日本共産党水戸市議団の田中まさきです。
通告に従い一般質問いたします。

Contents

1.使用料の値上げ計画について

はじめに使用料値上げ計画の中止を求め質問します。高橋市長は今年9月5日、使用料と手数料あわせて78項目の改定を使用料等審議会に諮問し、無料の老人福祉センター有料化など市の考え方を示し、12月6日に答申が行われました。その内容を伺います。
市が改定を検討する際、年間運営コストに対しいくら収入があるかという受益者負担率をもとに、負担率の低い施設をピックアップしていますが、子どもや青少年の健全育成、高齢者福祉やスポーツ振興など、設置目的を度外視して機械的にあてはめるのは改めるべきです。
答申では新たな有料化3件、値上げなど4件が示されました。老人福祉センター入浴料は1回100円徴収し、年間1280万円の市民負担を増やすものです。過去2回の答申にも盛り込まれたものの市は見送ってきました。高齢者の楽しみを奪う有料化はやめるべきです。
水戸市立幼稚園の保育料は月6000円から7000円への値上げが示され、実施すれば年間約1200万円の負担増です。市が審議会に出した調書には「定員充足率が57%と低く県内で6800円の日立市に次いで2番目に高い保育料であり据え置きたい」とあります。値上げで県内一高い保育料となり、あずかる子どもが減れば減収の悪循環です。
値上げはやめて3歳児受入れなど幼稚園の魅力向上こそ図るべきではないでしょうか。
体育施設は、午前・午後・夜間の3区分の料金から、1時間単位に変え、夜間は電気料金も値上げする答申ですが、同じ時間利用した場合値上げになるケースもあります。例えば体育館の個人利用が2人で半日620円から1650円へ2.7倍になります。
市は平成10年、17年、22年度と繰り返し20%ずつ値上げしてきました。審議会に出された調書でも「過去の改定により県や他市の利用料と比較すると高く、値上げは利用率低下を招く懸念がある」とあり、値上げはつじつまがあいません。
そのほか、無料だった狂犬病の犬の注射済票交付を1回500円として約500万円の負担増、地域密着型サービス事業所指定の有料化1回3万円など、これら負担増の中止を求めます。

■使用料の値上げ計画について 清水財務部長■

田中議員の一般質問のうち,財務行政についての御質問にお答えいたします。
使用料・手数料の適正化につきましては,行財政改革プランに位置付けられた項目のひとつであり,本年度は,昨年度に検討した下水道使用料及び農業集落排水処理施設使用料を除いた一般会計及び特別会計の使用料・手数料を対象に検討を行っているところであります。
このため,水戸市使用料等審議会へ本年9月5日に,使用料・手数料の適正化の諮問を行い,ご質問にありましたとおり,12月6日に答申をいただいたところであります。
審議会においては,行政サービスを「受益者の範囲」と「受益の性質」という観点から区分を行い,受益者にどの程度の負担を求めるべきなのか目安となる受益者負担率の基準を定め,実際の受益者負担率との比較が行われました。
審議に当たっては,この受益者負担率の状況のほか,各サービスの公益的な役割やコストの状況など個別具体的な事情,他市との比較など,様々な観点から7回に渡り協議が重ねられました。
答申では,老人福祉センター入浴施設使用料など3件につきまして,コストの状況等を考慮し新たに使用料・手数料を徴収すべきであるとされております。また,幼稚園保育料につきましては,コストの状況や改定から30年以上が経過していることから,改定を行う必要があるとされております。
体育施設使用料につきましては,時間単位や部分利用など料金体系の変更により利用率向上を図るとともに,実費相当額である照明料金の見直しが必要であるとされております。
この答申を踏まえた本市の対応につきましては,お答えする段階ではございませんが,今後,十分に検討を行い,議会にご協議申し上げながら進めてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。

