぞれの保険料算定方式や予定収納率に基づき,保険料率を定め,保険料を賦課・徴収するとともに,保険料等を財源として,県に国保事業費納付金を納めることとなります。
本市におきましては,平成30年度に必要となる国保税額について,県から示された国保事業費納付金等を踏まえ試算した結果,国保税率を改正しなければ,財源が不足する見込みとなりました。このため,平成29年度の国民健康保険会計の実質的な単年度収支が赤字の状況ではありましたが,やむを得ない措置として,以前からの繰越金を充当することで対応したところです。さらに,収納率の向上やジェネリック医薬品の利用促進など,これまでの財政状況の改善への取組をより一層推進することにより,何とか財政収支のバランスを保つこととし,平成30年度の国保税率の増額改正を見送ったものです。
令和元年度におきましても,国保事業費納付金が減額になったものの,被保険者数の減少に伴う国保税の収納額の減少等により,国保財政の状況は,依然として厳しいことが見込まれました。また,令和2年度からは,過年度分の国庫支出金等の精算金等が国保事業費納付金に算入されることとなり,国保事業費納付金額の変動幅が大きくなる事が予測されることから,繰越金等により一定額の財源を確保しておく必要があります。さらに,水戸市国民健康保険運営協議会において,高度医療や高額医薬品の普及・拡大,インフルエンザ等の流行などによる保険給付費の増額に備える必要があること,今後の県の国保財政の運営状況や本市の国保事業の推移を見極める必要があるなどの意見が出されました。これらを踏まえ,令和元年度の国保税率についても,据え置くこととしたところです。
今後におきましても,国保税率につきましては,国保事業費納付金等を踏まえ,水戸市国民健康保険運営協議会の意見を参考に,長期的な国保の財政状況を見極めたうえで,慎重に検討してまいりたいと考えております。
次に,国に財政支援を要望することにつきましては,国民健康保険は,加入者の年齢が高く,医療費水準が高い一方,所得水準が低いなどの構造的な課題を抱え,財政基盤が脆弱となっております。また,超高齢社会の到来や人口減少など社会情勢が変化するなか,国保の構造的な課題は,さらに深刻化するものと見込まれるため,国・県のさらなる支援措置が必要であると考えます。
そこで,本市といたしましては,将来に渡って安定した国保運営が図られるよう,昨年度に引き続き,令和2年度予算に関して国及び県に対し,国保の財政基盤の強化に向けた財政支援を要望してまいりたいと考えております。
医療保険制度は,市民生活の基盤であることから,引き続き財政支援について,国・県に対して働き掛けてまいりたいと考えております。

開放学級について質問いたします(中庭議員)

写真は見川小学校開放学級
開放学級は放課後の児童が安全、安心にすごせる場として設置されたものです。
水戸市内には開放学級が57クラスありますが、一クラスの定員は40人です。これを上回っているクラスは85%もあります。また待機児童も今年3月末に111名おりました。開放学級を大幅に増設することを求めます。
見川小学校の開放学級は登録した児童が117名もおり、定員40人の3倍となっています。一クラスしかなく、子供たちで一杯です。教室は15年以上前に校庭に建てられたプレハブの図工室を使用しております。(写真)固定された図工台が8台もあり、のびのびとあそべる状況にありません。
夏休みになるとさらに20人以上が増え、ますます大変になります。これを改善するためにも空き教室を利用するなど直ちに3クラスに増設することを求めます。
開放学級の対象が6年生まで受け入れている小学校は14校であり、市内全校で今年度中に6年生まで受け入れることを求めます。
支援員は一定の資格を持つ専門職でありながら、賃金は週5日働いても約月8万円で、ボーナスもなく、一年契約の不安定雇用となっています。賃金を引き上げ、待遇改善をはかり、支援員を増員することを求めます。
開放学級は障害を持つ児童も受け入れています。障害児を支援する国の制度(障害児受入強化推進制度)を活用し、障害児専任の支援員を配置することを求めます。

教育部長答弁
中庭議員の一般質問のうち,開放学級の運営と支援員の待遇改善についてお答えいたします。
近年,核家族化や共働き世帯の増加等,家庭を取り巻く環境が大きく変化する中,開放学級のニーズが年々高まってきており,放課後等に子どもたちが安心して過ごすことができる居場所を提供する開放学級の拡充は,早急に取り組むべき重要な課題であると認識しております。本市では,平成27年度に策定した「水戸市子ども・子育て支援事業計画-みと・すくすくプラン-」において,本年度末までに,入級を希望する全ての小学校6年生までの対象児童を受け入れるという目標を掲げ,段階的に受け入れ対象学年の拡大を図っているところです。

