最後に、教育予算の拡充と屋外プール整備について質問します。

学校プールについては、2年前にも老朽化が進み酷い状態の改善をもとめて質問していますが、特に危険な状態だった石川小学校のプールを、先日、見てきました。一段と酷い状態になっており、本当に危険です。この写真は、低学年用プールです。プールサイドのタイルが割れ、鋭い刃物のようになっています。こうした箇所がそこかしこにあり、昨年は実際に児童が背泳ぎで腕を当てて、大出血のケガをしてしまったとのことでした。プール授業は、まもなく始まります。危険箇所についてはただちに補修すること、また、石川小に限らず、プールサイドのタイルやコンクリートの傷みがひどく、子どもたちが裸足で歩けない状態の学校がいくつもあります。せめて安心して裸足で歩けるように改修することは、早急に実現すべきではないでしょうか。

夏休みの学校プールの一般開放についても、もっと増やすべきですが、現実には、とても市民にむけて開放など出来ない状態のプールが多すぎるのです。

私は、水戸市には誰もが水泳を楽しめる環境が必要だと考えますが、市内に屋外市民プールがひとつもない現状と、学校プール開放さえ7校しかできない状況は、水戸市の失策であり、伝統泳法、水府流を産み出し引き継いできた水戸の誇りを損なうものと考えます。

屋外市民プールの整備を、改めて強く求めるとともに、学校プールの早急な改善と一般開放実施校の拡大を求めます。

学校施設の改修についても、3年前に質問していますが、これも石川小の現在の写真です。つぎはぎだらけの壁をきれいに塗るのにいくらかかるというのでしょう。今後、改修の計画はあるとのことですが、前回質問した時の1年生がもう4年生になっており、あと2年で卒業です。大規模改修を待っている間にも、子どもたちはどんどん育ち、施設の状態は年々悪化していきます。特に、石川小は老朽化による不具合が多いだけでなく、今の季節、トイレの匂いが廊下から教室の中まで充満しています。その中で6年間を過ごし卒業していく子どもたちの、教育上も健康上も心配されるこんな環境を放置していてよいのでしょうか。

学校施設の改修は、思い切って予算を増やし、計画の前倒しをすべきと考えます。また、特に酷い部分は、年次計画の時期に関わらず速やかに改善策を講じるべきではないでしょうか。同じ水戸市の学校に通う子どもたちが、学校によって、快適な教育環境で過ごしている一方で、つぎはぎだらけの校舎、トイレの匂いが充満する教室で過ごしている、あまりに差が酷すぎます。プールにしても校舎にしても、子どもたちの教育環境を整えることは、最優先にすべき市の責務です。市民が望まぬ市民会館のためには320億円もつぎこむというのに、教育予算が足りないから学校が直せないという理屈では、誰も納得できないと考えます。早急な改善のためにもっと大きな予算を充てるべきではないでしょうか。市長のお考えをお聞かせ願います。以上で、1回目の質問を終わります。

答弁【市長】

次に,屋外市民プールの整備についてお答えいたします。

本市では,年間を通して,市民誰もが気軽に水と親しみ触れ合うことのできる環境の充実を図るとともに,市民の競技力の向上や大規模大会の開催と誘致に取り組むため,水戸市第6次総合計画-みと魁プラン-に「新たな屋内公認プールの整備」を位置付けたところであり,競技団体からも,屋内公認プール新設の要望が寄せられております。

新たなプールの整備については,現在進めている各スポーツ施設の整備状況や財政状況等を踏まえ,今後,競技団体のご意向も確認し,議会ともご協議しながら,その機能,規模,スケジュール等,整備内容ついて精査してまいります。

次に,学校プールの開放についてお答えいたします。

震災による青柳公園市民プールの閉鎖に加え,東町運動公園プールが閉鎖されたことにより,現在,社会体育施設のプールは,青柳公園屋内プール,小吹運動公園屋内プール及び大串貝塚ふれあい公園プールの3か所のみであり,その中で,徒渉池(としょういけ)を備えたプールは小吹運動公園屋内プールのみとなっております。

そのため,子ども達が水に親しみ触れ合う機会が不足することが懸念されていることから,平成28年度から夏休み期間中に学校プール施設を無料で一般開放することといたしました。

平成28年度は新荘小,緑岡小,吉沢小,内原小及び国田義務教育学校の5校11日間の開放で延べ4,520人,平成29年度は赤塚小を加えた6校15日間の開放で延べ5,153人の利用があり,今年度は城東小を加えた7校において15日間開放してまいります。

今後も,市民ニーズを的確に捉えながら,学校プール開放事業の充実に努めてまいります。

答弁【教育長】

土田議員の代表質問のうち教育予算の拡充と屋外プール整備についてお答えいたします。

まずはじめに,学校プールの安全確保について,お答えいたします。

学校プールの現状でございますが,現在小中学校等で44か所あり,その多くが昭和50年代以前に建設され,建築後30年以上が経過し,施設の老朽化が進んでいる状況でございます。

特にプールサイドの劣化は著しく,安全にプール学習を行うためには,速やかな対策を講ずる必要があると認識しております。

しかしながら,プールサイドや床タイルの全面改修・プール槽内の改修が必要な場合には,大規模な工事となることが多い状況にございます。

このような状況を踏まえ,「水戸市第6次総合計画-みと魁プラン-」において,学校教育の充実として,プール設備等の改修を位置づけ,優先度が高い修繕箇所から,計画的に改修を進めております。昨年度は,改修の必要性が高い小学校2校のプールサイドについて工事を行ったところです。

また,抜本的な改修について,時間を要する学校については,プールサイドに人工芝やマットを布設するとともに,ビーチサンダルを履いてプールサイドを歩行する等の応急処置を行い,児童生徒に危険が及ばないよう配慮して,プール学習を行っております。

今後とも引き続き,プールを安全かつ衛生的に使用できるよう,

計画的な改修を進め,児童生徒の水泳学習の充実に努めてまいります。

次に,「教育予算をふやし学校施設の整備,改修の加速化を」についてお答えいたします。

学校施設につきましては,これまでは,老朽化対策として,建築後おおむね45年程度で改築を行ってまいりました。

現在,全国的に,公立小中学校施設について,建築後25年以上経過した建物が約7割を占めるなど,今後,およそ20年間は,これまで以上に大量の学校施設が,一斉に建築後45年を超え,更新時期を迎えることとなり,老朽化が深刻な課題となっております。

このような中,国においては,今後の老朽化対策を迅速かつ着実に実施するため,可能な限り今ある建物を活かし,コストを抑えながら,改築と同等の教育環境が確保できる長寿命化改修に重点を移していくこととし,平成25年度に新たな国庫補助事業である「長寿命化改良事業」の制度を創設し,積極的な採用を促しているところでございます。

本市におきましては,すでに45年を経過し,改築時期を迎える校舎及び屋内運動場を有する学校が,13校にものぼっており,長寿命化に向けた取り組みが,喫緊の課題となっていることから,みと魁プランに位置付け,事業の推進に努めているところでございます。

なお,内原中学校屋内運動場及び武道場の長寿命化改良事業については,平成29年度の国の補正予算で,事業が採択されたため,早期の発注に努め,今議会に議案を提出したところでございます。

今後とも,学校施設の整備に係る財源の確保に努め,計画的に快適で機能的な学校施設の改修を進めてまいります。