次に、観光とまちづくりについて、高橋市長は、観光客を増やすと言っておられますが、実際に行われている施策が、その掛け声と乖離しているのではないかという質問です。

観光客誘致に力を入れている水戸市が、水戸の最大の観光イベント、梅まつりの期間に、玄関口である水戸駅北口で大規模な工事を行っている。デッキの階段は使えず、ロータリーの駐車場も使えない。駅をおりた観光客が、バスやタクシー乗り場を捜せず迷っていたり、市民は、梅まつりにきてくれたお客さんを迎えに行こうとしても、駅の駐車場が使えず困っています。(写真)このように、今、わざわざ梅まつりの時期を選んで工事を行う感覚がわかりません。本当に観光に力を入れるつもりがあるのなら、いくらなんでも梅まつりの時期は、駅やまちなかの工事は避けて、やりくりするものではないでしょうか。

同じように、七ツ洞公園でも、リニューアルを重ね8万人を呼び込むとしています。ところが、8万人を呼び込むのに、駐車場を増設しましたが、トイレは増設しない。先月、国田地区の市民懇談会でも住民の皆さんからキビシイ意見が出ていましたが、遠くからやってくる観光客が、駐車場に車を止め、広い公園を散策する前に、まずトイレに行きたいと思ってもトイレがない。普通の観光施設としてありえない話です。水戸市には観光資源がたくさんあるのに、それを生かしきれていない現状を本当に残念に思います。工事の時期を考えるとか、トイレを増設するとか、簡単な判断や小さな予算でできることがなぜできないのでしょうか。一方で、大きな予算で行う再開発事業やハコモノにこれでもかと予算をつぎ込む、本当にちぐはぐな姿勢としかいいようがありません。

まちなかへの誘客については、発想の転換が必要です。今、水戸のまちなかを歩けと言っても、マンション・コンビニ・駐車場・マンション・コンビニ・駐車場・空きビル・空き地・・・という状態です、観光客は何を楽しみにあるけばいいのでしょう。それどころか、地元の市民さえ、買い物も街歩きも楽しめないまちになってしまっています。まちなか再生の起爆剤などといって無用なハコモノをつくっている場合ではありません。ますます人通りが阻害されることは、度々指摘し続けていることなので、繰り返しませんが、まず、人の行きかう場所、水戸らしい場所としてまちなかを再生することを考えるべきです。

市民と一緒に考えて取り組み、まちなかに市民が憩う緑の公園施設を実現させている宝塚市や、きちんとお金をかけて歴史ある街並みを残し賑わいをつくりだしている川越市など、リノベーションで、ここにしかないまちをつくる、そういうまちなか再生がもとめられている時代です。もともと水戸は歴史も緑もゆたかなまちで、特長を生かしたまちづくりをする潜在力は高いのに、再開発ビルやマンション建設に躍起になって、逆にまちを壊してきてしまった、このやり方を転換し、市民とともに考え、市民も観光客も歩きたくなる水戸のまちの再生に取り組むべきですが、市長のご見解を伺います。

答弁:市長

次に,観光客誘致とまちづくりに関する御質問にお答えいたします。

私は,観光交流人口を増やし,地域経済を活性化させるため,第6次総合計画-みと魁プラン-において,2023年度の観光交流人口450万人を目標に掲げたところであります。

その実現に向けましては,都市核内における観光拠点である偕楽園・千波湖周辺や弘道館・水戸城跡周辺について,千波公園のふれあい広場等の整備や,水戸城大手門をはじめとした歴史建造物の復元整備を進めるなど,まちなかに直接お出でいただける魅力づくりを進めております。あわせて,植物公園や森林公園の再整備など,観光交流拠点の形成を推進するほか,黄門まつりのリニューアルをはじめ,各種まつりの魅力向上に重点的に取り組んでおります。

特に,県外から誘客するための環境整備として,千波公園をはじめ,弘道館周辺や森林公園等の拠点において,団体客用のトイレの整備にも順次取り組んでいるところであります。

また,それぞれの観光資源の回遊性を高めるため,既に,日本遺産の偕楽園や弘道館を軸として,七ツ洞公園や保和苑といった花の名所を周遊する観光漫遊バスの運行などにも取り組んでおります。広域観光の視点からは,県央地域の9市町村が連携し,水戸駅を起終点として,各地域における旬の観光スポットを巡るバスツアーを実施するなど,まちなかへの誘客に資する様々な取組も行っているところであります。

観光交流人口の増加を図る上では,コンベンションも重要な要素であります。中心市街地隣接地で整備を進めてきた,東町運動公園体育館「アダストリアみとアリーナ」が4月にオープンすることからも,スポーツコンベンションを推進し,いきいき茨城ゆめ国体・ゆめ大会をはじめ,全国大会等に出場する選手や応援者をまちなかに誘導する仕掛けづくりも進めてまいります。

これらの取組とともに,観光のまちづくりを進めていく上で,小売,飲食,宿泊,交通などの観光関係事業者との連携強化はもちろん,おもてなし力をまち全体で高めていくことが最も大切なことと考えております。

観光拠点そのものの魅力向上とあわせ,見る,食べるなど,一歩,さらに一歩とまちなかを歩きたくなるような取組を官民連携して取り組んでまいります。

また,近年増加しておりますインバウンド観光の推進の視点からも,受入環境の充実や情報発信の強化とともに,市民との協働によるおもてなし体制の充実を図りながら,観光客が訪れてみたい,巡りたい,伝えたいと思える観光のまちづくりを進めてまいります。