2025年6月議会 田中まさき議員の一般質問と答弁 

【田中まさき議員】

日本共産党水戸市議団の田中まさきです。通告に従い、一般質問を行います。

 1.不登校への支援について

はじめに、不登校支援の拡充をもとめて質問します。子どもの不登校はこの10年で3倍に急増し、全国の小中学校では約35万人。本市でも22年度815人、23年度776人ですが、あくまで年間30日以上休んだケースであり、短時間登校の子や、不登校気味の子を含めると、もっと多くの子が学校への行きづらさを感じていることと思います。

5月23日、日本共産党は、「不登校についての提言」を発表し、不登校で悩んでいる子どもと保護者が安心できる支援策を拡充することや、過度の競争と管理の教育ではなく、子どもたちが通いたくなるような学校をつくることを提案しました。

不登校当事者のニーズを聞いた全国調査によれば「学校に行きづらいと思い始めたきっかけ」の上位3つは「先生との関係」「授業が合わない」「学校のシステムの問題」です。

多くの子どもが「学校が嫌い」と答える現実があります。

そして、子どもの約4割、保護者の約7割が「学校が変わってほしい」と答えています。

変わるべきは学校のあり方、明日も行きたいと思える学校をどうつくるか、これが問われているのではないでしょうか。

まず、忙しすぎる学校を見直すことが必要です。

水戸市の小中学校の時間割をみてもかなり分刻みです。保護者からも「授業の間の休み時間は5分だけ、給食もゆっくり食べられない。トイレの時間も足りない」という声が寄せられています。小学4年生で毎日6時間、2年生でも6時間の日があります。

これは、国が学習指導要領を見直すたびに授業時数を増やしてきたことが原因ですが、学校は子どもにとって、学びとともに、遊びと生活の場でもあり、一人一人に向き合う時間をつくるためにも、授業時間をへらし現場の創意工夫を認めることが必要です。

また、茨城県は35人学級といいつつ、実際は通常級に在籍する児童だけがカウントされるため、支援級在籍の子を含めると40人近い授業も少なくありません。

ぎゅうぎゅう詰めの教室で目を行き届かせるのは難しく、30人学級の速やかな実現や、多忙化解消へ教員の定数を増やすこと、スクールカウンセラーの全校配置も必要です。

(ア)心のケアを支援の基本とすることについて

日本共産党の提言で強調しているのは、不登校は子どものせいではないこと、不登校を怠けや弱さと捉えたり、親の甘やかしのせいだというのは誤りだ、ということです。

子どもは、学校や社会の中で違和感を抱え、傷つき、がまんにがまんを重ねたすえに登校できなくなります。これは命の問題であり、特に不登校初期は心のケアが大切です。

いまの支援策は、どちらかというと学習支援に重きがおかれがちではないでしょうか。勿論それも必要なことですが、まずは、子どもの心の傷への理解と休息、回復を支援の基本とすることが大切と考えます。そこで、どれくらいの子がそうした心のケアを受けることができているのでしょうか。市の取り組み状況を伺います。

(イ)親の安心をふやす手厚い支援について

親の安心をふやす手厚い支援も重要です。

私のもとにも、不登校の子をもつ保護者から切実な声が寄せられています。

ある方は「親子登校をしたり、フリースクールやうめの香広場も利用していますが、すべて同行・送迎が必要なので、仕事を続けるのが大変です。フリースクールが終わる時間に仕事が終わらず、お迎えに行って職場で子どもを待たせていることもあります」という声や、「毎日昼食の準備をして、その費用も月1万円以上。フリースクールでの勉強は1時間1500円、毎月1万円以上の負担が大変です。修学旅行は85000円かかります。行くか行かないか何度も親子で自問自答し疲れてしまいました。行かないとキャンセル料がかかるのです」という声もありました。

子どもを一人にできないために、短時間勤務へ切り替えたり、休職したり、不登校離職となる場合さえあります。

収入が減る一方で、食事や外出、学びなどの支出が増え、経済的困難に直面することになります。

そこで市が、給食無償化にあわせて、不登校の子に昼食代補助を行うこと、民間フリースクールの通学に対する市独自の補助を実施するよう求めますがいかがでしょうか。

(ウ)居場所や学びの場の条件整備について

さらに、居場所や学びの場の条件整備として、学校給食共同調理場の活用を提案します。

八王子市では「学校に行けなくても給食センターなら行ける、給食を食べてみたいという子どもがいるのでは」という考えで、給食センターの開放をスタートしました。

招待状を不登校の子に渡して、気が向いたときに来れるように、事前申し込みがいらない当日受付、無料で利用できます。教員経験者が一緒に食べながらコミュニケーションをとり、1日20人近く来る日もあります。

子ども達は楽しく給食を食べて帰る、学校に行ってみようかという子も出てきています。家から出るだけでも大きな一歩です。毎日の昼ごはんに頭を悩ませている保護者も助かります。多額の予算も必要ありません。一石三鳥のとりくみ、ぜひ水戸市でも実施してはどうでしょうか。

