Contents
<田中議員>
4.原子力行政
(1)東海第二原発の現況と再稼働反対について
次に東海第2原発の問題についてです。3年余りで12回もの火災を頻発させてきた日本原電が、今年2月の中央制御室における火災について、最終報告書を8月8日に発表しました。153ページに及ぶ長文ですが、一通り目を通してみて、率直に言って長いだけで、内容に乏しく、とても再発防止策とは呼べないと思いました。
今回の火災は、原子炉格納容器が異常をきたして、外部への放射能漏れの危険が迫った場合に、放射性物質を格納容器に閉じ込めるためケーブルを遮断する試験中に起きた火災です。
つまり、原発事故が起きた際に、放射性物質の拡散を防ぐ作業での火災事故であり、その意味するところは重大です。事故が起きたときに放射能を閉じ込めることができないということです。
直接的な原因は、本来0.5アンペアのヒューズを20倍の10アンペアに交換し、通電を長くした結果、発熱して炎上したというのですが、ではなぜ20倍の大容量ヒューズに交換したのか、その理由さえ報告書には書かれておりません。
原子力に直接携わってきた科学者・技術者からは「ヒューズを大きなものに取り換える、常識的な電気工学的意味を知らない。原電の技術の劣化が深刻だ。基本的技術がなければ何が安全で、何が危険かも判断できない。原子炉にトラブルが発生した本当に必要な場面での動作が保証されていない」「再稼働を任せられる技術レベルにはない」と厳しく批判されています。
この点、原電の報告書でも「震災後14年にわたり、運転と定期検査のサイクルを経験していない。経験や技術伝承によって培われる現場力が震災前よりも低下していた。実運転経験を持たない所員が5割近くいる」と、管理能力のなさをみずから認めています。実は、原電の所長は東海村議会で、5割どころか7~8割の所員に実運転経験がないと明かしています。
防潮堤の重大な施工不良、労災事故も頻発し、先日は子会社「原電エンジニアリング」の50代社員が、過労死自殺を遂げ、遺族が約1億4000万円の損害賠償を求めて、水戸地裁に提訴する、という報道もありました。ここにも、人の命を軽んずる企業体質が表れています。
もはや、原電に危険な原発を動かす資格も能力もないことは火を見るより明らかではないでしょうか。東海第二の運転差し止めを求める控訴審では、広域避難計画の問題点が次々と立証されています。
複合災害や大量の車両移動を考慮せず、自力避難できない要支援者がとり残されること、長期に及ぶスクリーニング検査で被ばくを強いられ、避難所も全く足りない。命を守る避難は不可能です。
東海村長選挙があり、現職が再選されましたが、これらの山積する問題を棚上げし、住民意向も聞かずに再稼働容認など到底許されません。それどころか逆に、再稼働してはならないと判断できる材料は十分すぎるほど揃っています。市長が再稼働反対、廃炉の表明をただちに行うことを、強く求めるものです。
<答弁者:高橋市長 原子力行政について>
次に,原子力行政についての御質問にお答えいたします。日本原電においては,今年2月の東海第二発電所における「中央制御室の火災」など,発電所内での度重なる火災を受けて,8月8日に「火災の再発防止対策及び安全管理の徹底についての最終報告書」を公表いたしました。
本市に対しましては,最終報告書の公表に合わせ,日本原電から,重要事項として,経営層による安全最優先の行動原則の浸透活動,リスクマネジメントガイドラインの改正,技術伝承の取組など25の対策により,火災の再発を防止するための「安全な組織管理体制の再構築とその体制を支える仕組みの構築」を行うことなどについての説明がありました。
私は,かねてより日本原電に対し,「再発防止に取り組むこと」はもとより,「組織の安全や危機管理に対する意識に問題があることをしっかりと認識し,意識改革に徹底して取り組むこと」を求めてきたところであります。
本市では,最終報告書にあるように,技術的な安全対策はもとより,安全に対する意識改革についても,更に対策を図っていくとの説明を受けたところでありますが,日本原電に対して,「最終報告書を取りまとめることをゴールとせず,火災を繰り返すことがないように取りまとめた安全管理を徹底」するよう,要請いたしました。
再稼働をする,しないにかかわらず,原子力施設について万全の安全を確保することは,事業者が最優先に取り組むべき事項であり,最低限の責務であります。
本市といたしましては,引き続き,日本原電に対し,地域住民に不安を抱かせることがないよう,適正な施設管理を行うことを強く要請してまいります。あわせて,茨城県や近隣自治体との連携のもと定期的に実施している立ち入り調査等を通して,最終報告書に取りまとめられた施設の安全管理体制や事故の再発防止に向けた取組状況等について,厳しく監視してまいります。
東海第二発電所の再稼働につきましては,施設の万全の安全対策が完了していることはもちろんのこと,実効性のある広域避難計画が策定できない限りはあり得ないものと考えております。
私は,市民の皆様の安全で安心できる暮らしを守っていくという使命がありますので,引き続き議会の御意見を踏まえるとともに,水戸市原子力防災対策会議における専門的な御意見や多くの市民の声を十分考慮しながら,最終的な判断を下してまいります。
<田中議員の再質問 原子力行政について>
それぞれ、答弁頂きましたが、原発と修学旅行について再質問します。
東海村長選の第一声が全文NHKで公開されています。現職の山田氏は「東海第二発電所の問題につきましては再稼働は必要である」と述べたうえで「今日も水戸市長さんいらっしゃっていますけど、この問題については周辺5市と連携協議も続け」ると表明しました。
市長はこの訴えをどうお聞きになったのか。
そして、どういうスタンスで協議に参加する考えでしょうか。
市長は、安全対策工事や避難計画ができない限り、再稼働の議論はありえない、と繰り返していますが、その「ありえない」段階で再稼働容認を表明したのが東海村長であり、水戸市も入る原子力所在地域首長懇談会の座長です。
原電の実態や、工事や避難計画がどうであろうとも、再稼働は認めるとなりかねず、これでは公平な立場の座長とはいえません住民の安全より原発企業の利益を上に置く態度であって、いくらなんでもひどいと、困りますと、少なくとも言うべきではないでしょうか。
そして、再稼働ノーの意思を示していただきたいと思いますが、再度の答弁を求めます。
<高橋市長の再答弁>
座長の発言はどうであろうと私のスタンスは変わっておりません。
これからも安全対策工事、広域避難計画、そして市民の意向、そういったものを背景として、所在地域首長懇談会での議論に参加していきたいと思っております。
<6自治体で構成する「原子力所在地域首長懇談会」の取組>(水戸市HPより)
【組織概要】
東海第二発電所から一定の距離に位置する自治体を「所在地域」と捉え、安全対策に関する「所在地域の権限の強化」に取り組むなど、「所在地域が一体となって原子力安全対策を強化し、地域住民の安全を守ること」を目的としています。(平成24年2月設立)
【主な活動方針】
事前了解権をはじめとする安全対策に関する権限の強化
実効性のある広域避難計画の策定に向けた自治体間協議、避難体制の強化
その他、地域住民の安全確保に資する各種原子力防災対策の強化
【構成自治体】
東海村(座長)、日立市、ひたちなか市、常陸太田市、那珂市、水戸市(計 6市村)


