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2025年12月議会 田中まさき議員 一般質問 2025.12.9

今議会から導入された「一問一答方式」で質問しました。

1.高齢者が安心して暮らすための環境づくり

(1)エンディングサポート推進、終活相談専用窓口設置について

日本共産党水戸市議団の田中まさきです。通告に従い、一般質問致します。今回は、高齢者が安心して暮らすための環境づくりとして、終活支援や居住の確保、墓地の整備について、また、介護事業所の経営危機や人材確保への支援について質問します。今議会から導入された一問一答方式により質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。

はじめに、エンディングサポート、いわゆる終活支援の推進についてです。誰にとっても自分がどういう終末をむかえるかは大きな関心事であり、特に一人暮らしの方は、心配している方が多いと思います。

亡くなった後の住まいや財産、葬儀やお墓をどうするのか、緊急連絡先や遺言書の保管場所など、生前にこうした様々なことを自らの意思で決めておくことが大切ですが、「まだ元気だから」と先送りしている方が多いのが現状と考えます。

しかし、急な病気の悪化や、不慮の事故などで意思表示が困難になる場合もあります。

そうなると家族や親族は、本人の終末期の医療に対する希望や、臓器提供の意思表示を確認する術がないまま、後々「これでよかったのか」との思いにかられる場合も少なくありません。

今でこそ終活や生前葬という言葉も一般的になってきましたが、終活の設計図とも言われる「エンディングノート」の作成にまでは至らない方も多いのではないでしょうか。

ことし2025年は、団塊の世代(約800万人)すべてが75歳以上となった年であり、市内の一人暮らし高齢者も5年前の約1万5000人から更に増加を続けています。

また、団塊ジュニアが65歳以上となる2040年まで、今後15年間は高齢者人口が増え続ける見込みです。

終活支援については、水戸市議会でも多くの議員が質問提案されてきた課題ですが、私も最近、一人ぐらし高齢者が亡くなった後の家の片づけや、エンディングノート作成を手伝う経験がありました。この経験を通じて、終活支援はそれぞれの人が望む形で終末を迎えるための準備であると同時に、行政にとっても孤独死や無縁遺体、管理不全空き家の増加などを防ぐ手立てとして、本腰をいれて取り組むべき課題と実感したところです。

そこで、市の第9期高齢者福祉計画では、エンディングノートの普及や、終活情報を事前に市に登録する制度の創設などが掲げられていますが、これらの進捗状況や取組方針をお伺いいたします。

また、高齢化の一層の進展にむけて、終活支援を本格的に推進するためにも、終活相談の専用窓口を設置する必要があると考えますがいかがでしょうか。終活支援の先進自治体として有名な横須賀市では、「ほっとかん」という福祉の総合相談窓口の中に「終活支援センター」があります。また、大和市では、終活相談窓口に「終活コンシェルジュ」が配置され、各種制度の案内や、葬祭事業者や法律の専門家を紹介しています。

水戸市でも、エンディングノートの普及や、多岐にわたる相談の入口として「ここが終活支援の窓口である」とわかるような対応、窓口設置が必要と考えます。答弁を求めます。以下、一問一答を質問席で行います。

<答弁 小林福祉部長> 

ただいまのエンディングサポートの推進についての御質問にお答えいたします。

本市における終活支援の取組状況といたしましては,終末期における意思決定支援のためのツールとして,エンディングノートを平成30 年度から発行しており,今年度につきましても6,000部を発行し,市民センター等において配付しているところでございます。配付場所や内容につきましては,市のホームページやSNS等を活用し,市民へ周知を図っているところでございます。

また,市内8か所の高齢者支援センターにおいても,高齢者本人が希望する医療やケアについて考え,その考えを信頼する人たちと共有する取組である「人生会議」や,エンディングノートを活用した講座等を開催し,令和6年度は延約400名の市民が参加するなど,エンディングノートの普及に努めているところでございます。

終活情報の事前登録制度につきましては,今月中の運用開始に向け,広報みと12月号において周知したところであり,本制度における申請につきましては,高齢福祉課において受付することで準備を進めているところです。

今後,市民への丁寧な説明や周知に努め,制度の活用を図ってまいります。

なお,現在,高齢福祉課はもとより,高齢者支援センターが各地区における包括的な相談窓口として様々な関係機関と連携して,終活相談にも対応していることから,新たに終活相談の専用窓口を設置する予定はございません。

