次に原子力行政についてうかがいます。

日本原電の住民説明会に私も参加しました。冒頭、原電の担当部長は「20年延長申請をし、一つのステップを踏ませていただいた」と述べ、また、参加者からの質問に、安全審査と20年延長申請は一体だと答えました。「数々のミスが発覚し報道され、自社の信頼は地に落ちていると認識している」と言いながら、再稼働については、なんとしてもやる気まんまんな印象で驚きました。これほど無責任な会社に、市民の生活が脅かされるなど、あってはならないことです。ただちに再稼働の断念と廃炉をもとめるべきです。

先月、水戸市は、群馬県の8自治体と協定を結びましたが、県外への避難はさらに実行不能です。市民が一斉に自家用車で避難、県をまたいで長距離を移動するのに、その時、それだけのガソリンの供給が可能でしょうか。大震災の際、多くの市民が、ガソリンが入れられずに身動きできなくなったことは記憶に鮮明です。

また、原電が説明するように、原発が十分に、何重にも防護されていて安全だとするなら、過酷事故は、東日本大震災のような想定外の事態、つまり、大きな災害と同時に起きると考えるのが妥当です。その際、遠く他県まで避難する道路はどうなっているのか。整然と17万人の市民が県外へと避難していく姿などとても想像できません。水戸市にとって、想定可能な唯一の安全策は、東海第二原発はもう動かさないことです。お答えください。

答弁:市民協働部長

次に,原子力行政についてお答えいたします。

本市におきましては,使用済み核燃料が現存する東海第二発電所から30キロメートル圏内に,市の全域が含まれておりますことから,発電所を巡る環境が如何なる状況であろうとも,あらゆる事態に備えて,広域避難計画の策定を進めているところでございます。

広域避難につきましては,平成28年8月に,茨城県内の避難先として県から示されているつくば市や古河市などの9自治体と協定を締結しており,現在,県外の避難先の確保に重点的に取り組んでいるところでございます。

先月,2月15日には,群馬県内の8自治体と,初動時における避難所への誘導,避難所の開設・運営等に御協力いただくことなど,広域避難に関する基本的な事項について合意が得られ,協定を締結させていただきました。

群馬県以外の栃木県,埼玉県,千葉県についても,受け入れていただく人数など,大枠の部分では,合意が得られ,現在,協定書の内容の精査をはじめ,避難者の誘導方法など,きめ細かなルール等を確認している段階でありますので,新年度,早い時期の協定締結を目指してまいります。

あわせて,国や県と連携し,避難退域時検査や安定ヨウ素剤配布の手順や場所,複合災害への備えをはじめ,避難車両への燃料補給の手法,避難ルートの設定,要配慮者の対応などの課題について,対応策を積み上げ,広域避難計画の実効性を高めてまいります。

再稼働の議論につきましては,原子力規制委員会の新規制基準に適合することはもちろんのこと,安全協定の見直し,そして,全ての市民の安全な避難に向けた実効性のある広域避難計画が策定されない限りは,あり得ないものと考えております。

あわせて,東海第二発電所の営業開始から39年が経過していること,商業用の原子炉としては首都圏から最も近いこと,さらには,事故発生時には避難対象者が約96万人に及び,全国で最も多いことなどの現状を踏まえ,原子力規制委員会を初めとする国の動向を注視してまいります。