次に、原子力行政について伺います。

まず、こどもの甲状腺検査についてです。福島の原発事故から5年、チェルノブイリでも甲状腺の異常が多発した時期です。北茨城市で甲状腺ガンが見つかるなど、市民の不安はひろがっています。
これまで、福島県以外では、それぞれ自治体の判断で実施してきたところですが、昨年11月、日本共産党茨城県委員会と県内議員が行った、総務省との直接交渉の中で、特定被災地地方公共団体であれば、検査にかかる経費は、国が震災復興特別交付税で措置できるとの回答を得ました。水戸市も該当しています。ぜひ市民の不安払しょくと、万が一の場合には、早期の対応のためにも、水戸市でもこどもの甲状腺検査を実施してはいかがですか。
次に、高速増殖炉「常陽」について伺います。日本原子力研究開発機構が、再稼働にむけ安全審査申請をするようですが、研究用とはいえ、深刻な事故を起こしていた、危険な高速増殖炉「常陽」の再稼働についての認識はいかがか、お答えください。また、避難計画は、福島原発事故以前の基準により策定されたものですが、事故を踏まえて見直すべきではないか、伺います。

答弁≪保健福祉部長≫

次に,土田議員の一般質問のうち,子どもの甲状腺検査についてお答えします。
本市では,現在,原発事故に伴う保護者の健康不安などを解消するため,健康相談窓口を設け,放射線の健康への影響や日常生活面での注意点について適切な情報提供を行うなど個別の対応を取っているところであります。
また,「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援に関する施策の推進に関する法律」の中で,放射線による健康への影響に関する調査,医療の提供等は,国が必要な措置を講じることとされております。
このため,引き続き,国がこの法律に基づいて定めた基本方針や住民の健康管理のあり方に関する専門家会議における検討内容等,国の動向を注視するとともに,甲状腺がんに対する健康不安を抱えた市民に対する丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。

答弁≪市民協働部長≫

次に,高速増殖炉「常陽」についてお答えいたします。
大洗町にある国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」につきましては,平成19年に発生した実験装置の一部破損以降,運転を停止しているところであります。
「常陽」の安全確保に向けた新規制基準への適合につきましては,実験装置の復旧作業が完了したことから,平成28年度中に原子力規制委員会に安全審査を申請する予定との報道があったところでありますが,本市や大洗町を含む周辺自治体に対し,事業者からの説明等がない状況にあります。具体的な申請時期や内容について,不明なことから,現時点においては,安全審査申請等について,意見を述べる段階ではないと考えており,今後,大洗町をはじめとする近隣自治体と連携を図りながら,事業者に説明等を求めてまいります。
「常陽」に関する避難計画につきましては,本市においては,国の指針や県の計画に基づき,事業所から概ね8キロメートル圏内を「常陽」の原子力災害対策を重点的に実施すべき区域として,地域防災計画に位置付けているところであり,常澄地区の一部が対象となっております。
発電用原子炉以外の原子力施設である「常陽」等の安全対策につきましては,現在,国において,概ね8キロメートルとしている区域の範囲をはじめ,緊急事態の判断基準等について,見直しに向けた検討を進めているとのことでありますので,国の動向を注視し,範囲の変更等があった場合には,速やかに市民の皆様に情報提供を行うとともに,国の方針を踏まえた避難計画の策定を進めてまいりたいと考えております。