平成28年第4回水戸市議会定例会 反対討論       20161220

                日本共産党水戸市議団   土田記代美

日本共産党水戸市議団の土田記代美です。本定例会に提案されました議案のうち、議案第102号、第105号、第111号、第114号、第116号、第117号、第118号、第125号、第126号、以上9件につきまして、通告に従い反対討論を行います。

はじめに、議案第102号は、水戸市農業委員会候補者選考委員会条例についてです。私たちは、農業委員の公選制をなくし、市長の任命制とした農業委員会の制度改悪に反対をしてきました。農業者から選挙で選ばれた『農民の代表機関』であり、市町村長から独立した執行機関であったはずの農業委員会の機能、独立性が弱まるものと考えております。これに伴う、選考委員会の設置、および条例ということで、賛成できません。

次に、議案第105号は、泉町北地区および水戸駅前三の丸地区における、地区計画に関する条例の改定であり、反対いたします。

私たちは、泉町北地区における市民会館建設は白紙に戻して見直すこと、再開発によるムダに大きな市民会館ではなく、市民が望んでいる市民のための市民会館建設をもとめております。都市計画審議会にも、多くの市民から反対の意見書が提出され、指摘される問題点の多すぎる計画であり、真摯に市民の声を聞くべきです。

水戸駅前三の丸地区についても、都市計画審議会に、多くの市民から反対の意見書が提出されました。そもそも風致地区ということで、水戸市自ら45mの高さ制限をしていたものを、高層マンション・ホテル等の建設のために60mに緩和してしまうという、大義のない変更と考えます。

駅を降りて、はじめに目に飛び込んでくるのが、高層マンションという状況にしてしまって、それが、活気あるまちの玄関口になるでしょうか。水戸らしい景観、将来を見据えたまちづくりをすべきです。

議案第111号は、市道路線の認定及び廃止についての議案です。
計画道路の酒門358号線の認定に反対いたします。
これは、新ゴミ処理施設のアクセス道路につながり、大洗方面へ延伸するという幅13メートルの広い道路を、静かな田園地帯の真ん中に通すというものです。一日に8000台、そのうちゴミ収集車が1000台近く通るとされ、周辺の環境が一変してしまいます。周辺には、常盤の杜ニュータウンがあり、道路を挟んで保育園があります。閑静な住環境を求めて移住をした方や、農業をしている方たちの生活を無視し、先月22日に、たった一回、住民説明会が行われたのみで、いきなり今議会で認定というのは、あまりに拙速であり、認められません。住民説明会でも丁寧な説明はなされず、反対住民の方の意見が多々出されたとのことですが、納得のいく回答もされていません。
すぐ近くに、県道中石崎水戸線、主要地方道内原塩崎線が通っており、周辺の住民の方によれば、特段の渋滞もないとのことです。多額の費用をかけ、住民の生活を脅かして、必要のない道路をつくるものであり、計画の中止をもとめます。

次に、議案第114号は、東町新体育館の建設工事請負契約です。
今回、98%を超える高落札率で、87億7543万2千円の契約です。
そもそも東町の体育館は、県が整備すべきものでした。長年、適切な改修がされず、老朽化が著しかった施設を、わざわざ水戸市が引き取り、市民の税金をつぎ込んで建設するというおかしな経緯であります。市民にとっては、まったく背負う必要のなかった負担であり、しかも、総額100億円もの大きな事業です。
当初、知事と約束したという県の支援も不確実な中、性急に推し進めていますが、財源の保証も市民の理解も得られていません。子どもたちが楽しみにしていたプールをなくし、日常的に使っていたテニスコートも減らされています。市民の願いを無視したプロジェクトであり、反対いたします。

次に、議案第116号、117号、118号は、新ゴミ処理施設用地の造成工事で、3工区あわせて10億6千万円もの追加契約です。
本会議でも、特別委員会、総務環境委員会の際も、数々の疑問、問題点が出されましたが、納得のいく答弁がいただけませんでした。そもそも用地取得の段階から、不法投棄等の状況を把握していながら、きちんと調査も説明もしてこなかったという不誠実さには怒りを覚えるものです。造成工事を始めてみたら、こうなりましたと、事後承諾で予算が膨らむという、今回のやり方は、市民に対して、とても納得できる説明は出来ませんし、何度も事前調査を行い、多額の税金が使われているにもかかわらず、このような事態となるというのは、あまりに無責任で重大な失態であり、水戸市の姿勢が厳しく問われるものと考えます。
さらに、第118号の第3工区にいたっては、当初、6億5232万円の契約が、今回12億9492万円と、ほぼ2倍の金額となる、通常ありえないような増額であり、当初契約の積算根拠もずさんだったのではないかと疑わざるを得ないものです。
新ゴミ処理施設整備は、莫大な税金をつぎ込む大きなプロジェクトです。適正な予算で適正な工事をすすめるとともに、その内容についてきちんと丁寧な説明をすること、なにより、市民に対し不信感を抱かせないような事業、予算の使い方をすべきものです。用地取得から造成工事、今回の追加工事についての一連の経過に対する不透明さ、不信感は看過できず、これらの議案に反対をいたします。

議案第125号は、平成28年度の一般会計補正予算です。
私たちは、100億円近い財政調整基金については、必要以上のためこみであり、適切に活用して、教育や福祉、市民サービスを充実させるよう求めてきました。
今回、23億1540万円を積み立てる補正予算で、約97億円となります。図書館や給食の民営化、老人福祉センターのお風呂の有料化など、市民のための予算を削りながら、基金をため込み続け、今後、大型プロジェクトのために、取りくずしていくというやり方は、住民福祉の増進という自治体本来の役割に反するものであり、反対いたします。
水戸市は、狭隘道路の整備や、雨水排水対策、学校や市民センターなど身近な施設の改修さえままならない予算の切り詰めで、市民の要望に応えず、また高すぎる国保税、上下水道料金などで市民の暮らしを圧迫し続けながら、もっぱら大型プロジェクトのために税金をつぎ込むという姿勢を改めるべきです。

最後に、議案第126号は、国の法改定に準じる市職員の給与に関する条例の一部改定です。職員給与の引き上げには賛成ですが、第2条の扶養手当に関する改定について、配偶者の手当を1万3千円から6500円と、段階的に現在の半分まで引き下げるものであり、賛成できません。代わりに子どもの手当を引き上げるとしていますが、引き上げは3500円です。結局、削減につながるものであり、水戸市の職員の中でも、これにより減額になる方が300名近く出るとのことでした。よって、この議案には反対いたします。

以上で、反対討論を終わります。