日本共産党水戸市議団は1月19日、高橋市長あてに2023年度予算要望を提出します。その中の「動物愛護」に関する項目を紹介します。(写真は今の我が家のワンコ:ボーダーコリーのレイです)

2014年ですからもう8年前になりますが、私も市議会で「動物愛護」について一般質問しました。その時のやりとりを紹介します。

寒い年末に、当時小学生の息子と散歩中に年老いた迷い犬を発見。保護した経験から質問したものです。当時はまだ殺処分が多く行われていたのですが、たまたま年末でセンターが休み。困った私は電柱に張り紙をして飼い主と連絡が取れて、無地飼い主の元へ返すことができたのでした。

その後、水戸市が中核市となり、河和田町に「動物愛護センター」ができました。その運営について改善を求めています。私も犬を飼っていますが、今後も動物愛護の推進を求めてまいります。

2023年の予算要望‥動物愛護センターの運営について

  • センターの飼育環境、医療を充実し、市民が命の大切さを学ぶ拠点とするため、獣医師および飼育担当員の拡充、市民ボランティアとの連携を図ること。
  • 畜犬登録を徹底するともに、迷子札の装着を周知徹底し、飼い主不明の迷い犬をなくすこと。
  • 譲渡事業の推進、逸走情報の改善等、市民への周知、啓発を高め、殺処分ゼロを実現・継続すること。
  • 負傷動物の治療・手術等をセンターで行うために、レントゲンやエコー検査機器など必要な資材を導入し、獣医師の技術を高めること。
  • 飼い主のいない犬猫の不妊去勢手術をセンターで行い、野良犬・野良猫の繁殖を防ぐこと。
  • 係留義務違反、虐待事案に対しては速やかに対応し厳しく対処すること

2014年(平成26年9月)9月定例水戸市議会

一般質問「動物愛護の推進について」  田中まさき議員

2014年動物愛護について 一般質問:田中議員.docx

【田中まさき議員】

次に,動物愛護の推進について質問します。

9月1日号の「広報みと」で,「捨てられていく命 でも,救える命-。」と題する動物愛護についての特集が組まれました。大変心に響く内容であり,恐らく多くの市民が読んだことと思います。

私も犬を飼っており,朝晩散歩をしている一人として,また昨年末に迷い犬を保護した経験もあり,何度も読み返したところであります。

昨年12月28日,痩せて衰弱した犬が道端で寒さに震えているのを見つけ,見るに見かねて自宅に連れてきたものの,御用納めで市役所も県の動物指導センターも年明けまで休みでした。

そこで近所の方や犬の散歩をしている方に,心当たりがないか聞いて歩きました。

インターネットのツイッターでも発信しますと,多くの動物ボランティアの方が拡散してくれ,その熱心さに驚いたのであります。

近隣の動物病院に写真を持っていき問い合わせてくれた人もいましたが,なかなか飼い主が見つかりませんでした。このままでは,いずれ殺処分となることも想定しつつ,何とかそれは避けたいと,最後は犬の写真と特徴を書いたポスターを自分でつくり,発見場所の半径300メートルの地域で15カ所に掲示したところ,それを見た飼い主から連絡があったのであります。

お聞きしますと,長年家族同様に連れ添ってきた15歳の老犬で,死んでしまったとあきらめかけていたとのことであり,大晦日に無事引き渡すことができ,涙の再会となりました。

私は,この一件でペットの命を救えるかどうかは,本当に紙一重だということを強く意識いたしました。先日は,茨城県獣医師会を訪れ,県内の詳しい実情をうかがってきたところであります。

さて,茨城県の犬の殺処分数が8年連続で全国ワースト1位であり,県動物指導センターが先頭に立って汚名返上に努力されていることは,皆さん御存じのことと思います。

特に,水戸市内での犬猫の引き取り捕獲件数が昨年度487匹で,県内で最も多いという事実を見ると,私たちも動物たちの命を守るために何かできることはないか,真剣に考えるべきだと思います。

