<strong>中庭次男議員は9月13日に一般質問を行いました。</strong>
質問項目は
<font color=”#FF0000″>①介護保険の充実について。
②特別養護老人ホームの増設。
③熱中症対策としてエアコンが設置費の融資について(水戸市社会福祉協議会が実施)
④見川中学校、小学校、幼稚園の早期改築について。
⑤見和市民センターの移転改築について。</font>質問と答弁は下記のとおりです。
<font color=”#FF0000″>
1、介護保険について。[中庭次男議員質問]</font>
日本共産党の中庭次男でございます。通告に従い、順次一般質問をおこないます。最初に介護保険についてお伺いします
今年6月15日、東日本大震災の救援、復興の最中、国会審議がわずか18時間と不十分な中で、介護保険法が改定されました。水戸市は現在来年度から2014度までの第5期高齢者保健福祉計画を策定中であります。
しかし、今回の介護保険の改定は介護が軽度と認定された高齢者の介護サービスを抑制するなど、改悪であり、日本共産党は反対しました。
政府は介護保険給付費を減らすために、比較的軽度な要支援、要介護1などの介護サービスを削減すれば、全国では1,600億円抑制できるという試算まで示しきました。
この方針にそって、今回の介護保険改悪がおこなわれました。要支援と認定された高齢者の介護を市町村の判断で介護保険から外して、国の負担をへらす介護予防、日常生活支援総合事業ができるとされました。これによって、ホームヘルパーがおこなっていた訪問介護も、ボランティアに置き換えることができ、またホームヘルパーが高齢者宅を訪問して食事をつくっていたのが、ヘルパーの派遣が中止され、配食サービスに切り換えることができるようになりました。 高齢者にとっては介護保険から切り離され、介護サービスは低下される一方で、大幅な負担増になります。
質問の第1は第5期高齢者保健福祉計画の作成にあたっては、水戸市は要支援の高齢者の介護サービスを切り捨てる日常生活支援総合事業を導入するのではなく、訪問介護、入浴、リハビリなどの充実することをもとめます。
特に水戸市は要支援、要介護1の比較的軽度の高齢者が42.6%をしめており、介護の充実が一層もとめられております。
第2は利用料の市独自減免についてであります。
年金の引き下げ、介護保険料の値上げ、国保税の年1万円の増税などで高齢者の暮らしはますます大変になっています。この結果、介護保険利用料の一割の利用料を負担できない高齢者が増えて、要介護1から5の高齢者の介護給付費が一人あたり月1万円近くもへっています。高齢者一人あたりの訪問介護利用件数は昨年3月では一カ月間で3,000件も大幅に減っています。日本医療福祉生活協同組合連合会が今年3月に実施した「介護保険利用状況調査」でも25%が経済的理由で介護利用を控えていると回答しています。
水戸市は低所得者への介護保険利用料の独自減免すなわち、4割減免を2009年7月から2割減免に引き下げました。また減免対象者も年収150万円から80万円に狭めてしまいました。いま貧困と格差が広がっているなかで、市独自減免の大幅拡大をもとめるものであります。
また水戸市でも2億円もある介護保険の基金をとりくずして介護保険料の値下げすることもとめます。
第3は、介護職員の待遇改善であります。
厚生労働省の外郭団体の調査では茨城県における介護職員の離職率は15.4%、特に採用1年未満の離職率は41%であることが明らかにされました。昨年度は1年間で介護職員が7人の1人がやめ、とくに採用1年未満は5人に2人がやめています。離職の原因として介護事業所は「今の介護報酬では人材確保、定着のために十分な賃金は支払えない」と回答しています。この調査の中で、勤続10年のヘルパーは月19万円の賃金です。これでは結婚して家庭ももつことが困難であり、辞めざるを得ない実態であります。
介護職員の確保、安定した人材確保のためにも今年度で終了する国の「介護職員待遇改善交付金」が来年度以降も実施するよう国に要望するとともに、水戸市独自でも待遇改善のための対策をとる考えはないか、お伺いするものであります。

