最後に、高齢者福祉事業について伺います。
この間、経費削減を理由に、老人福祉センターなどの運営や、福祉サービスの切り捨てがすすんでいるのではないでしょうか。とりわけ、社会福祉協議会と事業団の合併は、本来、大切にすべき事業、公的サービスに対し、水戸市の責任を放棄することにならないか心配されています。そもそも、事業形態も成り立ちもまったく違う組織が合併すること自体に無理があります。来月からスタートするということですが、合併で変わる運営や職員の配置などもまだ明確に示されず、見切り発車の状態です。4月からの合併は中止し、改めて、福祉行政のあり方を考え、見直すべきですが、いかがですか。

また長者山荘と葉山荘のデイサービスセンターの廃止について伺います。
私は、先日、長者山荘に行ってきました。長年、地元で愛されてきた施設で、とても大切に使われてきた様子は、見てすぐにわかるほど、設備もきれいに整えられ、まだまだ使える状態です。ところが、4月から廃止されるため、利用者はわずかとなり、ガランとしています。通いなれた施設から追い出される高齢者の思いや、献身的に取り組んできた職員の熱意にどうこたえるのか、本当に切ない気持ちになりました。
地域密着で、安心して利用できるデイサービスの実績は、水戸市の貴重な財産であり、守るべきものと考えますが、いかがですか。経済的に、民間に移れなかった利用者は、家にこもることになり、健康状態の悪化につながってしまいます。また、通いなれた環境が変わったために、認知症がすすんでしまったという声もあり、高齢者福祉に逆行しているのではないでしょうか。4月からの廃止をやめ、デイサービスセンターの存続を強く求めるものです。

最後に、老人福祉センターについてですが、あかね荘は、かなり老朽化しています。設備や備品が故障しても、予算が少なく、修理もままならない状態でした。お風呂の有料化で利用者が減り、また、講師がみつからず来年度から陶芸教室がなくなるなど、利用者がさみしい思いをしています。
高齢者がいきいきと過ごせる場を、きちんと整えるのは市の責務であり、予算を拡充し、施設整備やサービスの充実に積極的に取り組むべきですが、いかがですか。お答えください。

以上で、私の質問を終わりますが、大きなハコものには莫大な予算を組みながら、高齢者や子どもたち、市民のための身近な予算は足りないという水戸市の税金の使い方の見直しを強く求めまして、誠実なご答弁をお願いいたします。

答弁≪保健福祉部長≫

次に,福祉行政についてお答えいたします。
まず,社会福祉事業団の合併についてでございますが,平成24年度に「外郭団体の統合に係る検討指針」を策定し,社会福祉協議会,社会福祉事業団ともに検討を重ね,平成27年2月,合併の方向性を打ち出しました。その後,同年4月に両団体の役員からなる合併協議会が設置され,慎重に協議を進め,11月に合併契約の締結に至ったものであります。
この度の社会福祉協議会と社会福祉事業団の合併は,市内全32地区に支部を置き,地域住民に寄り添った事業を展開してきた社会福祉協議会のネットワークと,福祉分野における資格を有する職員を多く揃え,質の高い福祉サービスを展開してきた社会福祉事業団の専門性とを一つにしていくことで,地域における福祉の推進体制の充実を図り,さらなる市民サービスの向上を図っていくこととしたものでございます。
合併後の事業運営に当たりましては,合併によって市民サービスの向上が図れるよう,ニーズに答えられる新たな事業展開や適正な職員配置など,より市民に求められる団体となるための合併としてまいりたいと考えております。

次に,デイサービスセンターの廃止についてお答えいたします。
本市が設置する老人デイサービスセンターのうち,葉山荘及び長者山荘につきましては,老人デイサービス事業への民間事業所の参入が十分に進み,受け入れ態勢が整ったことから,平成28年3月31日付で廃止することとなっております。
廃止に当たりましては,利用者の意向等を十分に伺いながら,各種ネットワークを活用し,丁寧に対応するとともに,廃止後の施設につきましては,老人福祉センターとして,多世代交流事業等の機能充実を図るなど,高齢者の福祉増進に向けて有効活用してまいります。
次に,老人福祉センターの改修,備品整備につきましては,老朽化に伴い,設備の不具合等が発生する場合がありますので,緊急性や安全性等を考慮しながら,順次対応しているところであり,今後とも施設の適正な維持・管理に努めてまいります。