日本共産党水戸市議団の田中まさきです。通告に従い一般質問を行います。

1.教育行政 

(1)学校における労働安全衛生について

ア.衛生委員会の設置及び開催状況について

はじめに教育行政について質問します。先日、ある校長先生から「なんといっても教員の定数を増やしてほしい」と訴えられましたが、本市でも教員の定数が埋まらず、講師探しに奔走するなど、依然として教員不足は厳しい状況にあります。

市としても教職員の増員と少人数学級の実現へ、国や県に働きかけるとともに、市独自の講師の増員などに取り組む必要があると思います。子どもたちの教育の充実と、教職員の働きやすい環境づくりは表裏一体であり、働き方の改善も急務です。

そこで、今回は学校現場での教職員の働き方にかかわることとして、労働安全衛生について質問します。

労働安全衛生法は、労働災害の防止のための危害防止基準の確立など、職場における労働者の安全と健康を確保し、快適な職場環境をつくることを目的としています。この法律により、教職員が50人以上の学校には衛生委員会の設置義務があり、50人未満の学校は努力義務となっています。

衛生委員会は、健康状態の確認やストレスチェック、職場環境の調査と改善など、教職員の健康障害を防止し、常に健康で意欲的に教育活動に専念できるようにするための大切な組織です。そこで、水戸市の学校における衛生委員会の設置や開催状況、実施内容はどうなっているのか伺います。

イ.判断基準の教職員数に会計年度任用職員を含めること

この問題では、会計年度任用職員の人数を含めずに教職員数を数えている自治体があり、今年5月、日本共産党の吉良よしこ参議院議員や、荒木てつ狛江市議らが文科省に確認しています。党議員が「教職員が50人以上の学校には衛生委員会の設置が義務付けられているが、判断基準となる教職員数に会計年度任用職員も含めなくてはならないのではないか」と質問したのに対して、文科省・初等中等教育局・健康教育食育課の担当者は「産休代替え教員等も含め会計年度任用職員も含めなくてはならない」と明確に回答しています。 私も先日、文科省の担当者に直接確認しましたが、同じ回答でした。

さらに、私は念のため茨城労働局・安全衛生課の担当者にも考え方を確認したところ、同様の見解でした。「勤務時間の長い短いに関係なく、指示に基づいて仕事をし、時間に基づく給与が払われる人はすべて労働者としてカウントする。その理由は、職場で働くすべての人の安全を守るのが法の趣旨だからだ」というものでした。

例えば、工場の場合は、正社員も派遣社員も日雇い労働者も同じくカウントするし、学校の場合なら常勤の教職員だけではなく非常勤講師や会計年度職員の全て含むのがルールだということです。

そういう観点から、私は、水戸市の学校の教職員について、正職員のほか、会計年度任用職員である学力向上サポーターや特別支援教育支援員、用務員や調理員などの人数を調べて集計してみました。

これがそのグラフです。正職員が緑、黄色が会計年度などの職員です。職員数が多い順に、すでに衛生委員会のある2校のほかに、会計年度職員も含めると50人以上となる学校数は少なくとも5校以上(6校)ある見込みです。

そこで、法律上、衛生委員会設置の判断基準となる教職員数には、会計年度任用職員なども含めなくてはならないと考えますがいかがでしょうか。

会計年度職員なども含めた場合、50人以上となる学校はいくつになるのか。また、それらの学校にも衛生委員会を設置する法的義務があると考えますがいかがかお答えください。

ウ.全小中学校での委員会設置およびメンタルヘルス体制の強化について

さらに国は、教職員数50人未満の学校は、当分の間努力義務としているものの、なるべく早く衛生委員会を設置するようにと促しています。学校の規模にかかわらず、全ての学校において実施されることが望ましいとしていますが、市の計画はいかがかお答えください。

この点で、先進的な取り組みをしている埼玉県川口市では、会計年度任用職員を含めて教職員が50人以上の学校に衛生委員会が設置され、50人未満の学校にも、実質的に衛生委員会と同じ機能を持つ組織があり、全校に産業医を置いています。

また、休職者を出さない予防対策として、2007年度から教職員を対象とするメンタルヘルス・カウンセラーを2名配置しています。1人は元教員、1人は学校に常勤していたスクールカウンセラー経験者なので学校現場の実情に詳しく、教育委員会や管理職を経由せず直接相談を申し込むことができます。

必要な場合は心療内科を紹介し、学校管理職へのフィードバックも行うなど、年約450回の巡回相談や希望相談を行っています。さらに新規採用教員の保護者対応や電話対応を原則として一人ではなく管理職や学年主任が同席してサポートしているとのことです。このような手厚い対応が水戸市でも必要ではないでしょうか。

