水戸市の駅南平和公園にて、広島・長崎の原爆の被爆者協議会による慰霊追悼式に参加しました。日本共産党から大内県議、江尻市議とともに私も参加しました。3人それぞれ、核兵器の廃絶と原発ゼロ、憲法9条を守る決意を述べました。

特に黒川博会長のご挨拶が、とても心に残りました。核廃絶と恒久平和、原発に対する思いにあふれていました。式典のあと黒川会長にお話を伺うと、長崎で16歳の時に被爆されたとのこと、現在84歳です。そして、国連で訴えた故・山口仙二さんの言葉をわたされました。ノーモアヒバクシャ! 私たちは今こそ被爆者の切実な思いに心をよせる時だと強く思いました。

黒川会長の挨拶をご本人の了解を得て、全文をご紹介します。

挨拶する大内県議、江尻市議、田中市議(左から)

挨拶する大内県議、江尻市議、田中市議(左から)

被爆者の思いを語る黒川会長

被爆者の思いを語る黒川会長


追悼のことばと平和の誓い

あの灼熱の地獄を見てから六十八年の月日が過ぎました。故郷の家族や山河を想いながら苦しみ亡くなられた方、故郷へ戻られてから傷や病と闘い亡くなられた方、縁あって茨城に移住しその後病に倒れ亡くなられた多くの方々の御霊に対し謹んで哀悼の誠を捧げます。

私たちは一貫して核兵器廃絶、再び被爆者を作らない、そして戦争のない平和な世界を願って運動を続けておりますが、戦争を知らない世代も増え、核の恐ろしさが風化しつつある中で、一昨年の東日本大震災により福島第一原発事故で多くの被ばく者を新たに生み出し、故郷を離れなければならない現実のなかで、改めて核の恐ろしさを認識し原発反対の声が一気に全国に広がりを見せました。
しかし野田首相は早々と「発電所の事故そのものは収束に至った。」と事故の収束を宣言して全国で停止していた原発を再稼働させる意向を固め、まず関西電力福井県の大飯原発の再稼働を始めました。
そしてこの度の選挙に大勝した安倍政権は、経済優先でそのまま突っ走ろうとしています。
一方ヨーロッパでは福島原発事故後ドイツ・スイスが原発ゼロを表明し、イタリア・リトアニアもこれに続こうとしています。然るに世界唯一の被爆国日本が核兵器廃絶・原発ゼロをどのように訴えていくつもりでしょうか。
日本は再生可能エネ大国とも云われます。原発のないことに経済界・産業界への影響を懸念する人がいますが、あの六十八年前の廃墟から今日の繁栄を築いた日本人の叡智と努力は必ずやそれを乗り越えるものと信じます。

私たちは微力です。そして老齢化・病弱化してまいりましたが、また多くの支援者が増えて参りました。
この夏も原爆展やイベントをもうけ、映画や朗読・語り部等催し、核の恐ろしさを啓蒙する事にしています。小さな運動ですが、これが日本のそして世界の核廃絶の大きなうねりの中に入ってくれればと願っております。
この小さな努力が亡くなられた皆様への大きな供養になるのではと信じております。
慰霊式にあたり御霊よ安かれと祈り核廃絶と恒久の平和を願いまして追悼のことばとし、平和の誓いといたします。

平成二十五年七月二十七日

茨城県原爆被爆者協議会  会長 黒川 博


被爆者は訴える

私の顔や手をよく見てください。
世界の人々と、そして、
これから生まれてくる世代の子どもたちに
私たち被爆者のような
核戦争による死と苦しみを
たとえひとりたりとも
許してはなりません。
私たち被爆者は訴えます。
いのちあるかぎり
ノーモア ヒロシマ
ノーモア ナガサキ
ノーモア ウォー
ノーモア ヒバクシャ

(1982年6月、第二回国連軍縮特別総会での山口仙二さんの演説)