そこで,質問の第1は,今年度から実施された不妊・去勢手術に対する助成制度の申請状況と県条例の改正に伴う市の取り組み方針を伺います。

第2に,殺処分を減らすためには,所有者を明示する鑑札と狂犬病予防注射のプレートの装着が重要ですが,実際は身につけていない場合が多く,飼い主と再会できないまま,殺処分となるケースが後を絶ちません。

殺処分ゼロ目前で注目されている熊本市動物愛護センターは,迷子札をつけよう100%運動のキャンペーンを,サッカーJ2チームのロアッソ熊本とのタイアップも含めて,大々的に展開しています。ホームページでも迷子札のつくり方を初め,写真入りで懇切丁寧に啓発しています。

9月は動物愛護月間で,23日から茨城県立図書館で動物愛護フェアも開催されますが,水戸市もインパクトのある積極的な迷子札100%のキャンペーンをあらゆる機会に実施してはどうでしょうか。

第3に,マイクロチップの普及と登録の促進です。

犬や猫の首に個体識別番号を記録したチップを埋め込むもので,獣医師会が助成し,環境省も推奨しています。これは,犬や猫が迷子や災害時に飼い主と離れ離れになって,首輪や鑑札がなくても,登録情報と照合すれば飼い主のもとに戻ることができるすぐれものです。

市内の動物病院では,マイクロチップを読み取るリーダーをどこでも備えておりますが,県南に比べ,水戸市ではペットへの装着率は低いそうであります。水戸市もマイクロチップの装着と日本獣医師会への登録呼びかけを強め,市としても,1基3万円程度で購入できるリーダーを備えて活用することを求めます。

第4に,迷い犬を扱っている保護情報と探している逸走情報の照会を市独自に行うことです。現在,水戸市内の情報は,県動物指導センターの一括情報に含まれているため,次から次へとふえる情報に埋没し,探しづらい状況です。龍ケ崎市や東海村,牛久市など6自治体は,県とは別に自治体独自のホームページでも,写真も含めた情報を公表し,そこで照合され,飼い主に戻されることも多いと言います。

犬や猫がいなくなってもすぐなら遠くまでは行かないわけで,近い場所で情報が通じ合えば,照合の可能性も高まります。ふだん散歩で顔を合わせている人が情報を寄せてくれるかもしれません。

そこで,犬や猫の登録をしている人や新規登録をする人向けのメールマガジンなどをつくり,保護・逸走情報の提供,モラル向上に向けた啓発も行ってはどうか,提案いたします。

第5に,飼育状況の実態調査を行うことです。つくば市では,一昨年度にシルバー人材センターに委託し訪問調査を行い,小美玉市では,昨年度,電話による実態調査を実施しています。その結果,未登録の犬の減少や亡くなった場合の抹消など,実態に合った登録となり,狂犬病予防接種率も格段に上昇したとのことであります。

水戸市でも同様の調査を実施してはどうか,お伺いし,私の一般質問といたします。

◎答弁 保健福祉部長

田中議員の一般質問のうち,保健行政についてお答えいたします。

犬の不妊・去勢手術に対する助成につきましては,今年度から開始したものであり,8月末現在の申請件数は38件となっております。引き続き,制度の活用について周知に努めてまいります。

また,茨城県動物の愛護及び管理に関する条例が,今般改正され,動物を飼う場合は,その命を大切にし,最後まで見とるという終生飼養の徹底強化等が図られておりますので,その趣旨を踏まえ,市ホームページ等により啓発を行ってまいります。

鑑札や注射済み票の装着の徹底につきましては,本市では,狂犬病予防注射時に,それらの装着の啓発を行っておりますが,今後とも,熊本市等の例も参考に,推進に努めてまいります。また,あわせてマイクロチップの活用に関しましても,普及促進を図ってまいります。

迷い犬の保護情報,逸走情報の照会につきましては,現在,県動物指導センターと情報交換等を行いながら連携し,飼い主探しに努めておりますが,ホームページ等を活用した迷い犬の情報提供につきましても,今後検討してまいります。

最後に,犬,猫の飼育状況の実態調査につきましては,畜犬管理台帳に登録されている高齢の犬の生存等に関する実態調査について検討してまいりたいと考えております。