全国的にも精神疾患による病気休職者が増加している今、メンタルヘルスや労働安全衛生体制の充実は必須の課題です。水戸市も学校の規模によらず体制拡充をしていくべきと考えますがいかがか、答弁願います。

<答弁:三宅教育部長>

1.学校における労働安全衛生について

田中議員の一般質問のうち,学校における労働安全衛生についてお答えいたします。

ア 衛生委員会の設置及び開催状況について

はじめに,衛生委員会の設置及び開催状況についてでございますが,衛生委員会は,労働安全衛生法により,一定の基準に該当する職場ごとに設置が義務づけられたものであり,本市の学校におきましては,職員の危険の防止等も含めて審議する安全衛生委員会として,緑岡小学校及び第四中学校に設置しております。

委員会は,総括安全衛生管理者,安全管理者及び衛生管理者の任に当たる職員や産業医等で構成され,職員の安全及び健康の確保,快適な職場環境形成を促進するため,年数回開催しているところでございます。

委員会の審議内容としましては,教職員の長時間勤務や療休者,休職者の状況の確認のほか,年2回実施しているストレスチェックの結果分析,公務災害や事故の報告などを議題としております。

また,委員による学校内の巡視を実施し,職場環境等に関して各委員から提出された課題,問題点について改善に向けた検討を行っております。

イ 判断基準となる教職員数に会計年度任用職員などを含めることについて

次に,判断基準となる教職員数に会計年度任用職員などを含めることについてでございますが,現在,本市の学校における安全衛生委員会は,水戸市職員安全衛生管理規程に基づき,設置・運営されておりますが,会計年度任用職員は含まれておりません。

本市の学校におきましては,週15時間の勤務や週3日勤務など,様々な勤務形態の会計年度任用職員がおり,年度ごとの人数が大きく変動する場合もあることから,判断基準となる教職員数に会計年度任用職員などを含めるかどうかについては,他市町村の事例を参考にするとともに,関係機関の見解も伺いながら,検討してまいります。

ウ 全小中学校での委員会設置など体制の拡充について

次に,全小中学校での委員会設置など体制の拡充についてでございますが,労働安全衛生法により,常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場においては,衛生推進者を選任することとされており,本市においても,安全衛生委員会が設置されていない学校に,衛生推進者を選任しております。衛生推進者には,主に教頭等の管理職が選任され,職場の衛生環境の調査や職員の健

康管理に関することに従事しております。

特に,教職員の健康管理におきましては,精神疾患による病気休職者数が全国的に年々増加しており,教職員のメンタルヘルス対策は大変重要であると認識しております。

そのため,本市におきましては,メンタルヘルス不調となることを未然に防止するために実施するストレスチェックにつきまして,労働安全衛生法で義務づけられている50人以上の規模の学校だけでなく,全ての学校において実施するとともに,実施回数についても,年1回と定められているところ,7月と12月の2回実施しております。その結果,高ストレスと判定された教職員のうち希望者については,医師による面談指導を行い,医師の意見に基づき,必要に応じて勤務時間の短縮や,業務内容の見直しなど,就業上の措置を講じることとしております。

さらに,県が実施主体となり,職場の人間関係・仕事・家族・健康などさまざまな問題や悩みについて相談ができるよう,教職員を退職した者や,カウンセラー,専門医等による相談なども実施されております。

今後とも,労働安全衛生法等関係法令に定める取組や市が実施する各種事業等を通じて,教職員が安全に安心して働けるよう,職場環境の向上や健康状態の維持増進に努めてまいります。

田中議員の再質問

学校の労働安全衛生について、衛生委員会設置の「判断基準となる職員数に会計年度任用職員を含めるかどうかは検討する」という答弁でしたが、昨日、再度私が確認した文部科学省初等中等教育局・健康教育食育課の課長補佐の方も「会計年度任用職員も含めるべき」と明言されました。常識的に考えても職場を安全で衛生的な環境にするうえで会計年度任用職員を除外してよいとなるはずがないと思います。私は法の趣旨から言って、「会計年度任用職員を除く」とする市の規程をすみやかに見直す必要があると思いますが、どのような関係機関と協議するお考えか、再度の答弁を求め質問を終わります。

教育部長の答弁

判断基準となる教職員数に会計年度任用職員などを含めることについては、本市の学校におきましては様々な勤務形態の会計年度任用職員がおり,年度ごとの人数が大きく変動する場合もあることから,所管する労働基準監督署や文部科学省初等中等教育局・健康教育食育課、本市の規程を所管する総務部とも協議し検討してまいります。