これまで,余裕教室の活用や開放学級専用棟の建設により,計画策定時の平成27年度当初と比較して,本年度は,学級数については15学級増の67学級に拡大したところです。開放学級の定員と受け入れ児童数につきましては,開放学級の利用希望者は年々増加しており,希望者には可能な限り利用していただくため,各学級の1日当たりの平均的な利用実績を考慮し,運営に支障のない範囲で,定員を超えて児童の受け入れを行っております。
また,実利用者数の状況によっては,放課後等に使用しない特別教室等を活用し,伸びやかに生活できるよう,学校施設を弾力的に運用しており,議員御指摘の見川小学校につきましても,実利用人数の状況により,通常使用している図工室だけでなく,隣接する家庭科室も活用し,開放学級を実施しております。
次に,6年生までの受け入れ校につきましては,支援員及び実施施設の確保により,計画策定時の平成27年度当初と比較して,18校増の24校に拡大しており,さらに,支援員の確保や質の向上を目指した新たな取り組みとして,本年度は,梅が丘小学校において,民間委託によるモデル事業を実施した結果,放課後子ども教室の充実が図られるとともに,6年生までのすべての対象児童の受け入れが可能となり,同校の待機児童が解消いたしました。また,民間学童クラブに対する助成についても,昨年度の12クラブから本年度は19クラブへと拡充し,民間による児童の受皿の確保に一層取り組んでいるところであり,民間学童クラブとの連携を図りながら,引き続き,本年度末までに,入級を希望する全ての小学校6年生までの対象児童の受け入れができるよう努めてまいります。
次に,支援員の待遇改善につきましては,本年度は,1時間相当の報酬額を昨年度の900円から1,000円に大幅な引き上げを行ったところであります。併せて,支援員の増員につきましても,受け入れ対象学年の拡大や配慮を要する児童への対応等により,今後も不足が見込まれることから,「広報みと」をはじめとする各種媒体を活用し,支援員の確保に努めております。
次に,配慮を要する児童への対応につきましては,専門的知識を有する人材の確保が難しい状況にあることから,現在は,それぞれの児童の状況に応じて,支援員の増員により対応しておりますので御理解願います。
今後とも,保護者の多様化する要望に応えられるよう,放課後等における児童の健全育成を一層推進してまいります。

住宅行政について質問いたします。(中庭議員)

写真は河和田団地
水戸市はこれまで、市営住宅家賃を滞納した入居者と連帯保証人に対し、この1年半の間に住宅の強制退去と滞納家賃の支払いを求め、25件の裁判をおこしました。
この中に80代の人もおります。滞納家賃39万円のうち、今年2月と5月に5万円を支払いましたが、強制退去をもとめる裁判が現在行なわれており、このままいけば7月には住む家がなくります。
この80歳代の方は「アパートを見つけることが難しく、ホームレスになってしまう、命に関わるとして分割納付を認めてほしい」と訴えています。
また別な方は今回の裁判で、強制退去になり、次の家が見つからず、ホームレスになった人もおります。あまりにも市民に冷たい市政ではないでしょうか。強制退去を求める裁判は行なうべきではありません。
もともと市営住宅は所得の少ない世帯に住宅を提供するために建設されており、病気、倒産、失業などで家賃を払えなくなる世帯もあります。
昨年3月に国土交通省が市町村に出した通達でも「家賃の減免を行なったり、生活保護を適用するため関係部局と連携する」とされております。分納や家賃減免の適用などをおこなうべきであります。
また国土交通省は公営住宅の入居の妨げになる連帯保証人制度は廃止するように通達をだしました。しかし水戸市は廃止するどころか、連帯保証人を裁判に訴えています。これでは保証人のなり手が見つからず、市営住宅に入居できない人がさらに増えます。現在、市営住宅の空き室は939戸もあり、空き室が増えるばかりではないでしょうか。国の通達どおり、連帯保証人制度を廃止する考えはないのか答弁を求めます。
都市計画部長答弁
次に,中庭議員の一般質問のうち,住宅行政についてお答えいたします。
初めに,市営住宅の家賃の滞納に関する御質問ついてお答えします。
市営住宅における収納対策につきましては,家賃をきちんと支払っていただいている他の入居者との公平性の観点から適正に対応する必要があります。
対応に当たっては,滞納額が小額のうちから納付指導を行うとともに,生活が困窮する入居者に対しては,早い段階から家賃の減免や徴収猶予等の負担減免措置を講じ,福祉的な支援が必要な入居者に対しては,保健福祉部と連携し窓口の案内を行うなどきめ細やかな対応を行っているところです。
しかしながら,再三の催告にも係らず,納付意思が見られず,滞納額が累積している悪質な滞納者に対しては訴えの提起を行っております。
訴えの提起の結果,市営住宅を明け渡すこととなった方に対しては,判決が出た後,直ちに強制執行を行うのではなく,退去の相談や親族への連絡などを行い,時間をかけて自主的に退去するよう説得や支援を行い,それでも退去に応じない方に対して,やむを得ず行っているところです。
次に,連帯保証人制度についてお答えいたします。
民法改正や近年身寄りのない単身高齢者が増加しているという社会情勢の変化を踏まえ,昨年3月,国土交通省から,入居に際しての取り扱いについて通知がありました。
具体的には,住宅に困窮する者に関する保証人の取り扱いについて配慮を求めるものとなっております。本市におきましては,改正民法の施行日である令和2年4月1日に向けて,保証人の取扱いや入居要件について,改正民法や国からの通知を踏まえ,条例の見直しについて検討しているところです。
なお,連帯保証人につきましては,本人に御理解いただいた上で,入居時に債務を負担する旨の誓約書をいただいておりますので,現時点では,入居者と共に,訴えやの対象にせざるを得ないものであると考えております。