引き続き,高齢者が安心して終末期を迎えられるよう,相談窓口の機能を強化するとともに,エンディングノートを活用した講座の充実化を図るなど, 終活支援体制の強化に努めてまいります。

<田中議員>

2.住宅行政について

(1)  単身高齢者の居住の安定確保について

「終活情報登録制度をまもなく開始する」との答弁でした。多くの方の登録が進むよう、制度開始のPRを求めるとともに、再度、終活相談専用窓口の設置を検討するよう求めます。

次に、単身高齢者の居住の安定確保についてです。民間住宅の大家が、ひとり暮らしの高齢者に賃貸住宅を提供しない一番の要因として、入居者が亡くなった後の家財の処分やクリーニングの費用負担があるといわれております。

こうした事態を防ぐことが、改正住宅セーフティネット法に明記されました。これをうけて国は、賃貸住宅において賃借人が死亡後に、契約関係と、残された家財を円滑に処理できるようにする「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を策定し、その普及を推奨しています。

水戸市では、高齢者に貸し出さない事例が首都圏の大都市ほど顕在化していないとはいえ、実際は、身寄りのない方が亡くなった後の家財処分など、大家が大きな負担をしている例があります。今後も、単身高齢者が増加することで、そうした例が増えることが考えられます。

このモデル契約条項では、賃借人にかわって契約を結ぶ相手として、相続人や居住支援法人、管理会社などが想定されています。国・県のホームページには、水戸市内にも複数の居住支援法人があることが紹介されていますが、まだほとんど知られていないのが実情です。

いま、インターネットで「遺品整理」を検索すると、家のサイズ別に「数万円から数十万円の費用で請け負います」といった宣伝にあふれています。しかし、経済的に余裕のない方が契約するのは難しく、居住支援法人を介した契約は打開策のひとつです。

今後は、受任する居住支援法人への補助や、住宅困難者に部屋を貸す大家への支援も必要と考えますが、まずは、今回のモデル契約条項の普及や居住支援法人との連携について、水戸市はどのように取り組む方針か、見解をお伺いいたします。

<答弁 太田都市計画部長> 

ただいまのご質問にお答えいたします。住宅確保要配慮者居住支援法人につきましては,民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため,単身高齢者などの住宅確保要配慮者に対し,家賃を滞納した際に一時的に立て替え払いをする家賃債務保証の提供や,賃貸住宅への入居に係る住宅情報の提供・相談,見守りなど,生活支援等を実施する法人でございます。現時点で,茨城県指定の居住支援法人は13法人であり,その内,水戸市を支援業務の対象区域とする法人は8法人となっております。

御質問の「残置物の処理等に関するモデル契約条項」についてでございますが,民間賃貸住宅に入居する単身高齢者等につきましては,相続人が明確でない場合,単身高齢者等が死亡した際の賃貸借契約の解除や居室内の残置物の処理については,賃貸人である大家が負担する可能性があり,大家が単身高齢者等の入居を拒否することも見受けられております。

単身高齢者等の居住の安定を確保するためには,単身高齢者等に対する民間賃貸住宅の大家の不安感を払拭する必要があるため,令和3年度に国土交通省及び法務省において,「残置物の処理等に関するモデル契約条項」が策定されたところであります。当該契約条項につきましては,入居者と推定相続人等との間で締結する賃貸借契約の解除及び残置物の処理を内容とする,死後事務委任契約等のモデルを示したものでございます。

また,今般,施行された改正セーフティネット法では,「入居者からの委託に基づく残置物の処理等」が,居住支援法人の業務として追加されたことからも,単身高齢者等の居住の安定確保を図る上で,居住支援法人の果たす役割は,ますます重要なものとなっております。

このため,本市といたしましては,居住支援法人や社会福祉協議会,不動産関係団体との連携を深め,単身高齢者等の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため,居住支援に関する協議会の設立に向けた準備を進めております。その中で,「残置物の処理等に関するモデル契約条項」の周知についても取り組んでまいりたいと考えております。

今後とも,居住支援団体や不動産関係団体との連携により,入居者死亡時の賃貸借契約の解除や残置物処理の円滑化等を図ることで,大家の不安感を払拭し,単身高齢者等の居住の安定を確保してまいりたいと考えております。