<font color=”#FF0000″>[清水孝子保健福祉部長の答弁]</font>
中庭議員の一般質問の福祉行政についての質問のうち介護保険についてお答えいたします。
はじめに,介護予防・日常生活支援総合事業につきましては,今回の介護保険法改正により創設されたものであり,地域支援事業において,市町村の判断により,実施する事業でございます。今後,国から基本事項が提示されることになっておりますので, 現在進めております「水戸市第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」策定の中で,事業実施について検討してまいります。
また,市独自の低所得者に対する利用者負担軽減措置につきましては,厳しい財政状況を見据え,平成22年度に市単独扶助費の見直しを行い,負担軽減割合を変更したところでございますので,拡大することは困難と考えております。介護職員の待遇改善につきましては,介護人材の確保と処遇の改善策について,国において検討されておりますので,本市におきましても,国に要望してまいります。

<font color=”#FF0000″>2、特別養護老人ホームの増設についてお伺いいたします。[中庭議員質問]</font>
高齢者が高齢者を介護する老老介護、限界を超えた介護で疲れ切り、高齢者の虐待などが起きています。
現在で特別養護老人ホームの待機者はこの5年間で2倍以上もふえ400名を超えております。しかし水戸市の特別養護老人ホームの定員増は昨年度ゼロ、今年度は150名です。団塊の世代が60歳をこえ、高齢者となるなかで、現在の増設計画ではますます待機者がふえるばかりであります。水戸市は2013年度に特別養護老人ホームの定員を80名増やすため、施設の増設を公募しました。9つの社会福祉法人が応募し、一社が指名されました。大幅な増設が必要でありますが、今後の増設計画についてお伺いいたします。

<font color=”#FF0000″>[清水孝子保健福祉部長の答弁]</font>
特別養護老人ホームについてお答えいたします。
特別養護老人ホームにつきましては,計画的な整備促進に努めているところであり,平成23年度までの「第4期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の期間内に,230床の整備が完了する見込みとなっております。
さらに,平成24年度に80床,25年度に80床の合計160床の整備を進めることとしております。今後とも,本市における高齢化率の進行や入所待機者数の状況等を踏まえ,特別養護老人ホームの計画的な整備に努めてまいります。

<font color=”#FF0000″>3、水戸市社会福祉協議会の生活福祉資金について。[中庭議員質問]</font>
次に水戸市社会福祉協議会が実施している生活福祉資金の制度の改善について、質問いたします。とくに熱中症対策としてエアコン設置のための福祉資金の貸付について5点にわたって質問します。
今年の夏、水戸市でも最高温度が7月18日に36.4度をこすなど、猛烈な暑さで熱中症予防対策がますます必要となっています。市内のある高齢者はあまりの暑さで熱中症にかかりそうになり、水風呂に入ったが、それでもめまいがおさまらず、病院にいって点滴をうけ、やっと治ったと訴えおりました。
昨年9月の国会で、厚生労働省の山野井政務官は低所得世帯を対象にエアコン設置の費用を社会福祉協議会の生活福祉資金貸付金から「日常生活上一時的に必要な経費」として貸し出すこととしました。
さらに今年7月19日、厚生労働省は記録的な猛暑に見舞われており、熱中症等の健康被害を未然に防止する観点から、「生活保護法による保護の実施要項についての一部改正について」と題する事務連絡で、低所得世帯だけでなく、生活保護世帯に対しもエアコン設置費を生活福祉資金から融資するとしました。そしてエアコン設置費として融資された金額は収入とみなさず、生活保護費から差し引かないこと、また月々の返済金は生活保護費に上乗せして支給することとしました。
今年8月18日、市内に居住する66歳の男性が水戸市社会福祉協議会にエアコン設置のため、生活福祉資金の貸付を申込みました。
しかし社会福祉協議会は融資条件が原則65歳以下であること、生活保護世帯は返済が困難であることを理由に、融資を一旦は断られました。
そこで質問の第一は65歳以上の高齢者にも融資することをもとめます。生活福祉資金制度の目的は低所得者、障害者、高齢者に対し資金を貸し付け、安定した生活をおくるためとされております。
国の生活福祉資金貸付要項には、65歳以上は融資しないとはされておさず、逆に65歳以上の高齢者に融資の対象者としているのであります。熱中症にかかりやすいのは高齢者であります。
第2に融資にあたって、借入申入者から電気代、ガス代、食費、携帯電話など極めて個人に関する情報までことこまかく聞くことは、プライバシー侵害になり、やめるべきであります。生活福祉資金貸付要項の第10項目に「本制度に携わる市町村社会福祉職員は、制度の運用にあたりプライバシーの保護に十分に配慮する」とされております。借入申込書には、支出合計を書くだけであり、食費、電気代、ガス代などを記入する欄は全くありません。
第3に社会福祉協議会は民生委員に食費、電気代、家族関係などの個人情報が記載された書類のすべてみせ、さらに今後の返済がおこなわれるように民生委員から指導してもらうとしています。民生委員にことこまかく個人のプライバシーを明らかにした上、個人の返済まで係わることは、民生委員の負担と責任をますます増やすものであり、民生委員のなり手がますますいなくなってしまいます。現在のやり方は改めるよう強くもとめます。
第4に現在は融資の審査が県では月一回しかないため、月初めに融資を申し込むと融資がおこなわれるは2カ月後になってしまいます。例えば7月に申し込むと融資は9月となってしまいます。全国生活と健康を守る会は7月28日、迅速に融資するよう申し入れしたが、厚生労働省は「急いで融資するよう全国に通知をだした」と回答しています。月一回の審査会の回数を増やし、融資を迅速におこなうよう県に申し入れる考えはないのかお伺いいたします。
第5に、生活福祉資金の貸付対象は低所得者とともに、生活保護世帯も対象としておりますが、水戸市において生活保護世帯に貸し出した件数を明らかにしていただきたいのであります。

