中庭次男水戸市議は2019年3月議会の一般質問で、高齢者の交通手段の確保のため、タクシー代補助券の発行を主張しました。質問と答弁は下記のとおりです。

〔高齢者に対し、タクシー代補助券の発行を〕

高齢者の交通手段の確保に質問いたします。高齢になると通院や買物が困難になり、タクシーを利用する場合でも経済的負担があり、なかなか利用できません。

ある高齢者は交通事故が心配だとして、自動車免許証を返納しましたが、歩行が困難で買物ができず困ったとの訴えが寄せられました。

前橋市では高齢者の交通手段の確保としてマイタク制度、すなわち75歳以上の高齢者、運転免許証返納者、65歳で運転免許証をもたない人を対象に、タクシー代を500円補助するタクシー券を年間120枚発行しており、2万人が利用し、買物や通院に便利だとよろこばれております。費用は年間1億3,000万円です。

私は昨年3月議会の一般質問で、水戸市でもタクシー代補助制度を実施してはどうかと主張しましたがいまだに実施されません。これまでどのような検討が行われたのか答弁をもとめます。水戸市は障害者に対し、タクシー代を500円補助する福祉タクシー券を一人年間60枚発行しております。これを高齢者まで拡大すればよいのです。

また、高齢者が気軽に路線バスを利用できるようにバス会社が発行する全線乗り放題定期券に水戸市が補助することを求めましたが、どのような検討をしたのか、答弁を求めます。

 

〔市長公室長の答弁〕

中庭議員の一般質問のうち,高齢者の交通手段の確保につきましての御質問にお答えいたします。

高齢者が安心して暮らすことができる社会を実現するために,買い物や通院などの日常生活を支える移動手段を確保することは,重要な施策の一つであると認識しております。

そのため,平成28年3月に策定した「水戸市公共交通基本計画」では,「高齢者等に対する補助制度の充実」を重点施策の一つに位置付け,バスやタクシーを利用する際の割引制度の導入について,検討を進めてきたところです。

御提案のような高齢者を対象とした,路線バスやタクシーなどの公共交通を利用する際の運賃を助成している自治体もありますが,重い行政負担が大きな課題となっている実態がございます。

本市では,将来にわたり,持続可能な制度の構築という考え方のもと,まずは,既存の公共交通を高齢者にとって利用しやすいものにする取組を進めているところです。

具体的には,路線バスを利用して外出しやすくなるよう,路線の新設や既存路線の見直しを進めるとともに,バス車両につきましても,乗り降りしやすいノンステップバスの導入を促進しているところです。

特に,公共交通空白地区となっている本市の郊外部におきましては,高齢化率が高い傾向にありますことから,新たな移動手段の導入が求められております。そのため,国田地区や大場地区で,試験的に実施しているように,国と連携しながら,昼間の時間帯に需要が少ない民間事業者のタクシーを活用して,移動手段の確保に努めているところです。

今後につきましても,路線バスやタクシーなどの本市の交通資源を十分に活用しながら,全ての人が安心して移動できる交通体系の実現を目指し,高齢者が将来にわたって安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。トメ