<田中議員>

3.生活環境行政について~浜見台霊園の現状について

ア.合葬式墓地の今後の拡張について

次に水戸市の墓地、浜見台霊園の現状について質問します。市が行った市民アンケート調査でも、墓地をひきつぐ承継者がいない人や、将来の墓地管理に不安を抱く市民が多くいます。

市営墓地で無縁化する墓地の増加を防止するとともに、墓じまいをする人や、新たに墓を作る場合も合葬式や樹木葬を希望する人が増えており、こうした墓地需要にも対応する必要があります。

市は、2023年度までの墓地整備基本計画により、従来型の区画墓地や合葬式墓地の整備を進めてきました。そのうち、2022年に完成した約3500体分の合葬式墓地には、毎年、募集を大きく上回る申請があるとのことで、あと数年でいっぱいになってしまうのではないでしょうか。

今後も一人暮らし高齢者の増加や、墓じまいによる改葬など、合葬式墓地の需要が引き続き増えると考えられます。

第7次総合計画では、「多様化する墓地ニーズをふまえた墓地の整備検討」とありますが、速やかな合葬式の増設が必要ではないでしょうか、従来の区画墓地の状況とあわせて、市の見解を伺います。

<答弁 篠原生活環境部長> 

ただいまのご質問ついてお答えいたします。

浜見台霊園については,昭和47年に開設し,区画墓地を7,535区画,また,多様化する墓地需要に対応した新たな形態の墓地として,令和4年度に複数のご遺骨を合同で収蔵する合葬式墓地を整備し,市民の墓地需要に応えているところです。

区画墓地につきましては,毎年新規区画の募集を行うとともに,使用希望待機者に対して順次案内を行ってきた結果,現在使用希望待機者数はゼロとなっております。

令和4年度に募集を開始した,合葬式墓地につきましては,毎年募集予定数を超える申し込みをいただいていることから,3,500体まで収蔵可能となるよう見直しを図ったところです。令和6年度までに2,311体の申し込みとなっており,今月からは令和7年度分として,500体程度の使用者募集を行っているところです。

合葬式墓地につきましては,近年の核家族化の進行による承継者不在や将来の墓地管理に不安のある方の利用申し込みが続くと見込まれることから,今後,整備方針等の検討を進め,使用希望者に継続的かつ安定的に供給できるよう努めてまいります。

<田中議員>

イ.墓地埋葬法第9条について

やはり、合葬式墓地の需要が高まっているとの答弁でしたので、今後も募集が継続できるよう速やかな整備を求めたいと思います。

もう一点は、墓地埋葬法第9条についての質問ですが、これは、引き取り手のない遺体の埋葬や火葬を、市町村長が行うことを規定したものです。全国的に身元は判明しているものの、親族などのひきとり手がない遺体、いわゆる「無縁遺体」が増えております。

今年3月、厚生労働省が発表した調査結果によると、2023年度に全国の自治体が扱った「無縁遺体」は、推計で約4万2000人に上り、年間の死亡者全体の2・7%に相当するとのことでした。

そこで、水戸市では年間どれくらいの件数があり、その増減はどうなっているのか。収蔵場所の拡張は必要ないのか、市の霊園の状況を伺います。

<答弁 篠原生活環境部長>

ただ今のご質問ついてお答えいたします。墓地埋葬法第9条においては,ご遺体の埋葬や火葬を行う者がいないとき又は判明しないときは,死亡地の市町村長が火葬及び埋葬を行わなければならないとされております。

令和6年度の件数は32件となっており,5年前と比較すると約2.7倍に増加し,本年度も11月末時点で既に30件を超える状況となっております。

火葬後のご遺骨の収蔵場所につきましては,浜見台霊園にございます,本市管理の収蔵室に保管しております。

引き取り手のないご遺体については,少子高齢化の進行,核家族化や単身高齢者等,社会環境の変化に伴い,今後も取扱件数は増加していくことが予測されることから,関係部署及び医療機関等と緊密に連携を図るとともに,引き取り手の親族調査を強化するなどの取組に努めてまいります。

<田中議員>

(2)介護事業所への支援について

その人の希望どおりに、人生の終わりに向けた準備が整えられるよう、終活支援や墓地整備の充実に取り組んでいただきたいと思います。また、浜見台霊園のトイレの老朽化が深刻であり速やかな改修を強く要望いたします。

