2.学校施設の老朽化について

市長は、新市民会館に莫大な税金投入を続けていますが、子ども達が毎日かよう学校など、緊急に手立てをとるべき要望は、どんなに危険なものであっても、長年にわたり放置してきました。

私は、毎年度、各小中学校から、市に対して提出されている「学校施設の工事・修繕箇所要望書」をとりよせて、大変驚きました。

要望項目ごとに、優先順位のほか、新規か継続かも記載されており、過去5年で1419項目に及ぶものです。

いくつか紹介しますと、「屋上フェンスの土台が剥離し、落下する可能性がある」「老朽化で窓が外れた」「外壁に亀裂・傾斜もあり倒壊の危険がある」

これだけではありせん。「防火シャッターが作動しない」「ガス探知機が故障したまま交換されていない」など、これが、子どもをあずかる市の対応でしょうか。

ほかにも「児童が熱い給食の食缶を運ぶ、配膳室の前の床が大きくうねっている」「配膳室の雨漏りで衛生状態が懸念される」「緊急時の対応にインターホンの設置を求める」など、すべて児童生徒のいのちと安全に関わる重大な問題です。

こうした緊急の要望は、提出されてもその7割が通らずに、東日本大震災から10年以上放置されている箇所もありました。

学校からは「生徒の安全安心が確保できない現況を一刻も早く改善したい」「過去3年、最優先事項として要望してきた」との悲痛な声が市長の耳には届かないのでしょうか。

なぜこんな事態になっているのか。

当然のことながら、市長の優先順位は新市民会館で、子どもや教育費は二の次、三の次にしてきた結果です。

年間修繕予算は小中合わせ4300万円たらず。それに比べ新市民会館予算は81億円。実に190倍です。1校平均わずか90万円では修繕が進まないのは当たり前です。

10倍は必要だとしても4億円です。予算の大幅増額で改善すべきと考えますがお答えください。

また、第四中学校は近年、吉沢小や酒門小学校区で住宅開発がすすみ、生徒数が増加しています。

すでに、30学級ある県内一のマンモス校ですが、それでも教室が不足し、支援学級は教室を2つに分けてしのぐ状態です。再来年には、確実に普通教室が不足し、先生が職員室に入りきれなくなるといわれており、早急な増築が必要ですが、市長の考えはいかがかお答えください。

答弁:教育長

田中議員の代表質問のうち,学校施設の老朽化について,お答えいたします。

初めに,学校施設の修繕についてでございますが,本市では,学校の建物全体の老朽化対策といたしまして,長寿命化改良事業等を推進しているところでございます。

現在,渡里小学校校舎及び三の丸小学校屋内運動場の工事,石川小学校校舎の設計を進めているところであり,酒門小学校校舎の2期目の長寿命化改良工事の契約について,本議会に提案させていただいたところです。

一方,当分の間,長寿命化改良事業の対象とならない学校施設の経年劣化に対しましても,児童生徒が一日の大半を過ごす学校の施設設備を良好に保つことは重要であり,適切な修繕が必要であると考えております。

これまでも,教育委員会におきましては,日々,学校からの連絡を受け,担当職員が現場を確認し,必要性を判断した上で,優先順位を定めて,修繕工事を実施しているところです。

今後におきましては,スピード感をもって修繕等の対応ができるよう,各学校の修繕計画を,現在編成中の令和4年度予算にしっかりと反映させ,次年度以降の予算の増額と組織体制の強化に努め,児童生徒が快適に過ごすことができる環境づくりに取り組んでまいります。

次に,教室不足についてお答えいたします。

議員御質問の第四中学校につきましては,近年,学区内の小学校の児童数が増加しており,今後入学する生徒数が増加する傾向にあります。

学級数と生徒数につきましては,令和3年5月1日現在で学級数は30学級,生徒数は約900人となっております。

また,来年度の学級数につきましては,2学級の増加を見込んでおりまして,会議室を普通教室に戻し,新年度の学校運営に支障をきたすことのないよう,今年度中に教室を確保してまいります。

今後5年間の学級数の見通しにつきましては,引き続き増加傾向にあり,35学級まで増加するものと推計しておりますが,コンピューター室の改修等により教室の確保が可能と考えております。

第四中学校区では宅地造成に伴う住宅の建設が多数行われていることから,今後とも,関係機関と連携を図り,開発計画等の情報を速やかに把握し,学級数及び生徒数の変動に対応してまいります。

今後におきましては,現在の校舎内で,新たな教室の確保が困難となる可能性が生じた場合は,校舎の増築等も視野に入れて検討するなど,教室不足が生じることのないよう適切な対応を図ってまいります。