中庭次男質問(2018年9月議会の代表質問)

最初に、東海第二原発について質問いたします。

今月9月1日に水戸市内で原発再稼働と20年運転延長に反対する集会が開かれ1000名が参加し、その後、デモ行進がおこなわれ、私も参加しました。

参加者は「東海第二原発は日本の原発の中で最も老朽化し、事故が一番多く発生し、廃炉しかない」「30㎞圏内には96万人がすみ、日本では最も人口過密地域にあり、避難は不可能だ」「この夏の猛暑でも電気はたりている。原発は必要ない」と訴えておりました。

南相馬市の桜井勝延(かつのぶ)前市長も「東日本大震災から7年たってもいまだに、住民の避難がつづいており、住民の命を守るためにも再稼働は絶対にさせてはならない」と訴えました。

高橋市長は再稼働や運転延長に対し、多くの市民や専門家の意見を反映させたいとして、「水戸市原子力防災対策会議」を設置しました。

ところがこの会議のメンバーを見ますと岡本孝司(こうじ)東大教授が選ばれております。岡本教授は日本原電から721万8,000円の研究費を受け取っており、さらに原子炉を製造している三菱重工業から951万2,000円の寄附を受け取っています。

これは岡本教授か県に自主申告した文書によるものです。原発企業から多額のお金をもらい日本原電と密接な関係があり、原発を推進する研究者では再稼働ありきの人選ではないではないでしょうか。

しかも会議は非公開であり、後日公表するという議事録も誰がどのような発言をしたのかは非公開とされており、市民の期待に応えるものではありません。完全な公開を求めます。

6月水戸市議会で再稼働反対の意見書が採択されました。県内でも28の市町村議会で再稼働反対、20年運転延長反対、または廃炉を求める意見書を採択しています。

茨城町でも小林町長が再稼働反対を表明したとの事です。

今年11月28日は40年運転の節目であり、いまこそ高橋市長は再稼働反対、廃炉を主張する時ではないでしょうか。市長の答弁を求めます。

 

 高橋靖市長答弁

日本共産党水戸市議団を代表されましての中庭議員の御質問にお答えをいたします。

はじめに,「水戸市原子力防災対策会議」についてお答えをいたします。

私ども,「原子力所在地域首長懇談会」構成6市村は,一丸となり安全協定の見直しに取り組み,その結果として,本年3月29日に,日本原電と安全協定の見直しに関する合意が図られ,長年にわたって要求をしてきた,再稼働についての事前了解権をはじめとする権限を得たところでございます。

本市といたしましては,新たに得た権限に責任を持ち,東海第二発電所の安全性等をしっかりと見極めるため,「原子力安全対策係」の新設や,幅広い分野,多様な視点から,御意見をいただく場である「水戸市原子力防災対策会議」の設置など,体制を強化しているところでございます。

「水戸市原子力防災対策会議」は,本年6月に要項を制定するとともに,8月の総務環境委員会において,メンバーの公表を行ったところであります。

会議のメンバーにつきましては,原子力の専門的知見を有する学識経験者,医学的知見から御助言をいただける医療関係者,さらには,商業,観光,地域防災,女性団体,PTAの代表者など,17名の方を選ばさせていただきました。

会議の具体的な開催時期や回数については,現時点において未定でありますが,東海第二発電所の今後の方針が示された際に,安全性等をしっかりと評価,協議していく体制を確立するために,11月までに,第1回の会議を開催することを予定しており,今後,東海第二発電所の安全対策,水戸市広域避難計画などについて,御意見いただくことを想定しております。

この会議は,本市における東海第二原子力発電所の再稼働の可否判断を決定する場ではなく,東海第二発電所の安全対策などについて,メンバーそれぞれの立場から,忌憚のない,様々な御意見をいただく場として設置するものであります。

加えて,再稼働については,限られたメンバーの多数決で協議結果を導き出すことのできる性質でもないと認識しております。

また,会議の公表につきましては,メンバーの方に過度のプレッシャーや負担がかかることのないよう会議を非公開にするとともに,一方で,公正性を担保するため,発言者を特定しない形で,会議内容を市ホームページなどにおいて,公表してまいりたいと考えております。

次に,前回の定例会において,可決された「東海第二原子力発電所の住民理解のない再稼働を認めないことを求める意見書」についてでございますが,市議会からの大変貴重な御意見であり,真摯に受け止めているところでございます。

東海第二発電所の再稼働につきましては,原子力規制委員会の新規制基準に適合することはもちろんのこと,全ての市民の安全な避難に向けた実効性のある広域避難計画が策定されない限りは,あり得ないものであります。

その上で,私は,市民の安全で安心できる暮らしを守っていく使命がありますので,議会の御意見を踏まえるとともに,「水戸市原子力防災対策会議」における技術的,専門的な御意見や,多くの市民の声を十分考慮しながら,判断をしてまいります。以上