2.買い物弱者支援対策について

次に買い物弱者対策を質問します。近くに生鮮品などを買えるスーパーもなく、車をもたない高齢者などにとって、日々の買い物は大きな悩みです。市の「ひとり暮らし高齢者調査」でも75歳以上の37.6%が買物が不便と答え、27.8%が荷物の持ち運びができないと答えています。12月3日、国の補助を受けて日立市が公募した2社が、3トントラックに食料品など約400品目を積んで、高齢化の進んだ団地の公民館や集会所、児童公園など市内47箇所の巡回販売がスタートし、「本当にありがたい」と高齢の女性の声が報道されました。
本市では平成22年度に同じ経済産業省の補助を受けていばらきコープが「移動店舗ふれあい便」をはじめました。現在市内で1日約10箇所を巡回し、販売箇所を増やす要望も出されているそうです。
経産省の補助は、移動販売車の購入費や設備のほか、商店街活性化と結びつけた空き店舗や土地の賃借料、内装工事費など幅広く対象となります。積極的な活用を提案するとともに、本市の買い物弱者対策の取組方針を伺います。

■買い物弱者支援対策について 岡部産業経済部長■

田中議員の一般質問のうち,買い物弱者支援対策についてのご質問にお答えいたします。
現在,高齢化や人口減少などの社会情勢の変化等を背景とした地域商店の撤退などにより,日常生活において身近な買い物に不便を感じている高齢者等が増加しており,地域における買い物環境の改善が社会的な課題となっております。
このような中,経済産業省においては,平成22年度補正予算にて,買い物弱者対策支援事業を創設し,買い物弱者等の地域住民の利便性向上のための取組を進めており,本市におきましても,いばらきコープ生活協同組合が,本補助事業を活用し,移動店舗販売をスタートさせたところであります。
本市の買い物環境については,南町2丁目にありましたスーパー「カスミミーモ店」が撤退するなど,地域住民の日常生活における利便性の低下が懸念されるところであり, 買い物環境の向上は商業振興を図るうえでも重要な課題であると認識しております。
今後も,高度化・多様化する消費者ニーズに対応できる商業の振興を図る中で,これまで実施してきた,空き店舗解消に向けた施策や商店街活性化への支援に引き続き取り組むとともに,商業施設誘致のための新たな制度を創設するなど,中心市街地をはじめとした,市民の買い物環境の向上に努めてまいりたいと考えております。

3.デマンドタクシー導入と公共交通基本計画について

次に、バス路線の撤退や減少などが進む中、ドアツードアでの移動を支援するデマンドタクシー制度の速やかな実施を求めます。
私はつくば市の巡回バスとのりあいタクシーを組み合わせた「つくバス」と「つくタク」の事例紹介など、何度も質問してきましたが、「他市の事例を研究する」との答弁が繰り返され、いまだ具体化がみえないのは残念です。まずは常澄や飯富地区など路線バスも少ない地域でモデル事業として実施してはどうか伺います。また今後策定するという公共交通基本計画はいつまでにつくり、計画にデマンドタクシーを盛り込む考えはあるのか伺います。住民から存続要望のある水戸駅下江戸線の存続も求めますがお答えください。

■デマンドタクシーと公共交通基本計画について 秋葉市長公室長■

田中議員の一般質問のうち,デマンドタクシーの導入と公共交通基本計画に関するご質問にお答えいたします。
本市におきましては,水戸駅を中心として,路線バスのネットワークが形成されております。通勤,通学,通院など,長年にわたり,市民の日常生活を支える社会基盤として,重要な役割を担っております。しかしながら,郊外部において,高齢者等が利用しにくいという状況もありますことから,デマンド型交通システムなどの新たな移動手段について,昨年6月,庁内に検討組織を設置し,検討を進めているところであります。
このような状況の改善をはじめ,公共交通施策を総合的に進める必要があることから,公共交通基本計画の策定について,水戸市第6次総合計画に位置づけ,平成27年度中の策定を目指してまいりたいと考えております。高齢者等の新たな移動支援策につきましても,基本計画策定の中で,実施に向けた検討を進めてまいります。
また,路線バス「下江戸線」につきましては,路線の存続に向け,平成22年度から,継続的に支援しているところであります。利用者数は伸び悩んでおりますが,引き続き,利用者のニーズに応じたダイヤの改正,地元住民に対する利用促進の啓発など,路線の維持・確保に向けた支援を行ってまいります。