最後に、介護事業所の物価高騰対策や処遇改善への支援について質問します。

先日、市内の介護事業所や医療機関で働く方々の声を聞く機会がありました。

物価高騰にもかかわらず、診療報酬や介護報酬の改悪で経営危機が進行していることや、十分な賃上げができず依然として人手不足が深刻である、という切実な訴えを聞きました。

また先月、ハローワーク水戸が1月13日から水戸駅北口マイムビルに移転することに伴い、直接伺って、利便性確保を要望しつつ、求人状況を伺ってきました。やはり介護・医療分野の人材確保が困難を極めており、ハローワークとしても重点的に説明会や見学会を開いているとのことでした。

そこで、そもそも水戸市内で介護職員は何人不足しているのか。茨城県について厚労省が推計したものをパネルにしてきました。

青色のグラフが実際の介護職員数、赤のグラフが不足している数です。2022年度(令和4年度)は約4万5千人が必要ですが実績は4万3500人で2千人不足。来年度、2026年度(令和8年度)は4千人不足、このままいけば15年後(2040年度・令和22年度)は約1万2千人も不足します。

この推計に、市町村の内訳はありませんが、水戸市内の介護施設は県内の1割ですので、不足数も1割とすると、来年度400人、15年後は1200人足りないことになります。

まさに介護基盤崩壊の瀬戸際という状況で、支援がゆき届いていないことが大きな問題です。

国が10分の10を補助する福祉施設への物価高騰対策支援、介護施設職員の処遇改善にむけた賃上げ支援の2つの制度は、茨城県で13億円もの使い残しがあり、介護事業所の申請が6割にとどまっていることが明らかになりました。

これは、茨城県議会の決算委員会で、日本共産党の江尻かな県議の質問に対して、県当局が明らかにしたものです。このことについて、ひたちなか市は市内23の訪問介護事業所にアンケート調査しており、「処遇改善加算の支給要件である研修が受けられない」とか「手続きが困難」という回答です。

水戸市内の事業所の状況はどうなっているのでしょうか。申請の余裕もないほどに、現場の人手不足が深刻であり、本当に経営が大変な事業所に支援が届いていないことが懸念されます。

やはり、水戸市としても補助金申請の簡略化を国に求めるとともに、未申請の事業所への働きかけや、申請支援を行うことも必要と考えますがいかがでしょうか。

また、市町村独自の支援として、新潟県・村上市では訪問介護の報酬引き下げによる減収分を市独自に支援金として補助しており、水戸市も実行してはどうか答弁を求めます。

(傍聴席8階モニターに映る田中議員)

<答弁 福祉部長> 

ただいまの「介護事業所への支援について」の御質問にお答えいたします。

はじめに「市内の介護事業所の経営状況について」の御質問につきましては,昨今の物価高騰等により,高齢者福祉・介護事業所等の経営において大きな影響が及んでいるものと捉えております。

また,令和6年度以降,サービスを廃止した市内の介護事業所(41か所)のうち経営困難等を理由としたものは約半数となっており,廃止にまでには至らずとも,厳しい経営状況にある事業所等が一定数存在しているものと考えております。

次に,県が実施した「令和6年度医療機関・福祉施設等物価高騰対策支援金」についての御質問につきましては,県から周知について依頼を受けた時点で市内の各介護事業所に対し,申請漏れがないようにメールにより情報提供を行っております。

今後も,こうした情報の発信については,速やかに行ってまいります。 また,市独自の支援につきましては,現在のところ実施する予定はありませんが,引き続き,国・県に対し,介護職員の処遇改善に向けた財政支援を要望するとともに,現在,国において検討が進められている支援策など,活用できる事業や制度などについては,速やかに周知できるよう国・県の動向に注視してまいります。

<田中議員 再質問 介護事業所支援について> 

市独自支援は考えていないとの答弁でしたが、それでよいのでしょうか。

水戸市の第9期計画を検証する11月25日の「高齢福祉専門部会」でも、施設の代表から「『介護人材確保のための就労支援』の市の評価はAだが、まだまだ不十分で職員の給料に反映していない」との意見が出されたとのことです。利用者も働く人も安心できる介護とするために、市独自の減収補填などの支援策を、再度求めますがいかがか、お答えください。