最後に、教育環境の整備と予算の拡充についてですが、私は4年前の初質問の時から、たびたび質問をしてきましたが、学校施設の老朽化問題については、ぜひとも予算を拡充し、スピードアップすることを強く求めます。初質問でとりあげた石川小学校では、大規模改修が必要とのことで、その順番待ちの状態ですが、子どもたちはその間にも次々と入学し卒業していきます。この4年の間に、プールなど、補修やちいさな改修は行われましたが、例えば(写真)給食室から給食を運ぶワゴンが通らない、この戸口のために、子どもたちは重い容器を、手持ちで校舎まで運んでいるのですが、これは他の学校にはない苦労です。こうしたことが、何年も先の大規模改修を待たずに、改善できないものかと思うのです。

いずれにしても、子どもたちの教育環境の整備として、安全で快適な学校施設整備は、市として真っ先に取り組むべき課題であり、水戸市もその認識は同じだと思いますが、予算がついていかない現状なのではないかと考えます。市長のご判断、ご見解を伺います。

また、通学路の安全対策について、私の住んでいる五中学区にも、道路にせり出し、今にも倒れそうな塀があります。昨年、大阪、高槻市での死亡事故を契機に、水戸市でも、危険なブロック塀など、通学路の安全について総点検したはずですが、危険な塀が倒れてからでは遅いわけで、緊急の処置が必要です。民家の場合にはその所有者の問題となり、所有者がただちに動かないなど様々な問題があるとは思います。しかしながら、なにより子どもたちの安全を最優先に考える必要があり、市としてどのような対策をもって危険除去に取り組むのか伺います。

以上で1回目の質問を終わります。ご答弁によりましては再質問をいたします。

答弁:市長
次に,教育環境の整備と予算の拡充について,お答えいたします。

はじめに,学校施設の経年による建物の損耗や機能低下に対する復旧につきましては,これまでも必要に応じた改修等を行い,施設の維持管理に努めてまいりました。

しかしながら,施設の老朽化に伴う広範囲に及ぶ内外装の損傷や各種配管類の更新等につきましては,部分的な改修では解消が困難なことが多く,施設全体を対象とする抜本的な老朽化対策が必要であると認識しております。

このような中,平成25年度に国が創設した「長寿命化改良事業」は,構造体を変えずに,建物の物理的な不具合を直し,耐久性を高めることに加え,建物の機能を現在の学校が求められている水準まで引き上げる改修を行うものであります。また,工期の短縮とコストの抑制を図りながら,改築と同等の効果を得られる効果的な手法であることから,本制度を積極的に活用することといたしました。

昨年度に工事が完了した下大野小学校においては,茨城県内で,はじめて長寿命化改良事業を実施しており,学校のICT環境の整備や校舎2階のすべてを調べ学習用のスペースにするなど,学校施設の機能強化を図ったところでございます。

この下大野小学校については,ICT機器を活用した教育を推進する小規模特認校に指定するとともに,茨城県の小学校プログラミング教育推進事業重点校として,研究を行ってまいりました。本年2月には,市内外の教職員や教育委員会関係者が多数参加した公開授業を行い,高い評価を受けたところでございます。

さらに,今年度末には,内原中学校屋内運動場の工事が完了する見込みであり,昨年末には,吉田小学校校舎の長寿命化改良工事に着工しております。

しかしながら,現在,建築後50年を経過している校舎を有する学校が9校あり,児童生徒にとって,快適で機能的な教育環境を整えることは,喫緊の課題と捉えております。

そこで,私は,長寿命化改良事業を加速化させ,教育環境の整備を強力に推進するため,「水戸市第6次総合計画-みと魁プラン-」「魁のまちづくりNEXTプロジェクト」において,従来は,毎年度1校ずつであった着手数を大幅に拡充し,2023年度までに築50年を経過する小・中学校9校すべての校舎において,長寿命化改良事業の推進目標を位置付けたところであります。

すなわち,2019年度には,校舎の工事として,吉田小学校Ⅰ期及び上大野小学校を,設計として,吉田小学校Ⅱ期,酒門小学校,渡里小学校の校舎及び三の丸小学校,梅が丘小学校の屋内運動場を予算案として,今議会に提案しております。

さらに,快適で機能的な教育環境の整備に向けて,トイレの洋式化につきましても,2022年度までに小・中学校校舎トイレの洋式化率を100%とする目標を定めたところでございます。

これまでは,大規模な工事の実施にあわせて洋式化を進めてまいりましたが,長寿命化改良事業が当面予定されていない学校についても洋式化することとし,2019年度においては,千波小学校トイレの大規模改造工事及び7校の便器の洋式化工事について,予算計上を図ったところです。

一方,これらの事業を実施していくためには,財源の確保が重要であることから,従来の要望活動に加え,本年2月にも,私が直接,国へ要望活動を行うなど,あらゆる対策を講じ,財源の確保に努めてまいります。

今後とも,子どもたちが快適に学校生活を送ることができるよう,機能的な施設環境を整えることは,大変重要であると考えており,これまで以上に学校施設の改修やトイレの洋式化を,計画的に進めてまいります。

次に,通学路の安全対策についてお答えいたします。

昨年6月18日に発生した大阪北部を震源とする地震により,大阪府高槻市の小学校のプールのブロック塀が倒壊し,その塀に挟まれた女子児童が亡くなるという,いたましい事故が発生しました。

私は,この事故発生後,直ちに通学路における民間のブロック塀等の安全点検を行うよう指示をしました。

点検の結果,危険と思われるブロック塀が約220箇所報告され,当該箇所については,都市計画部,教育委員会の関係各課と教職員が合同で,ブロック塀所有者の戸別訪問を実施し,適切な管理について,私の名前で文書による注意喚起を図ったところです。

そこで,所有者の御理解と御協力のもと,水戸市として早急に通学路の安全確保策を促進するため,通学路に面している安全性に問題のある民間のブロック塀等の撤去に対して,新たに助成措置を講じることとしたところであります。具体的には,撤去費用の2/3を上限として,1件あたり最大10万円を支援することとし,あわせて国財源の確保を図りながら,今議会に提案したところであります。

今後におきましても,未来の水戸をリードする子どもたちの育成に資する学校施設をはじめとする教育環境の整備について,さらなるスピード感を持って目標を達成するとともに,通学路の安全確保にむけて,引き続き取り組んでまいります。