4.千波湖周辺の環境整備について

次に水戸市のシンボル空間であり、市民の憩いの場所である千波湖周辺の環境整備を求め質問します。水戸を訪れる観光客にとっても、快適かどうかが市の印象を決めるといっても過言ではないと思います。そこで質問の第一は駐車場の利便性向上です。現在D51脇駐車場は土日など満車で枠外に駐車する方も多く、障害者の方が専用スペースを使えない場合もあります。
市は路上駐車防止のため、好文カフェわきに工事現場用の柵を40個も並べていますが、おもてなしの場においてあまり見栄えがいいとは思えません。写真皆さんご存知とは思いますが写真をとってきました。迷わず駐車場に入れればこういうものも必要ないわけです。
そこでD51脇駐車場東側のイベント広場への無料駐車場拡張を提案します。また、黄門像西側に観光協会が管理する千波湖西駐車場がありますが、普通車1台1回500円が高いという声をよく聞きます。
昨年の駐車実績は、普通車スペース159台に対し、年平均の利用は1日66台で回転率は0.4にとどまっています。
観光協会の収入分を市が補助するか、年間収入の半分を占める梅まつり時期を除き普通車は無料とする、あるいは200円か300円に値下げし利用者を2倍3倍に増やして収入アップにつなげるべきと考えますが見解を伺います。
第二に好文カフェ向い側児童広場及び湖南坂駐車場トイレは利用をためらうほど老朽化しており、すみやかな改築で1日でも早く快適なトイレにリニューアルすることを求めますが答弁願います。
第三に、照明灯の増設です。今の季節、夕方5時をすぎると真っ暗ですが、夜8時過ぎまでジョギングやウォーキングに訪れる市民が沢山います。そこで千波湖南側に照明灯を増設し、駐車場からジョギングロードへの横断者の安全確保のため、横断歩道に照明灯設置を求めるものです。

■千波湖周辺の環境整備について 石井都市計画部長■

田中議員の一般質問のうち,千波湖周辺の環境整備についてのご質問にお答えいたします。
まず,駐車場に関してですが,現在,無料の駐車場は,通常時で,8カ所,計542台分を確保しておりますが,なかでもD51駐車場など利便性の高い箇所では,特に土日祝日に混雑する状況が見られるところです。
一方,ご提案のふれあい広場は,自由に出入りできる無料駐車場とした場合,公園としての憩いの場,あるいはイベント等の開催の場を失うこと,広場内の芝生等を痛めること等が考えられ,常時,駐車場として利用することは難しいと考えられます。
また,千波湖西駐車場は,水戸観光協会が,有料駐車場として普通車1日1回500円の料金を徴収しておりますが,当駐車場は,偕楽園及び千波湖へ最も近くにあること,管理人による施設の管理,観光客の誘導案内等に一定の費用がかかっていることから,料金をいただいているところです。
しかしながら,公園利用者の利便性向上は必要なことと考えておりますので,今後,駐車状況の調査や駐車場増設の可能性を検討してまいります。
次に,トイレに関してですが,湖南坂トイレにつきましては,整備から30年近く経過し,老朽化も進んでおりますので,リニューアルの検討が必要と考えていますが,児童広場トイレにつきましては,設置年から考えて利用可能と考えておりますので,適切な管理を行うことによりご利用しやすいよう維持してまいります。
最後に,照明灯に関してですが,今年度内に,湖畔南側に5基設置し,併せて,D51駐車場入口や,偕楽橋下など公園の出入口にあたる箇所等にソーラー照明灯を6基設置できるようすでに取り組んでおり,これにより公園内の暗がりの解消を図ってまいります。

5.教育行政

(1)全国学力テストの成績公表は行わないこと

次に、小学6年生と中学3年生対象の学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストについて伺います。文科省は11月30日、実施要領を変更し、学校別の成績公表を来年度から認めると発表しました。
しかし7月に文科省が行ったアンケートでも公表反対の市町村教育委員会が79%もあり、全国の小学校長会長も「教育をゆがめかねない」と表明しています。私は平成20年12月議会で公表しないよう求め、鯨岡教育長は「測定できる学力は一部分であり一側面にすぎず、市全体も学校別も公表しない」と答えました。そもそも全国学力テストは子ども達のプラスになっているとは思えず、私は実施する必要がないと考えています。ましてや学校別の結果公表は過度の競争や序列化をあおりかねず、今後も公表しないことを求めます。

