〔中庭次男市議の一般質問、2019年3月議会〕

2019年3月議会に市営住宅家賃の滞納者と連帯保証人に対し、住宅の明け渡しを求める裁判の専決処分が11件、和解を求める専決処分が9件提案されました。一度に20件もの明け渡し求める裁判、及び和解の提起は過去に例をみません。

今回の専決処分は強制退去をもとめる裁判であり、憲法25条で保障された生存権を侵害であります。和解の内容も毎月3万円支払い、現家賃も含めると毎月5万円を支払うことになります。2回以上滞納したら、強制退去となる厳しいものであります。

国は昨年3月に全国の自治体に通知を出し、市営住宅の連帯保証人制度の撤廃をもとめているにも係わらず、今度もまた13人の連帯保証人に対し、滞納家賃の支払いを求める裁判をおこしています。ある連帯保証人には107万円の支払い求めております。これでは入居に必要な連帯保証人を見つけることがますます困難になり、生活困窮者はますます市営住宅に入居できず、空き家を増やすばかりではないでしょうか。

強制明け渡しをおこなう裁判はやめ、生活保護の適用、家賃減免、支払い可能な分割納入を認めるなど、生活困窮者の目線にたった対応をすべきでありますが、いかがでしょうか。

都市計画部長答弁

市営住宅の家賃の滞納に関する御質問についてお答えいたします。

 

収納対策につきましては,家賃をきちんと支払っていただいている他の入居者との公平性の観点から適正に対応する必要があります。

対応に当たっては,滞納額が小額のうちから納付指導を行うとともに,生活の困窮など入居者の状況を踏まえた納付相談に応じているところです。

訴えの提起については,再三の催告にも係らず,納付意思が見られず滞納額が高額となっている悪質な滞納者を対象としております。

なお,即決和解については,法的措置に移行するという最終催告に対し,滞治社が納付意志を示した場合に行っている所です。

即決和解における支払の回数につきましては,本市財務規則第261条の規定に従い,履行期限を5年以内とし,毎月の分割払いとしています。滞納額が高額な方につきましては,どうしても支払額も高額になってしまいますので御理解ください。

民法改正や近年の社会情勢を踏まえ,昨年3月,国土交通省から公営住宅の事業主体あてに通知がなされました。具体的には,近年身寄りのない単身高齢者等が増加していることを踏まえ,連帯保証人制度の見直しや,保証人を求める場合の極度額の設定など条件整備について求める内容となっております。

本市については,改正民法の施行日である2020年4月1日向けて,連帯保証人の取扱い,市税滞納者が入居できないとういう条件の削除,非課税世帯への家賃減免などに関し,改正民法や国からの通知を踏まえ,条例の見直しについて検討しているところです。

なお,連帯保証人につきましては,本人に御理解いただいた上で,入居時に債務を負担する旨の誓約書をいただいておりまで,現時点では,入居者と共に,訴えや和解の申立ての対象にせざるを得ないものであると考えております。