<font color=”#FF0000″>[清水孝子保健福祉部長の答弁]</font>
次に、社会福祉協議会の生活福祉金貸付制度についてお答えいたします。
生活福祉金貸付制度は、低所得者世帯や障害者世帯、高齢者世帯に対し、資金の貸付けや相談、支援を行うことにより、経済的自立や社会参加の促進などを図り、安定した生活が送れるようにすることを目的としております。
申請の受付や相談業務などにつきましては、市社会福祉協議会が、実施主体である県社会福祉協議会からの受託により行っております。
また、貸付けの可否につきましては、県社会福祉協議会が、定期的に開催する貸付審査等運営委員会の意見を踏まえ決定することとなっております。
そのため、借入世帯に、緊急かつやむを得ない事情がある場合には、市社会福祉協議会が県社会福祉協議会に対し、柔軟な対応を求めていくことになっております。
次に、生活保護世帯におけるエアコン設置費用につきましては、国の通知により、貸付けの対象とされているところでございます。
ただし、年齢に関する要件については、事業の実施主体である県社会福祉協議会において判断がなされるべきものと考えております。また、生活保護世帯への生活福祉金の貸付実績は、平成22年度では1件となっております。
次に、借入申込時の家計状況の聞き取りについてでございますが、申請に至る経緯の確認や貸付けを通じての自立の可能性の検討、さらには、償還の見通しを立てるため、必要に応じて、生活の状況確認が行われております。なお、借入世帯の生活実態の把握につきましては、償還に関する相談などとあわせ、それぞれの地域における民生委員が、民生委員法の趣旨に基づき、市社会福祉協議会と密接に連携しながら、支援を行っているところであります。本市といたしましても、今後とも、パンフレットの配布やホームページへの掲載など、制度の周知徹底に努めるとともに、窓口における適切な対応、さらには、市社会福祉協議会との連携強化を図りながら、円滑な利用の促進に努めてまいりたいと考えております。

<font color=”#FF0000″>4、見川中学校、見川小学校、見川幼稚園の改築についてお聞きします。
[中庭議員質問]</font>
私は今年3月議会で早期改築をもとめてきました。特に見川中学校は建設されてから41年もたっており、体育館は市内でももっとも老朽化がすすんだものとなっています。その上、見川中学校は生徒数が764名、クラス数が23で、市内で4中についで2番目に大きい中学校となっています。見川中学校は資料室まで、一般教室に転用し、空き教室は一つもありません。これ以上生徒がふえると教室の確保がむずかしい状況となっています。見川小学校も教室がたらないため、プレハブの仮設教室が8年も続いています。今回の震災でも見川中学校は渡り廊下のひび割れ、体育館の窓ガラスの破損し、非常階段は老朽化のため、生徒の使用が制限されております。
しかし、見川中学校の改築計画は遅々としてすすまず、一昨年、昨年の2年間は改築のための予算は一円もつかず、地元関係者との協議もありませんでした。改築は放置されたままとなっております。3カ年実施計画でも「今年度は整備検討」となっており、今年度は改築のための予算は一円もありません。今年3月議会で私の一般質問に対する答弁も教育次長は「改築にむけて慎重に課題を精査する」として具体的な進展がありません。見川中学校の改築は水戸市の学校耐震化促進計画の完成年度である2015年度にはこのままではとても終了できない状況であります。
水戸市は来年度から直ちに改築工事にとりかかることを強く主張するものですが、水戸市の改築計画をお聞かせください。
また今回の震災で見川中学校のわたり廊下などが大きな被害をうけました。このわたり廊下の修復と、校舎のひび割れ、非常用階段の改修計画もあるのかお伺いいたします。

