今週号の内容;・年金が差し押さえられ暮らしていけない。水戸市の差押え…3年間で15倍に激増 106件(2010年)→1550件(2013年) 6月定例水戸市議会で中庭議員が代表質問
・住宅リフォームに助成制度を 田中議員が一般質問
・年金削減許せない 江尻議員が一般質問

項目

年金が差し押さえられ暮らしていけない

水戸市の差押え…3年間で15倍に激増 106件(2010年)→1550件(2013年)
6月定例水戸市議会 中庭議員が代表質問

月9万円も年金を差し押え
食事は1日、2回にへらす
  「月9万円も年金が差押えになった。残った年金から家賃の3万円を払い、電気・ガス・水道代を支払うとほとんど残らない。食事は1日2食にした。暮らしていけない」と77歳の男性から、共産党市議団に手紙が届きました。
この方は、5年前に取引していた会社が倒産し、連鎖倒産で借金をかかえ、国保税、市県民税が払えず滞納になりました。

差し押えを乱発
 水戸市が実施した年金、給料、生命保険などの差し押えは昨年度1,550件となり、3年前の106件と比べると15倍になりました。
6月市議会の代表質問で、中庭議員は年金は高齢者の命綱であり、差し押えはやめるように主張しました。
高橋市長は「収納率の向上は最重要課題。給料、年金などの財産が判明した場合、滞納処分(差し押え)を執行する」と答弁しました。

震災や倒産では、延滞金の減免を
 東日本大震災で被災し、家の修理に120万円を支出し、国保税を滞納した市民から相談がありました。この方は今年5月に滞納分を完納し、延滞金(79万円)の減免申請が不許可になりました。中庭議員は、「震災の場合、市の規定で延滞金を減免するされているが、なぜ減免しないのか」と質問しました。
市長は「延滞金は、原則全額を納付していただくものである」と冷たい答弁でした。

住宅リフォームに助成制度を 田中議員が一般質問

田中議員は6月議会一般質問で、住宅耐震化補助拡充と、住宅リフォーム助成制度の創設を求めました。
水戸市は築33年以上(昭和56年以前)の木造住宅の耐震診断・耐震設計・耐震改修に補助しています。しかし昨年度の補助は、診断16件、設計ゼロ、改修2件にとどまっています。市内の耐震性がない住宅は約21,500戸あり、田中議員はPR強化と補助増額を求めました。

全国533自治体、県内15市町村に広がる
 また住宅リフォーム助成制度について、全国で533自治体、県内でも日立市、大洗町、茨城町、城里町など15市町村で実施されており、水戸市での実施を求めました。城里町は昨年度27件、221万円の助成で14倍の3100万円を超える工事が地元業者に発注。日立市は「安全・安心・住まいる助成事業」として、防犯対策工事1件5万円等年間100件以上助成しています。

「助成の具体的方法を検討する」と市が答弁
 石井都市計画部長は「住宅耐震化補助事業は改修補助上限を30万円から40万円に拡充した。広報に努め、必要に応じ制度の見直しを検討する」と答弁。
住宅リフォームについては「有効な手段であり、今年度策定する『住生活基本計画』の重要な柱とする。費用対効果を検証し、助成制度の具体的方法について検討していく」と答えました。

年金削減許せない 江尻議員が一般質問

 江尻議員は6月19日の一般質問で「年金削減はやめよと水戸市から国に意見をあげていただきたい」と市の見解をただしました。
江尻議員は「こんなに少ない年金をさらに引き下げるのは、早く死ねということですか」という一人暮らしの女性の声を紹介。国は、昨年10月と今年4月、来年4月の3回であわせて2.5%年金を削減するものです。
年金削減は許せないと、全国で126,642人、そのうち茨城県で1,932人が不服審査請求書を提出しました。

これまでも削減で厚生年金月2万円減
これまでも物価スライドを理由に、10年間で5回も年金を下げました。その結果、厚生年金の平均年額が204万円から180万円に24万円、月2万円減っています。

水戸市の国民年金平均月額53,146円
さらに支給額の少ない国民年金は全国平均で月54,000円しかありません。江尻議員の質問に、秋葉保健福祉部長は「水戸市民の国民年金平均月額は53,146円である」と答弁しました。
また、高い国民年金保険料(月15,520円)の見直しが必要だとした江尻議員の質問には「水戸市の保険料納付率は54.5%で、保険料の免除率は34.2%で13,707人になっている」と答えました。

週刊ニュース 2014.6.29 (PDF)