また、校内フリースクールが全中学校に続き、6つの小学校で始まりましたが、学校間で差があるとの指摘です。

ある学校では「教科書による学習が基本で、つい立てで仕切られた教室での自習が中心。これでは子どもがリラックスできないので利用はやめた」という声も寄せられています。ソファーや寝転がれるスペースの確保、カードゲームやボードゲームなど、勉強中心ではなく、ゆったり過ごせる空間が大事です。必要な物品の配置について、現場の要望も聞いて市が充実すること、学習障害や発達障害の子への支援もできる職員配置など、運営の改善が必要と考えますが、見解を伺います。

 

【答弁(教育部長)】

田中議員の一般質問のうち,不登校への支援についてお答えいたします。本市の不登校児童生徒は,国・県と同様に,増加傾向にあり,学校に登校できない子どもたちの自立支援については,継続的に取り組むべき重要な課題であると認識しております。

(ア)心のケアを支援の基本とすることについて

はじめに,不登校への支援において,心のケアを支援の基本とすることについてでございますが,不登校の原因は,人間関係に起因する悩みや心の不安,家庭環境,集団での学習や生活に不安を感じるなど多岐にわたっております。

そのため,本市では学習支援と心のケアの両面から支援を行っており,心の休息が必要な状況においては,心のケアを最優先に対応するなど,一人一人の状況に応じた支援を行っております。

人間関係に起因する悩みや心の不安については,子どもたちの心のケアやストレスへの対処法等を行う心理の専門家であるスクールカウンセラーと連携を図りながら,一人一人に寄り添った支援を行っております。

家庭環境に起因すると考えられる場合については,教育・福祉両面の知識を有するスクールソーシャルワーカーが家庭訪問や登校支援を行っております。

昨年度からは,県からの派遣に加えて,新たに本市独自にスクールカウンセラーを1名配置するとともに,スクールソーシャルワーカーを1名増員し,支援・相談体制の充実を図ったところでございます。

さらに,総合教育研究所内の教育支援センターでは来所相談や電話相談,家庭訪問相談に加え,年4回専門医による相談を行い,心のケアに努めているところでございます。

(イ)親の安心をふやす手厚い支援について

次に,親の安心を増やす手厚い支援についてでございますが,民間フリースクールは,不登校児童生徒に対し,学習活動,教育相談,体験活動などを行っている民間施設であり,本市においても,不登校児童生徒が社会的自立に向けた支援を受けている現状がござい

ます。現在,茨城県の制度として,民間フリースクールに対する運営費及び経済的な事情のある世帯に対する利用者への授業料の補助を行う「フリースクール連携推進事業」が実施されており,国においては,公共交通機関の通学定期乗車券制度について,民間フリースクール等についても適用することとしております。

本市といたしましても,授業料の補助制度が掲載された不登校支援に関するチラシによる周知や,利用者に対しても個別に周知を行うとともに,通学定期乗車券制度の適用に係る通知を各学校へ周知したところでございます。

今後につきましても,県の補助制度の活用状況を注視するとともに,昼食代や通学費補助における先進都市の事例等を調査しながら,補助制度の在り方について,引き続き研究してまいります。

(ウ)居場所や学びの場の条件整備について

次に,居場所や学びの場の条件整備についてでございますが,議員御提案の給食調理場を使った支援につきましては,給食を食べる機会を提供するとともに,調理場に来所することで,家庭から一歩踏み出し,社会とつながるきっかけづくりとなることが期待されますが,送迎や食物アレルギー等の対応への課題もあることから,本市の実情を踏まえ,調査研究してまいります。

次に,校内フリースクールの充実についてでございますが,校内フリースクールでは,学習や交流するスペースを設置するなど安心して自分のペースで学ぶことができる環境を整備しております。昨年度から全ての中学校で開設し,今年度は小学校6校において4月から順次開設しております。小学校では,発達段階に応じた支援が必要であることから,学習支援とあわせてコミュニケーション活動や協働による集団活動など,児童の興味関心のある活動に取り組めるよう,ソファーや床マットを設置するなど,心が落ち着き,くつろげる空間づくりにも努めております。今後におきましても,多様な学びの場の充実を図りながら,子どもたちの社会的自立を目指し,子どもたちに寄り添った支援に努めてまいります。

 

<田中議員の再質問>

不登校支援のフリースクール利用者への市独自補助について

それぞれ答弁を頂きましたが再質問します。

不登校支援のフリースクール利用者への市独自補助は、国の通学定期券制度の周知との答弁でしたが、東京のように駅移動がメインではない水戸市で利用する人は少ないと思います。

また「県の補助制度の活用状況を注視する」とありましたが、県の対象は「非課税世帯、要保護・準要保護世帯限定で、今年度の利用者は全県で21名のみ、県の不登校の子8000人のわずか0.2%、水戸市で一人二人いるかいないかです。

一方、つくば市は、市独自に月2万円補助しています。対象者に所得制限はなく、年120名程度に補助し、年間予算は約2400万円です。県の制度との併給も可能です。

さらに、フリースクールを運営する事業者に対する補助も、年3000万円の予算が組まれています。

残念ながら、不登校の子が多い水戸市には、どちらもありません。

保護者負担を少しでも軽減し、多様な学びを保障するため、ぜひ市独自補助をはじめて頂きたいと思い要望して、質問を終わります。