(2)教職員の長時間勤務の改善について

さいごに教職員の長時間勤務の改善を質問します。茨城県学校長会が今年6月、県内小中学校の職員に行った勤務実態調査が発表されました。県平均で小学校は1か月の残業時間が49.1時間で、昨年から約5.7時間、中学校は86.2時間で昨年から約2時間増えています。中学校で月70時間以上残業している先生が3割にのぼり、健康上も大きな問題ですが、市内小中学校の実態はどうか伺います。
昨年の全日本教職員組合の調査では、健康維持に必要な睡眠時間7時間30分に対し、先生の平日平均睡眠時間は6時間19分でした。
ひとりひとりの子ども達の成長のため、先生が子ども達と触れ合う時間を増やし、十分な授業準備の時間を確保し、心身ともに健康で過ごせる環境をつくることです。宮城県では「生徒も教職員も保護者も、毎週土日どちらかは部活動休養日でリフレッシュを」というポスターを県内全中学校に掲示しており、こうした取り組みも必要と考えます。
抜本的には先生の増員が欠かせないと思いますが、会議や報告提出の削減といった事務負担軽減など、長時間勤務改善の取組状況を伺い1回目の質問といたします。

■全国学力テスト、教職員の長時間勤務の改善について 中里教育次長■

田中議員の一般質問のうち,教育行政についてお答えいたします。
はじめに,全国学力・学習状況調査につきましては,児童生徒の学習習慣や生活習慣,学校の指導体制や指導方法が学力に大きく影響することから,教科に関する調査のみならず,児童生徒の生活に関する質問紙調査や学校に対する質問紙調査を行い,その調査結果を把握・分析することにより,教育指導の充実や学習状況の改善等を図ることができる重要な調査であると認識しております。
本市におきましては,教育委員会が調査結果をもとに具体的な改善策を冊子にまとめ全教職員に配付し,学校の日々の授業の改善に活用できるようにしております。
また,各学校におきましても,調査結果を十分検証し課題等を把握したうえで改善策を講じ,児童生徒の実態に応じた指導体制や指導方法の工夫改善,学習習慣や生活習慣の確立に努めております。
さらに,児童生徒一人一人に対しても,正答率のみならず改善点を示した個票を手渡すこととしております。
調査結果の公表につきましては,現在も,それぞれの学校ごとに保護者会等で学校の成果や改善点について公表しております。なお,学校名を明らかにした教育委員会による結果の公表を行うことは,保護者や地域住民に対して説明責任を果たす必要があることや,序列化や過度な競争も懸念されることから,今後,国からの正式な通知や,後日予定されている県教育委員会の説明や指導を受け,慎重に検討してまいります。
次に,教職員の長時間勤務の改善についてお答えいたします。
教員には,強い情熱や専門家としての確かな力量,総合的な人間力などが求められており,教員の果たすべき役割は非常に重要であると認識しております。このため,教員が一人一人の児童生徒と真摯に向き合う時間を確保することが重要でございます。
一方,本市における教職員の勤務実態につきましては,平成18年の文部科学省通知「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行について」に基づき,勤務時間以外に業務を行った時間が1月(ひとつき)当たり80時間を超えた教職員について,各小中学校を対象に,毎月調査を実施しております。
その結果,本年6月については,時間外に業務を行った時間が
80時間を超えた教職員が,小学校では教職員全体の約4.6%,中学校では約47.1%となっております。
本市においては,このような状況を改善し,子どもたちと向き合
う時間を増やすために,平成21年度からこれまでに,教育委員会の行う会議や研修,調査照会等の業務について,運営方法の見直しや回数削減等の改善策を講じて,業務の軽量化を図り,約2割の縮減を実現いたしました。
また,教職員のメンタルヘルスの充実は重要であると認識しており,各小中学校の教職員の勤務実態について,長時間勤務の適正な把握に努め,時間外に業務を行った時間が,2か月連続で80時間以上100時間未満,又は月100時間以上の教職員を対象に,学校長が面接を行うとともに,疲労の蓄積が認められる場合には,本人や学校長からの申出を受けて,産業医との面接を実施し,教職員の健康管理に努めております。
今後は,各小中学校で週1回程度実施している定時退勤日の定着や産業医の指導を踏まえた適切な対応を図るとともに,業務の軽量化をより一層進め,子どもたちと向き合う時間の確保に努めてまいります。