次に、新市民会館整備計画について伺います。

まず、コンベンション誘致についてです。大きな市民会館をつくれば、国際会議も呼び込めるというふれこみですが、これもまた現実味のない希望的観測です。実際に、国際会議の誘致がどんな状況なのか、例として、資料(パネル)をご覧いただきます。これは、つくば国際会議場で開催された国際会議の件数です。県の担当課からいただいた過去5年間の実績を、年度ごとに示したものです。ご覧の通り、つくばでも、2000人以上のものは、毎年、ほぼ3件、平成24年度は2件しかありません。1500人~2000人規模にしても2~4件です。同時通訳システムなど設備の整ったつくば国際会議場でも、2000人以上の会議は年に3回程度、1500人以上を加えてもひとけたを超えません。これが現実です。

また、ご覧の通り、ほとんどが1000人以下の会議で、以前から指摘している通り、中規模や小規模の施設の需要が、より高いことも歴然としています。本当に水戸に3700人収容のコンベンション施設が必要でしょうか。年に数回使われるだけの大きな施設で、維持費ばかりがかさむのは目に見えています。必要ないものと考えますが、お答えください。

次に、市民参加の施設づくりについてです

全国には、大きな呼び込み目的の施設ではなく、市民が日常的に活用することで、市民の笑顔とにぎわいをつくりだし、市民に愛される市民会館を実現している自治体があります。専門家の間では、「ホールづくりはまちづくり」という言葉もあります。文化施設の目的、理念づくり、設計段階から市民が参加し、行政と一体となって、市民が集い市民の文化を育てる施設をつくることで、市民の協働意識が高まり、活力あるまちづくりに大きく貢献している実例が示されています。水戸市も、時代おくれの大型呼び込み施設に執着せず、真摯に学ぶべきではないでしょうか。お答えください。

年に数度、大勢の人を呼び込んでも水戸市は潤いません。これからの時代、大きなハコをつくっても現実に経済効果が見込めないことは、おわかりかと思いますが、そもそも、文化施設は、経済性で考えるものではありません。日常的に市民が活用できる施設、住民の笑顔と文化を育てる市民会館こそ、水戸市に必要です。市民参加で一から見直し、市民のくらし、こころを豊かにする市民のための市民会館建設を強く求めてこの質問を終わります。

≪答弁≫ 市長

次に,新市民会館整備計画について、お答えいたします。

私は、新市民会館の整備を、中心市街地のにぎわいを取り戻すためのまちづくりの大きなチャンスと捉え、誰もがまち歩きを楽しみ、商店街も活性化し、その結果として、文化・経済の両面から人々の生活が豊かになるといった好循環の構築を進めてまいりたいと考えております。

芸術文化やにぎわい・交流拠点としての新市民会館を整備し、全国に向けてコンベンションの誘致に一層力を入れることは、多くの交流人口を創出し、水戸の魅力の発信や産業の育成、経済の活性化につながります。

新市民会館につきましては、市民の芸術文化活動の拠点として、また、新たな交流や活力、にぎわいが創出されるコンベンションの拠点として、文化活動団体や経済団体などから、早期の整備を求められているものであります。

地元のコミュニティ団体をはじめ、水戸商工会議所、中心市街地の商店会等との意見交換を通して、市民自らが新市民会館を活用して、まちの活性化につなげていきたいといった思いを受けとめているところであり、行政と各種団体が一体となって、本市の活性化に向けて努力することが必要であります。

私は、コンベンションの誘致には、幅広い用途に利用でき、多くの方々の需要に即した事業が展開できる施設を整備するとともに「おもてなし」事業を積極的に展開することが需要であると考えております。

したがいまして、新市民会館においては、総会、分科会などコンベンションが開催しやすいよう、2,000席の大ホールや、

500席の多機能ホールをはじめ、十分な広さと数を備えた会議室等の整備を進めるとともに、行政と商業、観光、宿泊等の各種団体とが十分に連携し、それぞれが特徴を生かして、魅力や特色のある事業を積極的に展開いたします。そして、にぎわいの創出や交流人口の増加による、まちの活性化と魅力あふれるまちの実現を目指してまいります。

次に、市民参加の文化施設について、お答えいたします。

私は、新市民会館を整備することにより、市民の創作活動の場、習い事や講座など生涯学習活動の拠点として、市民の主体的な芸術文化活動を促進してまいります。

新市民会館には、展示やミニコンサート等もでき、誰でも立ち寄ってくつろげる憩いの場としての公共空間や、近隣の学生が学習、交流等で使用できるスペースなどを整備することから、イベントがない時でも、日常的なにぎわいが生まれるものと考えております。

新市民会館の整備は、市民サービスの向上はもとより将来の水戸市の飛躍に不可欠な事業であり、これまでも市民の多様な意見を反映し、議会で十分な御審議をいただき、事業を進めてまいりました。

今後も、新市民会館の整備に関する情報の発信とともに、丁寧な説明に努め、より多くの市民参加により、新市民会館の早期整備に向け、全力で取り組んでまいります。