4.学習障害児等への支援の充実について
(1)通級指導教室の増設について
田中議員
次に、学習障害児などへの支援の充実を求めて質問します。
先月20日、学習障害など発達障害をもつ子の保護者でつくる「LD/ADHD・ASD親の会@みと」が、高橋市長および志田教育長あてに「特別支援教育の充実を求める要望書」を提出し、学習に困難のある児童・生徒への早急な対応を求めました。
LDとは、知的発達に遅れがなく、言葉も理解できるものの、文字の読み書きが難しい学習障害のことを指します。
周囲に気づかれにくいため、「勉強が苦手な子」とか「努力が足りない」などと誤解される場合も多く、適切な支援がないまま、不登校やうつ、不安症候群などになりやすいと言われています。
現在、水戸市ではLD・ADHDの児童生徒を支援する通級学級が、浜田小学校と第三中学校に設置されており、通級に通う児童生徒の保護者からは「個別の支援によって読み書きの苦手感が改善した」と、確かな効果を歓迎する声が寄せられています。
しかし、浜田小学校では、すでに15名が登録され、定員を超えています。第三中学校でも登録者が増えています。
専門家によれば、LDの発達障害をもつ子どもは、小中学生で約8%いるとされ、40 人学級なら3 人程度、市内全体では約1500人が該当する可能性があります。
これに対して、市の通級は1小学校、1中学校で始まったばかり、拡充はまったなしです。早急な増設が必要と考えますがいかがか、お答えください。
現在、他の学校から保護者が送迎する場合、仕事の都合や学校の行事で、必要な時間の支援を受けられないケースや、送迎の負担が重く通級自体を断念する方もいます。
文科省通知には「慣れた環境で安心して通級指導を受けられるように、自校通級や巡回指導を充実させること」とあります。
笠間市など、巡回指導を行っている自治体もあることから、水戸市でも具体化を求めるものです。
(2)小学1年生全員にスクリーニング検査の実施を
また、小学1年生の全員を対象に、読み書きに困難があるかどうかを判定する、スクリーニング検査を実施することです。
昨年度、浜田小学校の1年生全員に検査が実施され、早期支援につながりました。
読み書きが苦手な子は、漢字や英語がレベルアップする小学3年生と5年生、中学1年生の時に学習でつまづく可能性が高いと言われています。早い段階で気づくことができれば適切な支援が可能になります。
保護者が発見することは難しく、在籍する学校によって差がないように、小学1年生全員を対象にした検査の実施を求めるものです。
(3)ユニバーサルデザインフォントの使用推進について
そして、児童・生徒・保護者に配布する印刷物の文字の書体について、ユニバーサルデザインフォントの使用を推進することです。読み書き障害の子も含めて、多くの人に分かりやすく、読みやすいように工夫された書体です。
すぐにできる合理的配慮として、ぜひ実践して頂きたいと考えますがいかがかお答え下さい。
以上で第一回の質問を終わります。答弁によりましては再質問させて頂きます。
志田教育長
田中議員の代表質問のうち,学習障害児等への支援の充実についてお答えいたします。
国においては,新しい時代の特別支援教育の在り方について,多様な学びの場の一層の充実が必要であるとしており,一人一人の教育的ニーズに的確に応える指導を提供できる,多様で柔軟な仕組みを整備することは,大変重要であると認識しております。
そのため,本市では,特別支援学級だけではなく,言語障害,情緒障害,学習障害など,個人の特性に応じた対応をするため,通級指導教室を設置し,支援を行っております。
はじめに,通級指導教室の増設についてでございますが,全国において,学習障害の通級指導を受けている児童生徒は,令和5年度は約3万4,100人となり,令和4年度からの1年間で約4,000人増加しております。
本市においても,近年,学習障害の疑いのある児童生徒が増加してきたことから,LD/ADHD通級指導教室を,令和3年度に浜田小学校に,令和5年度は第三中学校に開設し,一人一人の実態に合わせて,発達性読み書き障害を含む学習障害(LD)や,不注意や落ち着きのなさ,衝動性などが見られる注意欠如・多動性障害 (ADHD)への支援をしているところでございます。現在,浜田小学校には14名,第三中学校には5名が通級しております。特に,浜田小学校においては,利用者が年々増えており,利用者のうち8名は他校から通級しております。
そのため,御質問の通級指導教室の増設につきましては,多様な学びの場を充実させる観点からも,保護者のニーズや,地域バランスを考慮した上で設置校を選定し,新設に向けて検討しているところであり,今後,県に,教員の加配や通級指導教室の新設を要望してまいります。
次に,小学1年生に対するスクリーニング検査の実施についてでございますが,スクリーニング検査とは,児童が20個の単語を一つずつ聴き取り,その単語を平仮名で紙に書く検査であり,学習障害の早期発見・早期支援に寄与するものでございます。そのため,来年度につきましては,現在,LD/ADHD通級指導教室が設置されている浜田小学校の1年生を対象にスクリーニング検査を実施し,学習障害の疑いのある児童を早期に発見し,適切な支援につなげるとともに,その成果を踏まえ,市内への段階的な拡充を検討してまいります。
また,学習障害児等の支援に直接当たる教員を対象に,令和4年度から実施している,早期発見や早期支援に向けた検査や具体的な支援方法についての研修を,引き続き行ってまいります。さらに,直接支援に当たらない教員につきましても,学習障害等に対する理解を深めるため,来年度につきましては,教員全般に向けて,新たに,学習障害児の知識や対応の仕方等について学ぶ研修を実施し,指導力の向上を図ってまいります。
次に,ユニバーサルデザインフォントの使用推進についてでございますが,ユニバーサルデザインフォントとは,誰にとっても見やすく読みやすいフォントとされています。そのため,ほとんどの教科書で使用されており,内容等に応じ,保護者や児童生徒向け文書にユニバーサルデザインフォントを使用している学校もございますことから,今後は,各学校に対し,児童生徒に配布するプリント等での使用についても,ユニバーサルデザインフォントの使用を推奨してまいります。
今後におきましても,学習障害児など,特別な支援を必要とする児童生徒の一人一人の特性に応じた学びが進められるよう,きめ細かな支援に努めてまいります。