<font color=”#FF0000″>[会沢教育次長の答弁]</font>
中庭議員の一般質問のうち,教育行政についてお答えいたします。
見川中学校,小学校,幼稚園の改築につきましては,中学校校舎などの老朽化や,小学校の教室不足をプレハブ校舎で対応していること,また,グランドが狭あいであること,さらに,中学校のグランドの水はけが悪いことなど,早急な整備が必要であると認識しております。小中学校の校舎,屋内運動場,幼稚園園舎につきましては,耐力度調査を行い,改築国庫補助資格要件を得ております。現在,中学校,小学校,幼稚園の改築工事を計画的に進めるための年次計画等をまとめた整備計画の策定に向けて,関係部署と協議を進めております。現状の不整形な敷地形状に対応した配置計画や,本市初となる同一敷地での中学校,小学校,幼稚園の一体的な建て替えとなることから,慎重に課題を精査する必要があるため,時間を要しております。今後の改築事業計画につきましては,3か年実施計画への位置付けを図り,水戸市耐震改修促進計画における目標の達成に努めてまいります。
改築事業を進めるにあたりましては,幼稚園・学校及び地域関係者と十分に協議しながら,よりよい教育環境の実現のため,計画的かつ効率的な整備に努めてまいります。
また,見川中学校の東日本大震災による被害の復旧状況につきましては,これまでに教育環境への支障を最小限に抑えるよう早期の応急復旧を行いましたが,一部復旧が完了していない部分もあることから,今後とも,学校教育に配慮しながら早急な施設の復旧を図ってまいります。

<font color=”#FF0000″>5、見和市民センターの移転改築について[中庭議員質問]</font>
最後に見和市民センターの移転改築についてお伺いいたします。
今回の震災で、見和市民センターはホールの壁や天井などが落下し使用禁止となっています。現在は駐車場にプレハブの仮設事務所を建て、仕事を続けています。
梅が丘区地区の住民代表は、近隣の土地に市民センターを移転改築してほしいと、8月26日に高橋市長に要望書を提出しました。
見和市民センターは年間の利用者が3万人を超えるなど、多数の住民が利用しており、一刻も早い建設がもとめられております。
質問の第一は用地の選定を一刻も早く行い、来年度中の完成をめざすこと。
第2に移転先の道路は道が狭く、拡幅を必要でありそのための対策を早急におこなうこと。
第3に現在のプレハブ事務所の会議室一つしかなく、定員が30名程度でありとてもたりません。近隣の建物などを一時的な会議室として借りて、市民の利便を図ってはいかがでしょうか。
以上で第一回の質問をおわりますが、答弁によっては再質問を行います。

<font color=”#FF0000″>[市民環境部長の答弁]</font>
中庭議員の一般質問のうち,市民生活行政についてお答えいたします。
見和市民センターにおきましては,平成21年度に耐震診断を実施し,改築が必要である建物と判定されたことから,3か年実施計画に位置付け,現在,地元有識者による建設検討委員会を立ち上げ,改築に向けて進めているところでございます。また8月26日には,地元の梅が丘地区連合会及び見和市民センター建設検討委員会から,見和市民センター改築事業に関する要望書が提出されました。
今後は,これらの御要望を十分に尊重するとともに,地域の皆様が利用しやすい道路等の環境整備を検討し,早期に用地選定や基本・実施設計等を行なってまいりたいと考えております。施設の整備にあたりましては,基本・実施設計,建設工事等に約2年を要することとなりますので,平成24年度着工に向けて進めてまいります。
また,整備中は,御利用いただく方々に御不便をおかけすることとなりますが,近隣の公共施設と連携をとりながら,会議や集会等ができる施設の確保に努めてまいります。
以上