熱中症対策について質問いたします(中庭議員)
今年も茨城県内で5月25日から27日の3日間に熱中症で救急搬送された人が56人おりました。水戸市でも今年5月27日にスーパーマーケットの駐車場で女性が車の中で熱中症になり死亡しました。
昨年の夏は災害級の猛暑となり、全国では熱中症で救急車による搬送が95,000人で、1,000人以上が死亡しました。
東京都荒川区で一台5万円のエアコン補助制度を昨年実施し、補助件数220件、補助総額は1100万円となり、2017年、熱中症で死亡した人が6人おりましたが、昨年はゼロになりました。
水戸市でも熱中症予防対策として高齢者、低所得世帯や生活保護世帯に対し、エアコン設置の補助制度を実施することを求めます。
2018年4月以降に生活保護を受給した世帯ではエアコン設置費が補助されます。それ以前に受給した世帯にも補助をおこなうこと、電気代も補助する夏季加算の実施を求めます。
また高齢者、障害者に対し、保健師、民生委員などが訪問し見守りをおこなうこと。市民センターなどの公共施設でエアコンがある会議室などを市民に開放して熱中症予防避難所として活用し、市民に広報することを求めます。

保健福祉部長答弁
次に,中庭議員の一般質問のうち,熱中症対策についてお答えいたします。
初めに,生活保護世帯に対するエアコンの設置費の支給につきましては,国におきまして,熱中症による健康被害が数多く報告されたことを踏まえ,平成30年7月1日から保護開始や転居した場合などで,かつ,高齢者,障害(児)者,小児などがいる世帯において,エアコンが設置されていない場合は,冷房器具の購入に必要な費用が家具什器費として認められております。
なお,平成30年4月1日から6月30日までの間に,当該要件に該当し,同年7月1日時点において冷房器具が設置されていない世帯についても,同様に支給が認められております。
本市におきましては,生活保護受給世帯のエアコン設置状況を把握するため,平成30年9月から平成31年2月にかけて調査を実施したところ,居宅生活をしている3,767世帯のうち,エアコンを設置しているのは3,391世帯,設置率は約90%となっており,平成31年3月末現在の国の消費動向調査における,二人以上世帯のエアコン普及率90.6%とほぼ同率となっております。
今回の制度改正により,支給要件を満たしている世帯については,ケースワーカーが家庭訪問を実施し,丁寧に周知を図り,その結果,これまでに7世帯に対してエアコンの購入費用等を支給し,設置されたところでございます。
議員御指摘の,昨年3月までに保護開始となった世帯など,支給対象とならない世帯につきましては,国の基準において,従前のとおり,毎月の保護費のやり繰りにより賄うか,社会福祉協議会の生活福祉資金などを活用することとなっております。
このため,支給対象とならない世帯につきましては,社会福祉協議会の生活福祉資金の貸付制度の説明を行い,これまでに2世帯が利用したところでございます。引き続き,必要に応じて家計管理への助言指導や社会福祉協議会の生活福祉資金貸付の利用を紹介するリーフレットを配布するなど,貸付制度の周知徹底を図り,きめ細かなケースワークに努めてまいります。
今後とも国の基準に従い,適切な対応に努めてまいりますが,猛暑は今後も続くと考えられることから,支給対象の拡大及び夏季加算の支給につきましては,機会を捉えて,国,県に働きかけてまいりたいと考えております。
なお,市独自のエアコン設置費補助につきましては,引き続き,国,県の動向を注視するとともに,他市の事例なども参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
次に,本市における熱中症予防に関する取組としましては,庁内関係各課による熱中症関係課連絡会議により,熱中症予防と応急対策に係る情報共有を図っており,各部署において様々な機会を通じて市民への知識の普及啓発とともに,公共施設やイベント時におけるミストシャワーの活用など対策の拡充に努めているところです。
特に,高齢者や障害者等の支援を必要とする方々につきましては,民生委員やケースワーカー,保健師等の訪問や電話による声かけなどの地域全体での見守りや,市民センターや老人福祉センター,介護予防教室やイベント等における注意喚起を行っております。
さらに,公共施設や商業施設など,涼しい場所を分かち合うクールシェアの考え方につきましても,引き続き,広く周知し,市民の健康管理への呼びかけ等,積極的な熱中症対策に取り組んでまいります。以上