8月7日の茨城新聞記事「東海第2 県主導で広域避難計画、年度内策定目指す」とあります。先日、県原子力安全対策課に避難シュミレーションについて、大内県議・江尻市議とともにヒアリングしました。その結果、前提が机上の空論だったことがわかりました。

まず、原発が危機的状態に陥ってから避難指示が出るが、第一に道路はどこも通行可能であること、第二に停電はしておらず信号は生きていること、第三に半径5キロ圏の住民の避難を優先し、半径30キロ圏の住民は順序よく避難することなどです。

3・11大震災では水戸市内でも地震で地割れした道路、渡れない橋、倒れた塀で通行できない道があちこちにあり、信号もついていませんでした。電話も不通で家族の安否確認もままならない不安とパニックの状態にありました。

ちなみに県のシミュレーションの設定でも水戸市内で大渋滞になると予想された場所を私が聞いたところ、県原子力安全対策課の担当者は、国道6号と50バイパスのけやき台入口交差点と、茨城東ICにつながるさくら通りと国道6号の東野町交差点に向かうルートをあげました。多くの市民はそこを通過しなければ市外には出られません。

避難計画ができたことにして、再稼働へ進むことは許されません。知事がすべきは「県主導で東海第2の再稼働反対、廃炉を要求」することではないでしょうか。


東海第2 県主導で広域避難計画、年度内策定目指す

<茨城新聞ニュース 2013年8月7日(水) >

市町村へ全体構想

日本原子力発電東海第2原発(東海村白方)の事故を想定した広域避難計画について、橋本昌知事は6日の定例会見で「県が全体としての構想をつくり、それに沿った形で市町村に動いてもらうことが大事」と述べ、県主導で計画を策定する方針を示した。市町村がそれぞれ個別に避難ルートや避難先を決めると、激しい渋滞や避難所不足などの混乱が避けられないと想定されるため、市町村計画を事前に“交通整理”して先導する。県では年度内の策定を目標にしている。

原子力規制委員会は昨年10月、「緊急時防護措置準備区域(UPZ)」を原発の半径10キロ圏から30キロ圏に拡大し、これに伴い東海第2のUPZは5市村から14市町村に広がり、対象人口は24万人から全国最多の98万人に増えた。災害対策基本法では各市町村が具体的な避難計画を策定することになっており、それぞれ詳細な計画策定を求められている。

県原子力安全対策課によると、各市町村が独自に避難ルートを設定すると同じルートに集中して渋滞が悪化することが懸念され、避難所指定でも選定先が同一地域に重なる可能性が高くなると予想される。

県は先月、自家用車による住民の避難時間推計シミュレーションを公表。原発から半径5キロ圏の「予防的防護措置区域(PAZ)」の住民8万人の9割がPAZ圏外へ避難するだけで15時間要し、UPZ全体の住民がUPZ圏外へと出るには32時間半かかると想定した。悪天候や常磐自動車道が通行止めになった際は、さらに時間がかかる。

避難計画ついて、橋本知事は「市町村のものを取りまとめるのではなく、広域的に考える必要がある。県が相談に乗りながら決めていきたい」と強調。県原子力安全対策課では「策定はまだ緒に就いたばかりだが、年度内の策定を目標に、市町村と連携して実効性のある計画にしたい」としている。